個々の事情に配慮する職場環境。育休取得をきっかけに、社内の風通しの良さを再確認

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大学卒業後、新卒で市場調査会社に就職した左田野。メーカーへ出向したことがきっかけでブランド業務に興味を持ち、2016年に現サノフィジャパン・グループのエスエス製薬へ。その後、新製品の上市を経験するなど、製薬業界もマーケティング業務も未経験ながら着実にキャリアを重ね、2019年にブランドマネージャーに昇格しました。 

そんな左田野が育休を取得したのは、2020年のこと。当時エスエス製薬では、管理職のワーキングマザーが周りにほとんどいなかったことから、大きな不安があったといいます。

左田野 「歴史のある会社ということもあり、女性が妊娠・出産後も変わらぬ職責を担いたいという想いが好意的に受け止めてもらえるだろうかと、勝手に不安を抱えていたんです。ところが、勇気を振り絞って上長に妊娠を報告し、『出産後もフルタイム働きたい!』と伝えたところ、すごく自然に受け止めてもらえて。

妊娠・出産に限らず、当社には社員のプライベートな事情に配慮してくれる風土があることがよくわかりました。私が産休・育休を経ても同じポジションで働き続けられたのは、そんな社風があるからだと感じています」

産休・育休前後で左田野がもっとも苦労したというのが、時間配分。自分に高い要求を課すことをやめ、他のメンバーにも業務を割り振ることで、乗り切ることができたと振り返ります。 

左田野 「私はもともと、『可能な限りの時間を使って、すべて自分でやりたい』と思うタイプ。やれることは自分でやるべき、という考えがあったのですが、そうも言っていられなくなりました。

そこで、完璧にこなそうとすることをやめて、限られた時間でやり切ることを最優先することにしたんです。そう決めてからは、気持ちがずいぶん楽になりました。あえて人に仕事を任せたり、優先順位をつけてゆとりを持たせたりすることも心がけています」



育休前後で仕事との向き合い方が大きく変化。属性を使い分けることが心の余裕に

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入社以来、マーケティング部でブランドマーケティングに携わってきた左田野。仕事のやりがいは、今でも変わらないと話します。 

左田野 「製品が研究・開発されて私の手に届くまで、たくさんの方々の想いが込められます。製品としてでき上がったものを、会社を代表してどう売っていくかという、重要な部分を任せてもらっていることがこの仕事の魅力であり、何よりのやりがいです。 

入社してからずっと大事にしてきた製品に対する想いが、育休を経てますます強くなったと左田野はいいます。 

左田野 「子どもが生まれ、自分にケアしていく存在ができたことで、今までにも増して、大切な成果、大切な製品をお預かりしているという気持ちが強くなりましたね。  

今は、製品に関わるたくさんの方々の考えや想いごと、消費者へきちんとお届けできるよう、全力を尽くしたいという気持ちで取り組んでいます。

実は3月には新製品が発売になり、育休後初の新製品ということで新たな気持ちでマーケティングに取り組んでいるところです」 

仕事や育児に忙しい日々を送る左田野。“妻”や“母”とは違う役割、 “左田野 文”として仕事に向き合える時間が、気持ちを切り替えたり、心に余白を作ったりすることにつながっているといいます。 

左田野 「妊娠してからというもの、普段の生活の中では、妻として、母としての役割を果たす場面が多くなってきているように思います。ところが、職場では旧姓を使っていることもあって、仕事をしているときだけは、妻でも母でもなく、“左田野 文”でいられるんです。

『ご主人の意見は?』と聞かれることもなく、自分の判断や自分の地位が保たれるというか。自分主体の生活があることが、気持ちに余裕をもたらしているところがあると思います。

“〜ちゃんのママ”と呼ばれる生活も、それはそれで楽しみながら、会社では“左田野 文”というキャラクターを楽しむ。そうやって役割を使い分けることで、うまく立ち回れるようになってきたかなと思います」


制度の充実が生む安心感。福利厚生の柔軟な運用が仕事とプライベート両立の鍵

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サノフィジャパン・グループでは、子の看護休暇や育児のための時間外労働・深夜業の制限のほか、2年以上の取得も可能な育児休業制度や1時間から取得可能な有給休暇、使い切れなかった有給休暇のストックを子どもの看護・学校行事などで使用できる“ラ・メゾン休暇(※)”等を設け、子育てをする社員がフレキシブルな対応ができるようサポート体制を整えています。 

左田野 「チームや周囲が理解・協力してくれるので、今はフレックスや在宅勤務の利用のみで育児との両立ができています。ただ、子育てに関するいろんなサポート制度があるからこそ、安心して仕事に打ち込めているという面はありますね。

今後は自分や家族の体調などの理由で、どうしても長期的な休暇が必要になることがありえると思っています。なので、“ラ・メゾン休暇”などの制度が充実していることは心の支えですし、『いざというときには頼ることができる』という安心感がありますね」 

また、サノフィジャパン・グループでは、メンターを自分で探せる制度も整いました。日本のみならず、世界中の従業員から自分のメンターを探すことができます。メンターになる前に面談ができるので、自ら似た境遇にある人を探し、キャリアや働き方について相談することが可能です。

左田野 「自分が産休に入る前にその制度があれば、ぜひ活用したかったと思いますね。私の場合、誰にも相談できず、本当に不安でした。とくに、妊娠や出産については、気軽に話せない悩みも多いので、近しい立場の相談相手がほしかったんです。今後は、自分自身がメンターとなってお役に立てればとも思います」

とはいえ、国境を超えたワーキングマザー同士のネットワークを活用できたのも、グローバル企業であるサノフィジャパン・グループならでは。左田野も、過去にグローバルのカンファレンスに参加して知り合った海外のワーキングマザーから、メールでアドバイスをもらっていたといいます。 

左田野 「グローバルのカンファレンスで、タイに出張したことがあって。そのときのメンバーには、生後6カ月くらいの赤ちゃんを連れてきていたマレーシアの方や、ふたりのお子さんがいる韓国の方など、ワーキングマザーが多かったんです。

自分の少し先を歩んでいる人たちとその後も連絡を取り合い、育休中にメッセージのやりとりをしたことで、参考になる部分がありましたね。そのときによく言われたのが、『どちらも全力で取り組んだほうがいい』ということ。仕事中に育児のことを考えたり、育児中に仕事を考えたりすべきではないことは、彼女たちに教えてもらいました」 

※サノフィジャパン・グループで設けている独自の休暇制度。自分自身や家族の病気・治療・学校行事等で使用できる。子どもに関しては、小学校3年の3月末日に達するまで、養育・看護・介護・学校 行事の参加するために利用できる 

サステナブルなビジネスを実現できるチームを目指して

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左田野が仕事と育児を両立させていく上で大事にしているのは、仕事と育児のどちらにも全力で取り組むこと。 

左田野 「仕事をしているときは仕事に、育児をしているときは育児に。それぞれ全力を注ぐことが大事かなと思っています。たとえば、仕事中の自分は母親の顔をしていないけれど、家に帰ったら、仕事のことはいっさい考えない。どちらに対しても、真摯に対応していきたいですね」

また、マネージャーとして、今後は個人それぞれの事情に配慮できるような存在になりたいという左田野。

左田野 「出産や育児だけでなく、介護が必要な家族がいらっしゃるとか、ご自身の体にケアすべき点があるとか。誰にでも何かしらの事情があると思うんです。そうしたことに気配りしながら、サステナブルに仕事を回して結果を出していけるようなチームを作れたらと思っています。

実際、現在の部下とは、互いの事情を理解した上で、お互いが働きやすくいられるよう努めています。母親になったことでさらに意識するようになりましたが、子育てに限らず、互いを思いやることは、本来当たり前のことなのかなと思うんです。いろいろな人の、いろいろな事情に合わせて適切に立ち回れるビジネスパーソンでありたいですね」

また、産休・育休取得以前から、エスエス製薬が中高生を対象に提供してきた「おくすり授業」という薬育活動に関わっていた左田野。次世代に正しい薬の知識を伝える目的で2013年に始まった活動で、薬の基礎知識や製薬会社の仕事について社員が中高生に分かりやすく説明しています。 今後はより積極的に参加していきたいと話します。 

左田野 「妊娠・出産を経験したことで、薬育への関心がますます高まっています。製薬会社に勤めているので、自分自身が薬に関するリテラシーの課題を感じたことは、これまでありませんでした。ところが、母親という立場で子どもの体のことを思うと、ちゃんとエビデンスがあり、お医者さんによる説明があっても、なかなか不安が解消されないんです。

とくにコロナ禍のように不確定な情報が多い状況の中で、創薬に対する不安を身近に感じています。幼いうちから、薬の効果や正しい使い方などについて学ぶことの大切さを改めて思い知りました。

たとえば、判断の基準を示してあげるだけでも、解消される不安があると思っています。これからも引き続き薬育活動に関わりながら、薬に関するリテラシーの向上に貢献していければと思っています」 

サノフィジャパン・グループのマーケティング担当として、そして母親として。仕事にも育児にも全力疾走する左田野の活躍は、後輩たちの道標となり、インクルージョンな風土をさらに醸成していくでしょう。