“はたらく”を追求する場所で挑戦したい。その思いが形に
新卒でITベンダーに入社し、社会人としての第一歩を踏み出した門垣。当時の自分をこう振り返ります。
門垣 「新卒で入社したITベンダーでは流通系企業を担当し、経営戦略をIT戦略に落とし込むプロジェクトをマネジメントしていました。その後、自ら志願して新規事業の立ち上げ組織に異動し、動物病院向けのSaaSプロダクトの創出を担当することに。そこで初めて触れたスクラム開発が新鮮で、“もっと自分の手で事業を作り上げたい!”という想いが強くなっていったんです」
その想いを胸に、門垣は医療系の人材紹介会社に転職しました。そこで、事業開発チームの組織作りに邁進します。
門垣 「私が参画した当初は、5〜6名の小規模な組織でしたが、小さいながらも増収増益を続ける将来性のある組織でもありました。そんな組織がより成長するには何が必要か、考えに考えを重ねる日々でしたね。
6年後、組織が約10倍規模になったところで“やり切った”と感じ、医療系のスタートアップ企業に転職。あるプロダクトの開発ディレクターとして、プロダクトに対する事業開発組織のあるべき姿を追求し続けました」
その後、2022年4月にパーソルイノベーションに入社した門垣。再びの転職を決断した背景には、人との出会いと挑戦心がありました。
門垣 「パーソルイノベーションの現代表である長井 利仁とはじめて出会ったのが、2社前の医療系の人材紹介会社に在籍していたころでした。それから、前職のスタートアップに転職して1年ほど経ったころ、ちょうど代表に就任するタイミングだった長井と再び話す機会があり、そこでパーソルイノベーションという会社を知りました。
パーソルイノベーションが新規事業を生み出す役割を担っていること、事業の立ち上げを強化するためにスタートアップスタジオを立ち上げることを聞き、これはおもしろそうだなと。
それともう1つ。私は『学ぶ、はたらく、医療・介護』の3つの領域に興味を持っているのですが、医療・介護に長く携わり、次は『学ぶ』か『はたらく』に挑戦したいと考えていました。
パーソルグループは『はたらく』のど真ん中ともいえる『はたらいて、笑おう。』をビジョンに掲げています。そんな会社が新しい事業をどんどん作っていこうとしていることに惹かれ、入社を決めました」
「直接支援」と「ノウハウ蓄積」の2軸で事業の未来を支える
門垣が室長を務めるプロダクトマネジメント室は、2022年4月に設立されたまたまだ成長段階にあるチーム。現在は9名体制で運営しています。
門垣 「プロダクトマネジメント室は、長井から『専門性のあるチームとして、事業の支援に特化してほしい』との要望を受け、私の入社と同時に設立されたチームです。設立前は、新規事業の支援は社内の手が空いているメンバーが兼務で行うという体制でした。今後、よりスピード感を持って事業開発を進めていくためにも、私たちのような存在が必要だったということです」
「事業開発にチャレンジする打席に多く立ち、事業の成功数を向上させる」ことがプロダクトマネジメント室のミッション。事業開発のチャレンジには多くのリスクがともなうことから、それに立ち向かい、事業の意思決定を素早く正確に下すための支援を行うのがプロダクトマネジメント室メンバーの役割です。
その役割を果たすために実践していることが2つあると門垣は言います。
門垣 「1つは『直接支援』です。事業作りには多くの場面で専門性が求められますから、われわれが必要な支援をしているんです。とくに、新規事業立案プログラム『Drit』発の事業のようにゼロからスタートする場合は、立ち上げ前の初期フェーズから入りMVP(Minimum Viable Product)開発などコアとなる部分にも携わっています。
一方で、既存事業に対しては、その時々で足りていない部分や事業を推進する中で出てきた課題解決に向けた支援を行っています。2021年の『Drit』で採択された『選考管理サービス』のプロジェクトには初期段階から参画し、すべての定例会に参加しながらワンチームとして事業作りを支援してきました。
これからMVP開発のフェーズに入っていくので、プロダクトマネジメント室の専門性をさらに活かし、サービスリリースにコミットしていきます。
そして、もう1つが『ノウハウ蓄積』です。 事業ごとに打席に立つと、打ち方のコツなどが次のバッター(事業)に引き継がれません。
たとえば、1番打者がツールの使い方で悩んでいてそれを解決したのに、そのノウハウが引き継がれないと、2番打者以降も同様の悩みを抱えて時間や労力を消費してしまうかもしれません。
打ち方(ツールの使い方)のコツがわかっている 、つまりノウハウがあるのにそれが引き継がれず、次の事業に活用できないのはもったいないこと。私たちが複数の事業に伴走し、一緒に、あるいは代わりに打席に立つことでノウハウの蓄積・継承が進むだけでなく、事業部は事業に集中できるようになります。そうすればムダなことで悩まず、事業開発が優位に進むでしょう。
積み上げたノウハウは、会社にとってかけがえのない資産となります。ノウハウという資産を使って次の事業を支援し、スピーディーな成長を後押しするのが私たちの役割。そしてこのサイクルがぐるぐると回れば、事業立ち上げにおける検証の成果も出しやすくなる。その結果、事業部も私たちも組織として強くなっていくのです」
「虫の目」「鳥の目」「魚の目」をあわせ持つ。それがおもしろさの源泉
自身の挑戦心をプロダクトマネジメント室で体現する門垣。事業に対して「虫の目」「鳥の目」「魚の目」という3つの視点で取り組めるのが、プロダクトマネジメント室の特徴でありおもしろさだと語ります。
門垣 「まずは『虫の目』。虫たちは、近くから複眼によってさまざまな角度で、物事を見ています。
私たちは、新規事業の支援者という立場ですが、事業の当事者、つまり事業に一番近い立場として、“この事業(プロダクト)が世の中に受け入れられるために何をすべきか”を一緒に考えるところからも取り組んでいきます。事業立ち上げのメンバーと共に、自分たちもその一員として考えて実行するんです。そこでは自身の専門性やアイデアを活かすことになります。
次に『魚の目』。魚は海や川の中で、水や潮の流れを感じながら生きています。
新規事業の開発を支援する我々も、まだ世の中にない価値を創出するため、事業が主戦場とするマーケットや、そこで役立つ技術、つまり世の中や市場の変化に目を向ける必要があります。
日々決まったことに取り組むのではなく、事業によって果たす役割が異なる中でそれぞれのマーケットを検証できるのは、私たちの組織ならではのおもしろさです。
最後に『鳥の目』。空を飛ぶ鳥たちの目線のように、私たちは事業に対して一歩引いて俯瞰する側面も持っていなければなりません。その上で、マネジメントとディレクションの能力を求められるのは難しくもありますが、大きなやりがいにつながっています」
チャレンジには“壁”が付き物。誰もが“チャレンジしよう”と思える場を作る
各事業部を支援しプロジェクトを成功に導くには、その土台となるチーム作りも不可欠です。
門垣 「『Drit』は今、年4回のプログラムで年間8事業を生み出そうと活動しています。
『Drit』以外のきっかけでも事業は生まれるので、今後、私たちは単純計算で年間10以上の新規事業に携わっていくことになるでしょう。そうなったときに、私たちが対応しきれずボトルネックとなれば本末転倒です。どうすれば多くの事業に貢献できるキャパシティを持つことができるのか、チーム構想をメンバー同士で話し合っています。
また、月に一度のオフィス出社日を設け、チームビルディングの一環としてお互いを知るためのワークショップを開催したり、カードゲームを行ったりしています。基本的にテレワークで仕事をしているからこそ、ちょっとしたイベントを通じた良好な関係作りは欠かせません」
プロダクトマネジメント室の未来を見据え、その土台創りに余念のない門垣。今後の展望についてこう語ります。
門垣 「『Drit』とプロダクトマネジメント室があるから、事業にチャレンジしよう。誰もがそう思える環境を創っていきたいですね。
しかし、事業にチャレンジするには多くの課題を乗り越える必要があり、アイデアがあっても最初の一歩を踏み出せずにいる人も多いのではないでしょうか。
私たちがそのハードルを取り除くことで、チャレンジする人が増える。チャレンジする人が増えれば成功事例も増えていく。成功事例が増えれば、チャレンジする人も増える。この好循環を回せる状態をめざしています。
それに、新規事業へのチャレンジがリスクに感じるのは“経験がないから”という場合がほとんど。一度やってみれば勝手がわかってきます。
自分にできること、できないこと。事業を進める上で考えるべきこと、今足りないこと。それらを理解していくことで、2度目3度目のチャレンジは簡単になります。
パーソルグループ全体で、新規事業にチャレンジする人が増え、それが当たり前になっていく。理想は、そんな『はたらいて、笑おう。』にチャレンジするのが日常的な状態になること。千里の道も一歩から。目標に向けて、着実に歩を進めていきます」
最後に門垣は、事業の立ち上げに興味を持つ人に向けて、次のようなメッセージを送ります。
門垣 「事業の立ち上げと聞くと、独創性や創造力など、何か特別なスキルが必要と考える人も多いかもしれません。しかし、欠かせないのは行動力や多角的な視点を持つこと。それらは、どんな仕事にも通じるものばかりです。
事業の立ち上げに興味がある方は、まずは挑戦してみるのはいかがでしょうか!」
※記載内容は2023年5月時点のものです