広島から進学で渡米し、ペンキ塗りから始まったキャリア

▲高校卒業後、親戚のいたアメリカの大学に進学

高校まで広島県尾道市で過ごした村上は、ハワイ出身の祖母の親戚がアメリカにいたことから、カリフォルニア州のサンノゼユニバーシティに進学しました。

村上が大学を卒業した当時はインターネットの黎明期。村上は人材派遣に登録し、シリコンバレーの企業など、市場動向を調査する仕事に就いていました。

ある日その会社の社長からかけられた言葉が、彼のキャリアを大きく動かすことになります。

村上 「ひとり残って仕事をしていたら、社長が来て、『実は今日でこの会社を辞めて自分の会社をつくるんだけど、君来ない?』と。その誘いに乗って、指定された住所に行くと、年季の入った民家がぽつんと建っていました。正社員として初めての就職でしたが、1番初めにやった仕事は、家のペンキ塗りでしたね(笑)」

その会社でWeb調査などの業務を行い約3カ月が過ぎたとき、製品の日本語化やQAスタッフを探している、CRM製品を扱うスタートアップ企業に派遣されることに。そののち、そのまま転籍となります。

村上 「部隊ごと買い取っていただいた形です。その後、就労ビザの都合で日本に帰国し、その会社の日本支社のテクニカルサポート部に勤務しました。ですが、さらにその会社も、別会社に子会社化されることになったのです。
そんなときに前職時代の同僚に声をかけられ、データ処理に強みを持つ企業に移ることにしました。その後、同社と世界的なコンピュータ関連企業が統合することになったので、今度はそこでネイティブプランナーとなり、数年間働きました」

紆余曲折のキャリアを重ねていった村上でしたが、数年後に家庭の都合で勤めていた会社を退職、しばらくの間東京と広島を往復する日々を過ごしていました。

次の就職先を探していた矢先、以前の同僚から声をかけられます。それが村上とVeeva Japanとの出会いでした。

時差や言語の壁を超え、他社の3倍のスピードで仕事をこなすVeeva

▲Veevaグローバルチームと村上(写真右端)

村上 「『Veevaは若い会社だし、まだまだ伸びる会社。働いていて絶対悪い場所じゃない』と誘われて、入社しました。会社を選ぶ上で、外から見る印象と、中から感じる印象には、どうしてもギャップが出てきますよね。
ですが自分が一緒に仕事してきて、信用している人たちが働いており、かつ、その人たちが『いい会社だよ』と言うのであれば、安心していいなと思いました」

入社を決めた理由は、知人の評判だけではありません。Veevaの理念への共感と、自身のキャリアを考えたからでした。

村上 「お客様にもそうですが、同時に従業員に優しい会社だと今でも思っています。いろいろな機会を得ることができますし、社員を大事にしてくれる会社だなと。
もう一つの理由は、それまでのカスタマーサポートのマネージャーとしての仕事は、代理店サポートがメインだったので、実際にエンドユーザーが私たちの製品をどう使っているのかが見えにくい。
その点Veevaは、ライフサイエンス業界に特化していますし、エンドユーザーの顔も見えやすい。これは新しい挑戦なので自分のキャリアにもプラスになると思いました」

2017年に入社以降、現在までお客様の問題の本質を見極めて開発チームにフィードバックをしていく、エスカレーションマネージャーを務める村上。お客様の業務に非常に重大な問題が発生した場合は、さまざまな角度からサポートを行っています。Veevaに入社してすぐ、村上はVeevaのスピード感を目の当たりにすることになります。

村上 「今まで私が経験してきたオンプレミスの製品は、だいたい1年に1回メジャーバージョンアップがあり、その間に数回、パッチと呼ばれる修正補充をしてマイナーバージョンアップをしていました。
ところがVeevaは1年間に3回も新機能を盛り込んだバージョンアップがある。製薬業界のレギュレーションに対応しつつ、お客様の要望をできるだけ取り入れるのですが、それを他社の3倍のペースでやっているのです。入社した時はびっくりしました」

Veevaが掲げる4つのバリュー、「Do the right thing(正しいことをする)」「Customer success(顧客の成功)」「Employee success(従業員の成功)」「Speed(スピード)」。そのひとつの「スピード」を、村上はとくに意識して業務にあたっています。

村上 「ワールドワイドなやりとりをしているので、1番難しいのは時差ですね。中国のチームには技術的なサポートをしてもらい、根本的な製品に問題がある場合はアメリカの開発センターで修正しなければいけません。
そのときに言語の問題にも突き当たります。そもそも価値観やカルチャーが違いますし、英語も決してネイティブではないので、誤解なく、しかもタイムリーに伝えることができるかについては日々葛藤です。ただ、それをやり遂げて、お客様が安心できる環境にいち早く持っていくことにはやりがいを感じながら仕事をしています」

空間的、精神的な余裕がある地方で働くことで、仕事の質の向上も見込める

入社以来、お客様に寄り添い仕事をしてきた村上。Veevaのニアショアプロジェクトに携わることになったのは2020年5月のことです。

これまでVeevaでは、ニアショアプロジェクトをアメリカや中国で成功させてきました。日本でのニアショア計画も数年前から温めており、いくつかの候補地が挙がっていました。

村上 「雇用をつくるということもありますので、それなりの規模の都市でないといけません。100万人以上の都市で、優秀な大学も多く、地場産業があり、中国四国地方の中心地なので、ニアショアの候補として広島があがったんです。そこで、私が広島出身ということもあり、プロジェクトを進めてくれないかと打診されたという流れです」

そして広島オフィス設立プロジェクトがスタート。2021年春のオフィス開設に向かって着々と準備が進められています。ニアショアの主な目的は、地方での雇用創出とVeevaのバリューにもある「Employee Success」です。

村上 「私も東京で仕事をしていますが、広島に視察に行くと、なんて人が少ないんだろうと。仕事が終わった後に、ふと町に出てみると20分もバスや車に乗れば海にも山にも行ける。大自然に囲まれることができるのです。
このように空間的、精神的な余裕がある場所で働くことで、仕事の質が向上する効果もあると思います。また、当社のような外資系企業が広島にはあまりないので、新しいことをやっていくというVeevaの姿勢にも通じます」

海外での成功事例があるとはいえ、日本でのニアショアは初めて。そのため、調査も手探りで、どこにこのプロジェクトの話を持ち掛けるか?というところから、未知の世界でした。

村上 「企業誘致を考えている県は多いので、まずは行政の企業誘致課に行きました。県の方と話を進めながら、直近5年くらいの間で広島に進出した企業さんにお話を聞いてみると、いろいろな企業努力で雇用を促進しているということもわかってきて。最も難しいのは、求めている人材を雇用するということだそうです」

他社の話を伺い、Veevaとしても、求める人材にどのようにアピールしていくかが課題になると村上は感じています。

価値観を共有し、嬉しさも悔しさも分かち合える仲間と仕事をしたい

Veeva社に入社して初めてのCustomer Summitで何故かバーテンダーに

広島オフィスは、基本的には非対面でサービスを提供する部署をメインに据える予定です。

村上 「部署の一例として、お客様は製薬会社で、臨床試験のシステムを持っていますが、実際にシステムを使うのは医療従事者の方です。医療従事者の方が治験をした後のデータ入力の際に発生する問題などに対してサポートを行う業務などがあります」

広島オフィスでは一緒に汗を流せる仲間と働きたいと村上は考えています。

村上 「共通のゴールに向かい、うまくいったときだけではなく、悔しいときも共感できる人たちと、ぜひとも広島で一緒に仕事をしていきたいというのが、今の私の切なる願いです」

村上は広島からアメリカに渡り、シリコンバレーなど、時代の最先端を感じながらキャリアを積み、帰国。日本でもさまざまな経験をし、再び故郷・広島に戻ってきました。当面は広島オフィスの地盤を固め、拡充していくことに集中していきます。

村上 「Veevaは2025年に向けて今以上の高い目標、成長戦略を掲げています。これからどんどんお客様の数も増えるでしょうし、お客様の課題を解決するプロダクトも今後増えていきます。
それに対応するためのニアショア化でもあるのです。広島もはじめは少数での立ち上げになるかもしれませんが、それを3~5年で30人以上に増やしていく。そしてより多くのお客様の成功を実現していきたいと考えています」

広島オフィスの開設はゴールではなく、地方に雇用をつくり、カスタマーサクセスを拡大し、さらにVeevaの新しい挑戦をしていくためのスタート地点となるのです。