「怒涛の創業1年目。全国での事業所立ち上げと運営サポートに邁進」

株式会社土屋(以下、土屋)では、全国展開する訪問介護事業所「ホームケア土屋」、訪問看護ステーション、デイホーム、地域密着型の小規模のデイサービス等を運営。今後は放課後等デイサービス、グループホームなども視野に、幅広い福祉サービスを提供。副社長兼COO(最高執行責任者)の小黒 昭洋は、介護事業全般を統率しています。

小黒 「事業所運営のフォローのほか、各事業のリスクマネジメントを進めるために防災やハラスメント・虐待防止などをテーマとした各種委員会活動にも携わっています。

この1年間でホームケア、訪問看護師ステーション、デイサービスなど合計で30ほどの事業所が立ち上がり、規模も拡大。それぞれの事業所の立ち上げ時、一挙に人員が必要となる場面などに対応するため、事業所開設作業のサポートや人材の補填を手掛ける組織内ゼネラルサポートチームも動いています」

土屋のスタート時は700名ほどだったスタッフも、1年のうちに数百人が補強されてきており、公募のほかに、社員に推薦してもらった方とのリファラル採用でも新しいスタッフが数多く入社しています。

小黒 「全国でスタッフも増えていますが、事業所は全国でのニーズに応えるべく続々と増えていく動きなので、今後も増員しないと人手が足りなくなる状況です。

土屋のミッションである、『探し求める 小さな声を ありったけの誇らしさと共に』に示されるように、見えないニーズに対応していくという最終的な使命を実現させるためには、現在支援が定着していない地域にも事業所をしっかり構えることが重要です。見えないニーズに応えていくための基盤づくりを、この1年で進めてきました」

40歳手前未経験無資格で福祉業界入り。小さな声を探し求めて全国を回る

小黒が福祉業界に足を踏み入れたのは40歳になる直前のこと。大手中古車販売会社での営業職、実家での建設業を経て、香港で人材紹介会社の運営を手掛けるなど、職歴は多岐にわたります。

小黒 「海外進出や起業の野心はもともとあり、香港で日系企業を対象とした人材紹介会社を立ち上げました。しかし、自身が現地で結婚して子どもが生まれたことから、子育ての環境や教育面などを考慮して日本に帰国することにしました」

帰国後、それまでの、ひたすらにノルマを追ってきた仕事一筋の生活とはまったく違った環境に身を置きたいと考え、小黒は福祉業界への転職を決意しました。

小黒 「福祉業界の知識は最初は何ひとつ持っていなかったです。なんとなくお年寄りの相手をして穏やかに過ごすことができ、長く勤められそうだというイメージ先行で転職を考えました。

また、妻は中国に両親がおり、将来的に私たちが中国に戻ることがあった場合、現地の社会保障制度は日本と比較すると充実していない部分も多いので、日本の介護業界の知識を得ていれば何か今後の展開に役立てることができるかもしれないというも想いも多少ありましたね」

小黒がそうした転職活動中に、介護系ベンチャー企業の面接に行った際に出会ったのが、現・土屋の代表である高浜 敏之でした。

小黒 「思慮が深く、一辺倒の会話で終わらず人間の温かみを感じられる人だと直感しました。高浜に感銘を受け、『ぜひ、この人と仕事をしたい』と思ったのが、土屋へ参画するきっかけの一つでした」

小黒は前職の企業では、地元である九州や東北・北海道での重度訪問介護の事業所立ち上げを担当していました。しかし、事業拡大する中、「見えないニーズに応えられる介護を実現したい」との考えを強く持ち始めた高浜の立ち上げた株式会社土屋に、2020年の夏、参加することを決意します。

小黒 「土屋の掲げた理念(ミッション、ビジョン、バリュー)に共感してくれた人が一人また一人と現れ始め、本格的な立ち上げの頃には総勢700名ものスタッフが集まっていました。嬉しかったですね。

ただ、新たな人員募集はできていなかった。立ち上げて1~2カ月くらいは採用活動もなかなか思ったようなサイクルに乗らず、なかなか大変な時期でした。

けれども、立ち上げに際して改めて全国を回っていると改めて、地方へ行くほど重度訪問介護に対するニーズが顕在的にも、また潜在的にも大きいことがありありと伺えました。この一年は『1日でも早く、お一人でも多く、助けを求める声に応えたい』という一心で走った。という感じです」

「多様性の包摂こそが事業発展につながる。福祉に触れて一転した価値観」

現在の土屋 代表である高浜のすすめもあり、小黒は福祉業界に足を踏み入れた初期から重度訪問介護を担当。介護を通してクライアントに接する日々は、営業職や人材紹介業でいろいろな人と対話する仕事を経験してきた小黒にとっても「新鮮そのもの」だったといいます。

小黒 「それまで、障害者の方と接した経験がなかったのですが、非常に優れた面を持つ方が多くいらっしゃって。クライアントさんに会えば会うほど驚くことも多かったです。自分と同じ年で、かつて大手商社に勤務していたけれど、難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)にかかり、まったく体が動かなくなったという方もいらっしゃいました。

ご家族からも、今まで介護で苦労されていたところにわれわれが入ることによって、選択肢の幅を広げられるようになったと、大変喜ばれたことが印象に残っています」

円滑な職場の運営にも、心を砕きました。 

小黒 「福祉業界未経験だったため、入社後に医療ケア対応や事業所運営の管理者資格を習得していったのですが、資格習得前に既にエリアを任されマネージャー業務を担当したことがありました。

現場で働くスタッフからは経験も資格もない人間が上司になったということで、当初は反発するような雰囲気も正直あったのですが、対話を重ね、相手の話を聞くことに力を入れました。人の上に立つのではなく下で支える姿勢を自分が持てるようになったところから、職場の雰囲気も変わっていったと思います」

福祉業界に入ってから、「それまで当たり前だったことがまったく当たり前ではない」と強く感じるようになった、と語る小黒。その感覚の中にこそ、業界のポテンシャル拡大を見いだすカギがあると語ります。

小黒 「それまでは、売上や利益を重視し、お客様のニーズに応えるために何ができるかを考えて行動することが、社会人として最重要事項だと考えていました。この場合、時代の変化の中で会社も存続していくためには変化し続ける必要があり、ある働き手がその流れについてこられなければ切り捨てられて当然、というわけです。

しかし、介護の現場では考え方が真逆でした。自分とは違う考え方の人がいるからこそ、事業の成長や企業の発展につながるのだ、と学びましたね。会社が介護の担い手に価値観を一方的に圧しつけるのでなく、多種多様な人たちと一緒になって事業を進める視点こそが、介護難民問題を解決したり、障害者雇用を進めたりするために大切なことだと思います」

スタッフが自分らしく働ける場所を作ることは、誰もが生きやすい社会を作る

2年目を迎えた土屋の介護事業のかじ取り役として、「高齢者や障害者の方への支援を継続的に展開する事業を手掛け、地域に包括的に取り組むことができるサービスに挑戦したい」と展望を語る小黒。

小黒 「土屋の共通理念、ミッションビジョンバリューをもとに、さまざまな小さな声を掘り起こして応える。それにより、事業を通じた支援の範囲が広がっていくことも狙っています。たとえば、今後は高齢者や障害者だけでなく、地域の方、子どもたち、誰でも垣根なく過ごせるような複合施設を全国に展開したいですね。

放課後等デイサービスや就業支援を通して日中に障害のある方が生活する場を設けるなど、地域包括的なサポートの流れやしくみを全国的につくっていきたい。これまで与えられる側であることがほとんどだった障害のある方が、能動的に、社会に何かを与えられるような活動の形や流れ、しくみも築けていけたら、と考えています」

包括的で範囲の広い支援を手掛けることによって、土屋で働くスタッフもおのおのに合った介護の方法や働き方を選択できるようになるのではないか、と小黒は話します。 

小黒 「土屋の中でも、資格要件が非常に細かい部署や事業所もある一方で、資格要件のない職場もある。ですから、ほんの数年前の私自身がそうであったように、資格がなくても未経験でも、土屋のミッションビジョンバリューなどに強い想いや何かしらの共鳴を感じられる方には、ぜひ仲間に入っていただいて、私たちの介護・福祉の概念を、さらに広げていただきたいですね。

今後の土屋を、福祉との幅広い関わり方を提案していけるような企業にしたいとも考えています。それにより、広域に社会問題を解決できる企業になるための道につながっていると信じているので、ぜひチャレンジしていきたいです」

まさにダイバーシティを具現化する労働環境を成立させるため奮闘する小黒。スタッフの多様性もふまえて土屋の事業を推進することで、業界や地域社会にイノベーションが起こせると信じて前進を続けます。