サービス事業推進部の何でも屋さん

『コト事業』推進チーム。左から佐野、五嶋氏、近藤氏。

佐野が所属するメカトロニクス事業部 サービス事業推進部は、「モノづくり」を軸とするパナソニックの中で、いわば「コト事業」を進めているチームです。

ここで言う「コト」とは、製品の機能的価値でなく、より課題解決につながるようなソリューションやサービスとして提供することを意味します。その中で佐野は新サービス向けクラウドプラットフォームやシステムの開発・保守と、サービスオペレーションをメイン業務として担っています。

佐野 「サービスオペレーションの場でもシステム開発の場でも、いかにお客様と同じ目線に立って、同じ言語でソリューションを提示出来るかということを大切にしています。

システムのことなど専門的な内容を分かりやすく言語化するのが得意なこともあり、この半年くらいは、お客様との折衝役を担うことも増えてきています」

さらに、開発や保守・運用などと並行して、新しいIoTサービスの開発も佐野は担当しています。通常、新サービスの開発においては新しいものを企画するフェーズと、企画を実際の商品にするフェーズがありますが、佐野が得意とするのは後者だと言います。

佐野 「世の中には0から1を作る人間と、1から10を作る人間、10を100に増やす人間の3パターンがいると考えたとき、僕は、1から10を作るのが得意な人間です。

種を芽吹かせるために、システム開発やサービス運用に加えて、経理・財務・法務などの観点も含めて、どうするかを考えて実行するのが好きなのです。一方で、同じチームの近藤 一哉は0から1を作るのが得意な人間であり、今のチームでは互いの強みを活かし、補完出来ているいい関係だと思っています」

企画する「コト事業」のシステムとしての整合性を担保し、運用しやすい設計を考えること。そして、過去にプライベートで司法書士の勉強をしていた経験などを生かして経理や財務、法務といった部分も佐野がサポートをしています。

パナソニックの中でも新しい事業であるサービス事業推進部の取り組みを、一つの事業体として成立させる礎を作っているのが佐野なのです。

ビジネスにおけるスタイルを作った、前職時代

前職での経験を活かし、サービス事業に纏わるデータ活用も担当している。

今の自分自身の価値は前職での経験や上司との出会いが大きく反映されていると言います。

佐野 「大学で建築を学んだものの卒業後は、学生時代に触れたプログラミングの経験を生かして国内通信企業グループのシステム会社に入社しました。

その中で、上流工程で仕様を決めて試験検査をし、お客様に導入するという業務を主に担当していました。その後、入社3年目でSE担当者としてお客様と一緒に要件定義を行うような業務内容に変わりました。

それ以降、いかにお客様を課題解決へ導くかという視点が加わっていきました。また、テクニカルスキル面でも何か一つ武器が必要と感じ、データベースのスキルを深めていきました」

2014年には同通信企業グループの事業会社にグループ内異動。ここでの上司二人との出会いが、その後の佐野を変えることになりました。

佐野 「これまでは委託されてシステムを開発する仕事をしていたのですが、今度は立場が逆転しました。そのため、よりお金の話が重要になっていきました。

当時の部門長が特にその部分には厳しい方で、『費用対効果』を常に追求されていました。お金を儲けることも難しいが、使うこともまたとても難しいということを学びました」

もう一人は、佐野の上司であった課長です。知識欲の権化のような人だと佐野は表現します。

佐野 「前職ではデータ分析に関する業務に従事しましたが、この課長がAIやビッグデータ系のことを深い部分まで勉強されていました。僕の知識の多くはその人から仕入れたものですね。

自分がちょっと勉強不足だなと感じると、その課長のFacebookを覗いて、最近勉強しているものの情報を拾っては参考にさせてもらったりしています。 この2人の上司との出会いによって、私の仕事のスタイルが一段上がったと思っています」

そして2018年、パナソニックへ入社します。メーカーで自社商品に還元させるデータの使い方をしたいと思ったことが理由でした。

経験×熱量で作り出す仲間とのコミュニケーション

サービス運用チームの仲間と。左から近藤氏、佐野、押部氏、塚本氏。

パナソニックへの入社後、佐野が一番驚いたのは品質への考え方の違いでした。

佐野 「前職で取り扱っていたのは業務支援システムなどで、サーバサイドのシステムだったこともあり、リリース後も継続したメンテナンスを行っていくものでした。

一方メーカーはモノを作って売ると完全に手離れしてしまい、メンテナンスのしようがありませんから、リリースする前にとことん品質を追求します。その差が考え方に大きな違いを生んでいて、衝撃を受けました」

その一方で、これまで積み重ねてきた経験がパナソニックで十二分に生かせることにも気付きます。

佐野 「パナソニックに入社した当初はデータ分析のスキルが武器になると思っていました。ですが今武器になっているのはシステム開発で培った開発スキル、お金を使う難しさから学んだ経理・財務の知識、プライベートで触れた法務の知識など、これまで培ったさまざま経験が役に立っています」

新しい組織で新規事業を進めるには新たなルール整備も必要です。大企業でのシステム作りの経験がパナソニックにおいても発揮されていると佐野は言います。

佐野 「これまでの経験や考え方をもとに『こういうシステムを作りたい。こうあるべきだと思う』と僕から提案すると、結構チームの皆が受け入れてくれます。僕がこれまで積んできたシステム開発と運用の経験が、説得力を持たせてくれていると感じています。

そして、もちろんそれぞれがシステム作りへの強い想いやこだわりがあるからこそ、僕の熱量にも応えてくれるのだと思います」

また、サービス運用の部分でも前職での経験を生かしています。

佐野 「サービス事業推進部においてはサービスの運営や運用が得意な人材がまだ少ないのが現状です。だからこそ、トラブルが発生した時など運用の力が求められるシーンにおいては率先して僕が引っ張るようにしています。

例えばトラブル発生時にはホワイトボードに集まり、事象整理を始めて……というような運用の現場でよく行われる振舞いなどを、サービス事業推進部に浸透させていくことも大事なことだと考えています」

こうした、一つ一つの文化や基本動作を伝えていくには経験が必要なものです。これまでの経験と、お客様の声が入りやすいポジションにいる佐野だからこそ、サービス事業推進部の新たな文化を醸成出来ているとも言えます。

プライドの高い仲間と新しいビジネスを

現在サービス事業推進部が販売するサービスは、お客様の製品の中に組み入れて活用してもらうことが多く、エンドユーザーの目線で見ると黒子的存在です。だからこそ今後は、もう少しダイレクトな形で、エンドユーザーに価値を提供出来る存在になっていかなければいけないと佐野は語ります。

佐野 「例えば、今一部参画している「AI設備診断サービス」では、工場などの製造設備で使用されるため、ダイレクトにお客様に価値を提供出来ます。

そのため、いかに価値訴求するか、どうやったらお客様にとって使いやすく出来るか、安く提供出来るかなど考えるべきことはたくさんあります。今は“まず世の中に出す“というのが第一命題になっていますが、その次のステップへどんどん進んでいきたいですね」

大きな命題を抱えるサービス事業推進部の中で佐野自身は、“何でも屋さん“の部分を強化していきたいと考えています。

佐野 「もともと僕は、システム関係の仕事をしているけれど法務や経理の分野も好きです。システムの人間で、経理とこれだけ会話が出来たり、リーガルと話が出来たりする人はあまり多くないでしょう。

一方で僕よりもシステムをうまく作れる人、データ分析を効率的に出来る人はごまんといます。だからこそ僕は“何でも屋さん“の守備範囲を広げていきたいと考えています」

そうした意味では、佐野にとってサービス事業推進部という場は利用価値の高い場所であるとも言えます。

佐野 「僕とは違うバックボーンや得意領域を持つメンバーと一緒に仕事をしているとすごく勉強になります。出来る領域を広げれば、同じ目線で話が出来る人も増え、新しい関係作りや発想に繋がりますから」

そして、サービス事業推進部のメンバーは尊敬出来るだけでなく、同じ志を持つ仲間でもあります。

佐野 「サービス事業推進部のメンバーの多くは中途採用でパナソニックの外から来たメンバーです。しかし、誰よりもパナソニックらしいと思っています。松下幸之助はかつて『全ての社員は一商人の心を失ってはならない』と言いました。

サービス事業推進部のメンバーは、サービスの意義を考え、お客様の目線で物事を考え伝え、誠実な仕事をしようとしています。そして何よりビジネスにおけるプライドを持っていると思います。

誰しもが自分の仕事に責任を持ち、ミッションに対して工夫を凝らしながら真摯に取り組んでいます。現在の仲間との仕事は自分自身をより成長させる原動力の一つになっていますね」

「今後は彼らと、データを活用した新しいビジネスを作っていきたい」と佐野は語ります。サービス事業推進部だからこそ作り上げられる、世の中に必要とされるサービスの実現に向けて、高いプライドを持つ仲間と共にこれからも文化を作っていきます。