「困ったら大庭へ」。その声にいち早く答えるのが総務の仕事

創業から2年目を迎えた今も、日々、成長をつづける土屋。その動力の要となる本社・人事総務部が大庭のフィールドです。

「各部署や各事業所の業務が滞りなく進められるよう、サポートする」という人事総務部の業務は、全国各地の事業所開設、採用の窓口、各事業のフローや制度設計、契約……等々、多岐に渡ります。

「すべてが違うタスクで、頭がパニックになるぐらい忙しい」という大庭の日常。とはいえ、膨大な業務量の基にある視点は、驚くほどシンプルです。

大庭 「私に連絡してくる時は、その人が困っている時。その声にいち早く答えることが、私に求められている仕事なんです」

土屋のメイン事業である重度訪問介護。その最前線にいるのが、全国のクライアント宅で働くアテンダントひとりひとりです。

大庭 「最前線では、武器がなければ戦えません。総務部は、あくまでその武器を提供しているところです」

最前線を支えるバックオフィス、という立場で働く大庭は「自分がどこに置かれていて、何を求められているのか。それを察知する能力に敏感であること」を常に意識している、と言います。

もともと人間観察や行動心理に興味があったという大庭。それは、「何がこの人をそうさせるのか」「この人はどういう言い回しをすると喜ぶか」という他者の観察から、自身の業務を能動的に創り出していく、という大庭の仕事観につながります。

「人に頼られた時が、能力がいちばん発揮できる」と自身を説明する大庭。その能動的な姿勢を後押ししているのが、全国各地から集まる「声」のようです。

視野を広く持ち、チームを引っ張る。学生時代から変わらぬ“ポジション”

そんな大庭が、小学校4年生から高校3年生までつづけていたのが野球。

大庭 「ポジションは、9年間変わらずショートでした。ショートは、ボールがいちばん飛んでくる場所。外野との連携も図らないといけないので、視野が広く、野球を知っていないとできないんです。

かつ、チームを引っ張っていくポジションでもあるので、人とコミュニケーションを取りながらチームのモチベーションをあげていく。学生時代からずっとそういう環境にいました」

視野を広く、全体を把握し、周りを鼓舞する── 。ショートというポジションから見つづけてきた風景が、大庭の現在の業務を支えています。

大学入学後、一度、野球から離れたものの、草野球やサッカーを楽しみとしてつづけてきた大庭。大学時代からアルバイトとして関わっていたスポーツ会社に、23歳で入社をします。

そこで店舗の一スタッフとして担当をしたのが、大学生アルバイトの育成でした。

大庭 「スタッフの育成をしていると、(人が)成長していく過程がどんどん見えてくるんですね。大学1年生でできなかったことが、卒業する頃になるとできるようになる。

20代前半というのは、人格が形成されるいちばん大事な時期です。そういう年齢の子たちと関わるようになって、親のような気持ちで『社会に出て恥ずかしくない子に育てて出してあげたい』『人間として成長させてあげたい』、自分の中のそんな想いに目がいき始めました」

大庭自身も、その会社でのアルバイト時代の大庭をに育ててくれた出会った店長の、人を育てる姿勢を間近で見ていて「自分がころっと変わってしまった」経験をしたのだと言います。

他者との出会いによって、人間は成長することができる。大庭の内なる実感と、他者へ向けられたまなざしは、やがて「人をメインにした仕事をしたい」という想いへと熟成されていきます。

大庭 「スポーツ会社の仕事は『ものを売るために人とどう関わるか』という仕事でした。でも、『人としての成長を促し、その中で何か自分ができることがないか』という想いが芽生え始めた時、<介護>という仕事があったんです」

「もっと深いレベルのコミュニケーションを」。現場で学んだ生への感度

そんな想いを持ち、重度訪問介護を行う会社へ転職をしたのが2019年のこと。

念願の「人をメインにした仕事」── でしたが、未経験の大庭を待っていたのは介護の現場での圧倒的な体験でした。最初に向かったクライアント宅で、脳性麻痺の方と出会います。

大庭 「最初は本当に何を言っているのかわからなかったんです。聞き取ることもできなかったし、聞くと怒られてしまう。悪戦苦闘しながらも自分をアップデートしていったのですが、最初は鼻っ柱を折られた思いでした 」

これまで当たり前に行なってきた言語での会話、他者とのやりとり。それを覆されるようなコミュニケーションのあり方が、重度訪問介護の現場にはありました。

大庭 「それまで培ってきたコミュニケーションは、それはそれで成立していたのですが、もう一歩、二歩ぐらい深みに入って寄り添うことはできていなかった。そこが私の失敗点だったな、と今になって思います」

それまでの「どうしたら商品が売れるか」という、商品をあいだに置いたやりとりから、人と人が直に向き合うコミュニケーションへ。現場での経験を通して、「介護という業種では、もっともっと深いレベルでコミュニケーションを取らないとダメなんだ」と痛感したのだとか。

大庭 「目の前の人の顔の表情、目の位置、目線……そういった気配りが凝縮されているのが介護の現場です。

この方が今、何を考えていて、何をしているのか。言わずともわかるような関係性まで最短でやらないといけない、という難しさが現場にはあります。それは『阿吽の呼吸』みたいなもので、観察力と気配りがより必要でした」

スポーツや人材育成の立場から人間観察をつづけてきた大庭は、介護の現場で、人間の生への新たな感度を鍛えられていきます。

その後、1年ほどで現場を離れ、コーディネーター、オフィスマネージャーとなった大庭ですが、現場での経験とコーディネーターとして関わったアテンダントとのやりとりが、今も業務の基盤にある、と言います。

その中のひとつに、長時間勤務、一対一という関係性、直行直帰という重度訪問介護の性質上、特有の孤独感があります。

アテンダントがひとりで抱え込むことがないようにーー。自身も経験したというその想いを、大庭は今、別の場所で「細やかなフォローアップをしつづけていく」という業務へと転換させました。

「毎日、絶対に連絡を取る。名前をフルネームで覚える」。本社配属となった後も、人事総務部という場所から、日々、小さな働きかけを全国へ向けて行なっています。そして。

大庭 「管理職やマネジメントの仕事も、現場の方たちに理解してもらえるよう、『私は今、こういう仕事をしています』『私がこれをやることによってあなたたちにこういうことが起こるんです』ということを明確にし、ずっと発信しています」

自身の業務にも透明性が保てるよう、総務部からの発信もつづける大庭。双方向のコミュニケーションは、今日もつづいています。

「会社が成長すること=社会貢献」。直に実感できるのが会社の魅力

大庭 「声が集まる場所であるということは、その中にS O Sが紛れ込んでいるということでもあります。人事総務部は、『問題点があるな』というところを解決できる立場である、とも思っているんです」

「事業部の方が無駄なストレスや不安なく、業務に集中できる環境をいち早くつくること」。それが会社のためになる、と大庭は言います。

大庭 「そこで見つけた問題点を一個一個紐解いていきながら、みなさんの業務が円滑にまわるような制度やフローを、いろんな人を巻き込んで、これからも設計していきたいですね」

そして、土屋の<これから>について尋ねると、「唯一無二の会社にしたい」との答えが。

大庭 「今も既に唯一無二だと思うんです。でもまだまだ知名度が低いですし、重度訪問介護もまだまだ世の中に浸透してはいません。

だからこそ、『介護といえば土屋』。そうなれるチャンスがたくさんある、というのが土屋のいちばんの特徴だと思います」

そして「会社が成長すること=社会貢献」と大庭はつづけます。

大庭 「土屋という会社自体が、小さな声の積み重ねでここまで大きくなってきました。まだまだ大きくなれるし、なるべきだし、なることがいちばんの社会貢献です。

社会貢献をしている会社はたくさんありますが、社会貢献をしている手ごたえを直に感じられることが土屋の魅力ですね。こんなふうに直に実感できる会社はあまりないと思いますね。そこが魅力的な会社になっていくんじゃないかな」

日々、流動的に動いていく業務と会社の急成長の傍らでも、大庭が耳を傾けるのは、現場で聴いた「声」に他なりません。

大庭 「いちばん蔑ろにしてはいけないのは、今いる方の小さな声と、外部から聞こえる小さな声。今すぐは応えられないかもしれないけれど、耳を傾けるということは私がいちばん大事にしていることです。

会社を大きくしていくには人が入ってきて、しっかり稼働し、小さな声を拾いつづけることが必要です。その積み重ねで今があると思いますので、それをずっとつづければ自ずと大きな会社になると思いますね。私ができる範囲でやっていこうかなと思っています」

インタビュー当初、「365日仕事人間なんです」と自分のことを評した大庭。最後に、この12月、2歳になるというお子さんについて尋ねると、思わず顔がほころびました。

日々、成長する我が子から学んだのは「あきらめないこと」。

11月より、人事総務部門の最高責任者となった大庭。ひとりの人間の成長の傍らで、会社の成長と並走しながら、大庭の観察と実践、その往復はこれからもつづいていきます。

大庭のインタビュー動画はこちら