一貫してウェディング業界でのキャリアを歩み、起業を経てPDPに入社

▲沖縄起業時代の高本。台湾のウェディングフェアに出展した際に

2021年8月現在、PDPのウェディングマーケティング&ブランディング室商品企画チームで、主に婚礼商品の企画開発を担当する高本。

そんな高本はPDPに入社する前から、さまざまな経験を積んできている。上海の大学を卒業後、地元・沖縄のリゾートウエディングプロデュース会社に入社して中華圏の法人営業に携わり、そののちに独立して起業しているのだ。

高本 「リゾートウェディングプロデュース会社に3年10カ月勤めたあと、沖縄で独立しました。規模は小さいですけれども、中華圏のお客様をターゲットに、沖縄のリゾートチャペルでの結婚式や写真撮影といったインバウンドを主軸としたウェディングの事業を営んでいました」

その後も一貫してウェディング業界の仕事に携わる高本の原点は、高校時代にあった。

高本 「高校生のとき、結婚式場でアルバイトをしていました。裏方として音響などをやっていたのですが、舞台裏から目にする花嫁さんの輝きや美しさがすごく心に刺さりました。そのときから、将来は絶対にブライダルの仕事をしたいと思っていたのです」

そんな高本は、2020年2月にPDPへ入社。沖縄で起業していた高本があえて就職という道を選んだ背景には、ある想いがあった。

高本 「私は九州で生まれ、子どものころは親の転勤で九州地方から東海地方のエリアを行ったり来たりしていました。そうした経験もあって、訪日観光客に対してウェディングの仕事をしていくうちに、『沖縄だけではなく、日本にはほかにも良いところがいっぱいあることを知って欲しい』という気持ちが芽生えたのです。とはいえ、自分の会社で日本各地のインバウンド事業をやるのは、リソース的に難しいものがありました」

高本は、PDPならそうした想いが実現できると直感。沖縄を離れて東京へ行く決断をする。

高本 「PDPは全国各地に拠点があります。また面接で当時の上司から、『インバウンドはまだやってないが、これからやりたいと思っている』という話があったため、ここでならチャレンジできる、早くバリューを出せると考えて入社を決めました」

コロナ禍でも提案できる新商品「STYLE+」をスピーディーに展開

▲発案から急ピッチで進めた「STYLE+」。ホームページ制作のための撮影風景

高本がPDPに入社した2020年2月は、新型コロナウイルスが日本でも感染拡大しつつあるタイミングだった。

高本 「3密が新型コロナウイルスの感染につながるといわれ始めたころで、ウェディングはまさに該当してしまう、と思いました。従来スタイルのウェディングは、3密の状況を生みますから、売るものがなくなってしまう。予約が入っている分も、ゲストを呼んでウイルスに感染させてしまう怖さから、多くの新郎新婦がキャンセルか延期するだろう、と危機感を抱きました。

でも、私は商品企画チームに所属していますので、今からすぐに売り出せるものを創り出さなければ、と気持ちを切り替えたのです」

そこで、高本がすぐに開発に取り掛かったのが、フォトウェディングプラン「STYLE+(スタイルプラス)」だ。

高本 「3密を防ぐ商品として思いついたのが、公園や庭園、海などの屋外でウェディング衣装を身にまとい撮影する『ロケーションフォト』。ロケーションフォトによるフォトウェディングなら、撮影場所が屋外で参列者がいませんし、新郎新婦とフォトグラファー、ヘアメイクスタッフの撮影チームの少人数で完結する。3密を避けられるのです。

結婚披露宴を行うと平均約360万円掛かるのに対して、フォトウェディングなら30万円程度。こうした条件も追い風となり、結婚式の延期や中止をしたカップルから選ばれる、と確信していました」

ロケーションフォトは、これまでのPDPにおいて、結婚式の前撮りを行う形の付帯商品という扱いだったが、全国で提供されていた。そのため、すぐに全国でサービスを開始できる体制が整っていた。このことも、「STYLE+」の商品化を進めた理由のひとつにある。

高本 「PDPは全国各地に会場を持ち、ウェディングプランニングの経験が豊富な腕利きのプランナーがいます。日ごろから取引しているカメラマンや美容パートナーがいることからも、スムーズにサービス提供体制を構築できると考えました」

「STYLE+」の展開にあたっては、スピーディーに商品化を進めることを重視。高本を含むわずか3名のチームで、ウエディングプランナーやパートナーの打ち合わせ、各拠点でのサンプル撮影やパンフレットの作成、オペレーションの構築といった準備を行った。

高本 「コロナ禍で結婚式を延期するお客様やキャンセルしたお客様への代替案が必要だったので、『STYLE+』をウェディングプランナーに一刻も早く届けなければいけなかったのです。中途入社ということもあり、1秒でも早くバリューを出したかったこともプラスに働き、前のめりに進められました」

そんな高本らの熱意によって、2020年5月~2021年1月の9カ月間で、7エリア(東京、京都、神戸、福岡、長崎、軽井沢、神奈川)の11会場での「STYLE+」導入にこぎつけたのだ。

記念日のような1日をプロデュースする「STYLE+」を広めていきたい

▲この夏、「最高に綺麗な紅葉フォトプラン」をリリース

高本を中心に商品開発を進めた「STYLE+」には、もともとウェディング事業を手掛けているPDPならではの特徴がある。

高本 「『STYLE+』の強みは、何といっても婚礼でプランニング力を培ってきたウエディングプランナーによる提案力にあります。ただロケーションフォトを撮影するだけでなく、まるで記念日のような1日をプロデュースする商品です。

たとえば、撮影の途中で家族を呼んだり、新郎新婦がお互いに手紙を読み合ったりする。あるいは、何かサプライズ演出を組んで、その瞬間の表情を撮るなど、自由自在にカスタマイズできます」

PDPでは、これまでも館内での前撮りの商品は展開しており、前撮りの実施率は2019年5月~2020年4月の期間は16.7%であった。

しかし、「STYLE+」リリース後の2020年5月~2021年4月の期間では、前撮りの実施率は実に36%にまで上昇。「STYLE+」が、PDPを利用する新郎新婦に支持され、コロナ禍で結婚披露宴の延期や中止をするお客様のニーズにも応えていることが数字に表れた形だ。

一方で、高本が今後の課題としているのは、「STYLE+」を利用する層の拡大である。

高本 「結婚式を挙げずに写真だけを撮りたい、と考えている方にいかに興味を持っていただくかが今後の課題です。『STYLE+』は、フォトウェディング市場では後発のため、『STYLE+』の価値やコンセプトをどう伝えていくかが今後成長できるかどうかのカギです」

そんな高本は、結婚式を挙げずにフォトウェディングを行うカップルの中にも、「STYLE+」にマッチする層があると考えている。

高本 「ただウェディング衣装を着て写真を撮りたい、という方ではなく、撮影する1日を『思い出の日』にしたいとか考えているお二人にこそ、『STYLE+』を届けたい。家族を呼んで感謝の気持ちを伝えるなど、何かをやりたいと考える方にはきっと共感していただける、と考えています」

来るべきタイミングでバリューを出し続ける人間でありたい

▲高本 小百合

高本にとって、PDPは夢をかなえられる場所。「提案したことを具現化していく文化があるのが嬉しい」という。

高本 「企画書を出すと、上司がどのように動いていくべきか、プロセスを丁寧に見てくれます。実現が難しいときも、少し見て『これはダメだ』というのではなく、そもそもこういう要因があるので難しいのだ、といった具体的な話をしてもらえます。ある意味ブライダルっぽくないかもしれませんが、ロジカルに具現化していく風土が、PDPの良いところだと思っています」

そんな高本は、入社当初に上司からいわれた言葉が心に残っている。

高本 「上司から、『PDPにこれまでいなかったタイプだよ』とよくいわれていたのです。最初はどういう意味かわからなかったのですが、最近では“インサイトを起こして本当に必要とされているサービスを作る”といったバリューを期待されているのだと、ひしひしと感じています。

他社がやり始めてからスタートするのでは遅い。商機を逃さずに巻き込み力を持って、他社がやる前のタイミングで動ける人材でありたいです」

高本が今後の目標のひとつとして掲げているのが、国家資格の中小企業診断士の取得だ。

高本 「中小企業診断士は、コンサルタントの方が保持していることが多い資格です。でも、私はコンサルタントになりたいわけではありません。

中小企業診断士を取得しようとした理由はふたつあります。ひとつは個人事業主として事業を経営していたときに、いろいろ失敗を経験したので、体系的に経営を学びたいと考えたこと。もうひとつは、私はウェディングマーケティング&ブランディング室に所属しているので、新しい商品やサービスを生み出す役割があること。そのため、分析の指標となる判断軸や、商品戦略や事業戦略の基礎となる経営知識を身に付けたいと考えたのです」

そして、コロナ禍から世界が脱却した後の近い将来の目標として掲げているのは、入社時からの夢だ。

高本 「近い将来での取り組みとして、これまでの仕事人生で柱だったインバウンドマーケットで、中華圏からの顧客の誘致に力を入れる予定です。来るべきタイミングでバリューを出し続ける人間でありたい、そう思っています」

入社してすぐに「STYLE+」の商品化を実現した高本。今後もニーズを汲み取り、本当に必要とされているサービスを創り出し、PDPで新たなバリューを生み出していくだろう。