オーディオ機器から始まった、技術への飽くなき好奇心

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※在籍年数や役職を含む記載内容は、取材当時(2022年10月) のものです。その後、状況が変化していることがあります。

──はじめに、近藤さんの学生時代について聞かせてください。いつからプログラミングに興味を持っていたのでしょうか?

中学生のころからオーディオ機器が好きで、イヤホンやヘッドホンなどのハードウェア開発に携わりたいと思っていました。オーディオ機器によって、音質の違いが生まれるおもしろさに引き寄せられていったんです。高校生になりアルバイトを始めてからは、アルバイト代でヘッドホンやスピーカーを購入していました。

高校卒業後は、ハードウェア開発を学べる工業系の大学を志望していました。ただ、大学受験には失敗してしまって……。最終的に、ハードウェア開発などのモノづくりに強い専門学校に進学して、ロボット工学を専攻しました。

──プログラミングといっても、ハードウェア開発となると少し種類が異なりますよね。どんな経緯でITエンジニアをめざしたのでしょうか?

これには、専門学校時代に経験した4つのことがとくに影響しています。1つめは、入学直後に始めたオーディオ関係の販売店でのアルバイト。通販も手掛ける販売店だったため、サイトの更新や広告バナーのデザインや制作、検索対策といったWebの基本ノウハウを経験できたんです。これが、Web業界に興味を持つ最初のきっかけでした。

2つめは、2年生から始めた学生フリーランスとしての仕事。当時は、Webのフロントエンド業務が中心でした。実際に仕事として経験を積むことで、社会人としてどんな道を歩みたいかが明確になっていきました。

3つめは、3年生になり、初めてハッカソンに参加したこと。そもそもハッカソンとは、ITエンジニアなどが集まってチームを組み、 短期間集中型で開発作業を行うイベントのことです。このときに出場したのは、ヤフーと教育機関が共同開催している「HackU」でした。そこで、たまたま隣のチームだった人たちと仲良くなりまして、その後も一緒にJPHACKSをはじめとしたハッカソンに出場することになりました。ここで、チーム開発に意識が向かいます。

これら一連のことを振り返る中で、自分は純粋にWebの世界が好きだなと気づき、インターンとしてシステム会社でSEを経験したことが、4つめです。そこでは、インターン終了後も半年ほどアルバイトでお世話になり、とても多くのことを学びました。

JPHACKSで受賞した学生時代。入社後、自ら応募しジュニア審査員としても活動中

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──ハッカソンに参加した経験は、どんな変化を感じていますか?

2つあります。まずは、開発速度ですね。ハッカソンでは非常に短期間かつ、ゼロから素早く作るような開発の機会が多く、“すぐに作る力”が身についたと思います。

もう1つは、コードに対して良し悪しの判断軸を持てるようになったこと。チームで開発する中で、他の人のコードを見て、それに合わせて自分がコードを書くからこそ、気づくことがあります。たとえば、「このとき、この書き方だと、チームとしてやりやすかった、またはやりづらかった」という肌感なども、現在の判断軸につながっています。

──学生時代には、2年連続でJPHACKSにも参加されて、2020年には決勝ラウンドであるAward Dayに進出。しかも、企業賞を2つ獲得されたとお聞きしています。どのようなアプリを開発されたんですか?

 「Frankfurt」というビジネスメールを簡単に作成できるデスクトップアプリです。このアプリは、チャット感覚でテキストを入力すると、自然言語解析を行い、正しいビジネス文書に修正してくれるサービス。ビジネスメールを書く機会の少ない若者が、社会に出た際に困ることがないようにと、企画・開発しました。

開発においては、Gitによるメール文の差分管理を行うことで、API負担を軽減させ、1文につき平均で2~3秒程度で変換結果を高速に返せるようにしました。

──実際にJPHACKSで評価を受けてみていかがでしたか?

JPHACKSはアイデアだけではなく、開発したコードも評価の対象なので、やりがいがありましたね。

審査に際しては、GitHubのレポジトリも見て、コードを確認し、きちんと動くかどうかを見てもらえるのはもちろんのこと、どういう技術を使い、どんなこだわりを持っているかを詳細に評価してもらえる点が楽しかったです。参加者の技術力も高いので、毎回すごく刺激を受けながら開発に取り組めました。

──Jストリームは、2021年よりJPHACKSへ協賛しています。近藤さんも現在は業務のかたわら、JPHACKSのジュニア審査員としても活動されているようですが、これは自ら応募したのですか?

そうです。学生時代として参加した経験が、自分自身にとってはポジティブに働きました。Jストリームに入社してからは、「OBとして同じような意思を持つ学生の力になりたい」と思い、審査員に応募し、2021年、2022年と引き続きJPHACKSに関わらせてもらっています。

リモートでも相談しやすい環境。疑問を解消したことで、円滑に仕事を進められるように

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──バックエンドエンジニアの仕事は、Jストリーム入社前から希望されていたのですか?

はい。私はフルスタックエンジニアを目標にしており、学生時代から技術分野を限定することなく、フリーランスやインターンで活動してきました。スキルの幅を広げるために、就職活動では大規模な配信を行う企業でのバックエンドエンジニアに絞りました。

Jストリームでは、大規模な配信での実績も多く、同時接続数が数十万人にも耐えられる仕様策定やスケール処理の開発も行います。ここには、個人ではできないことを経験できる環境があると思い、入社を決意しました。

──現在の仕事内容について教えてください。

2022年現在は、社内共通開発基盤である「J-Cloud(ジェイ・クラウド)」のAPI開発を担当しています。「J-Cloud」では、マイクロサービスを採用しているため、Jストリームが提供するサービスの開発においては、部分的な機能流用や追加が柔軟にでき、単機能の開発に集中できます。これまでに、動画トランスコードでの暗号化に関する新規開発、ライブ録画に関する機能改修、ライブチャットに関する機能強化を担当してきました。

Jストリームでの開発では、高負荷なケースが多いのが特徴的です。機能要件上では動作するはずなのに、負荷試験では求めている大規模な配信時に想定通りのパフォーマンスが出ないこともありました。その際は、チーフテックリードにも相談にのってもらい、一緒にボトルネックとして考えられる部分を確認し、解決していきました。

──入社時からテレワーク中心の業務スタイルだと聞きましたが、不安に感じることはありませんでしたか?

職種にもよりますが、コロナ禍の影響もあって全社的にテレワークは浸透しています。私の場合は在宅でも開発ができますので、入社してからの1年半で出社回数は10回未満です。

正直、入社前は「業務でわからないことがあっても、すぐに相談できないのではないか」と懸念していました。ところが実際は、メンターである先輩が毎日30分の時間をつくって面談をしてくれたため、その心配は杞憂に終わりました。

また、入社したばかりのころは「こんなことで先輩の時間を奪って良いのだろうか」と思うこともありました。しかし、時間を設けてもらうことで堂々と疑問や不安を話せるようになり、業務でつまずくことも減って、円滑に仕事を進められるようになったんです。

長期目線でチーム開発ができるこの場所で、「正しいもの、いいもの」を作っていきたい

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──エンジニアとして、Jストリームで働くおもしろみはどこにありますか?

一番は、長期目線でチーム開発を考えられることですね。Jストリームでは自社開発を行っているため、“作って終わり”ではありません。この先、何年も使われますし、機能追加や改修を行い、サービスとして継続・発展させていく必要があります。その先の開発を意識して、「チーム開発はどうあるべきか、やりやすさはどうか」を日々考え、実践できるんです。

 ──社内の雰囲気をひと言で表すとなんでしょうか?

「風通しが良い」です。想像していた以上に、社員同士の距離感が近く、コミュニケーションが取りやすいです。上司は、2年目の私などの若手の意見を取り入れてくれますし、自分が失敗したときは一緒に改善方法を考えてくれます。

また、同期とは、Slackで仕事や技術に関する悩みや疑問、雑談、プライベートのことまで気軽に話しています。その中で、「J-Cloud」に関するレポジトリやコードをみんなで読む、読書会のコード版のようなことが始まりました。この勉強会は先輩の目にも留まり、今となっては課全体で毎週開催しています。自分に合った風通しの良い社風の中で、仕事や技術を楽しめる会社に出会えて良かったなと思っています。

 ──近藤さんのキャリアビジョンを教えてください。

いずれは、大規模配信を前提としたフロントエンドのチーム開発経験も積んでみたいですし、職種を限定することなく、さまざまな開発に携わっていければと思います。

ある一定のスキルがあれば、動くものは作れます。そこから一歩超えていくために作らなければならないのは、「正しいもの、いいもの」。

私の場合、「チームで作っていて作りやすい、みんなが見やすく、わかりやすい」ことが、「正しいもの、いいもの」だと考えています。このクオリティを上げ、より良い開発ができることが一つの理想の姿です。

 ──最後に、ITエンジニアを目指す学生の皆さんへ向けてメッセージをお願いします。

作りたいものを作れるのは学生時代の特権です。技術を追求する中で得られるものは、技術以外にもとても多くのことがあります。私も学生時代の開発仲間と、社会人になった今でも一緒にハッカソンへ出場したり、お互いの仕事や業界の情報交換をしたりしています。技術を存分に楽しんでください!