他人の仕事を理解することで自分の仕事がスムーズになる

▲仕事中の鍾はいつもニコニコしている

1989年日本に生まれた鍾 達豪は、2020年現在31歳。幼稚園の年少までは中国の広州で過ごし、その後はずっと日本で暮らしている。大学時代は、中国語を学ぶために北京へ。1年間の交換留学を経験した。大学卒業後は、専門商社に3年間営業を経験した後に輸出や輸入に携わる貿易業務を担当していた。

2018年1月にオウルテックに転職してB to C 向けの購買業務を担当する。

鍾 「前職は商社勤務だったため、商品への熱意があまりなかったんです。また担当する仕事は決まった範囲の中で行うことが多く、営業なら営業だけ、貿易業務なら貿易だけといった感じでした。

今の仕事は、会社の窓口として貿易の知識はもちろんのこと他部署の仕事内容を理解した上で、仕入先と話をする必要があり、やりがいを感じます」

鍾はモバイルバッテリーや充電ケーブルなどオウルテックの主力製品に関して、企画や検証、品質管理などの他部署のチームのハブとなって、要望を的確にベンダーへ伝える役割を担っている。そのため、商品や企画などマーケティングに関する勉強を欠かさない。その姿勢は仲間からの信頼を生んでいる。

鍾 「日々新しい商品にいち早く触れることができる環境で、他部署の仕事内容も勉強になり楽しいです」

鍾が大切にしている仕事への取り組み

ショールームで自分の担当商品を見るとテンションが上がるという

鍾が大切にしている仕事への取り組みは3つある。1つ目に、毎日自分のテンションを上げて仕事に取り組む。2つ目に、日本人と中国人の考えを理解してお互いに気持ちよく仕事ができるようにする。そして最後に、より良いものづくりを心がける。これらは仕事へのこだわりだ。

鍾 「前職では、社会人としてのキャリアをスタートさせたばっかりで社会の厳しさを知りました。精神力が鍛えられたと思います。また取引先が中国だけでなく韓国やヨーロッパのお客様との対応があったので、文化や価値観の違いを感じました。

今は、部署内のメンバーとは上下関係があまりなく、仲間のような感じでざっくばらんに会話ができて居心地が良いです。その分楽しく仕事と向き合っています」

楽しく仕事と向き合うことが自分のテンションを上げることにつながっている。

鍾 「ものづくりに携わっているとさまざまな問題も発生します。正直精神的につらい時期もあるのですが、日々自分のテンションが上がるようにポジティブな姿勢でいると、どんな困難な状況でも精神状態はフラットに保って、落ち着いた対応ができる気がします」

そして、心の状態が良好だと、互いを受け入れやすい状態になるという。

鍾 「自分に余裕があると相手に対する対応にも余裕ができて、お互いに気持ちよく仕事ができます。そうすることで他部署から来る無茶な要望でもうまく仕入先と交渉できて、スムーズに仕事が進むんです。

結果として、より良いものづくりにつながっていくことで、オウルテックブランドの商品価値を高められます。そして、エンドユーザーに喜んでもらえることが自分の中で最も嬉しいことですね」

各問題にまじめに取り組むことで、仕入先にも商品を良くしていきたいという気持ちが伝わって、一緒に新商品を良くしていこうという気持ちになる。そんな信頼関係を構築していくことが大事という。

気がつくと鍾には仕事の依頼が多く、上司からも新しい取引先や問題のある取引先を他のチームメンバーから任されることも多くなっている。コツコツとまじめにやってきた結果だろう。

入社当時からの変化は大きい

▲お気に入りのイヤホンを手に取って笑う鍾

順風満帆に見える鍾だが、入社当時は購買業務以外の仕事が多く、「なんで?私が?」という驚きが多かったという。

鍾 「入社当時は問題が発生したらまず上司に解決方法を聞いていました。また、他部署に言われたことはそのまま仕入先に伝えていました。そんなときどき雑用のような仕事もある毎日で、あまり気分良くはありませんでした。

しかし、このままではいけないと感じて積極的に勉強して物事の“理由“を考えるようになりました。たとえば、商品が生まれる理由や他部署の依頼が来る理由、仕入先の理由など、いろいろと理由があります。

自分に来る仕事の依頼の理由を掘り下げて、商品に対する想いを企画者と共有したりその想いに共感したりして、一緒にこの商品をエンドユーザーに届けようという気持ちになったのが、一番の変わるきっかけだったように思います」

それ以降、鍾の仕事に対する姿勢はさらに変わっていく。

鍾 「これまでは人に聞く、人に言われたことをするなど受け身の姿勢だったのですが、不明な点はまず自分で調べて、その上でわからないことは各部署の担当者に聞くようにしました。

理由がわかってくると自分の役割が明確になり、誰かの役に立っている実感が沸いてきて仕事がおもしろくなりました。『ありがとう』と感謝されることも増え、もっと頑張ろうという気持ちになります。

他部署の方がしている仕事も自分ごとのように感じて行動することで、理解力が増して仕入先へのミスリードも減り、仕事がスムーズになりました」

そんな鍾が今までで最も印象的な出来事は、KPro01というクラウドファンディングで、1億6600万円集めたプロジェクトのチームメンバーになったときだという。

鍾 「これまでにない商品をつくることになり、いろいろな壁にぶつかりながらも、チームみんなで考えて工夫し、解決することができました。良いプロジェクトに参加させていただいたと思います。

そんな中でパッケージサンプルが有償で非常に高い金額をベンダーから請求されたことがありました。

自主的にいろいろと仕入先と話をして交渉し、無償でサンプルをつくる方法を見つけた際には、プロジェクトマネージャーに褒められました。誰かの役に立って感謝されることの嬉しさを感じた瞬間でした」

いつかは自分がプロジェクトマネージャーに

▲上司にいろいろと教えてもらう鍾は常に勉強熱心

鍾 「今の仕事内容にはとても満足しています。日々勉強にもなり、ものづくりに携わるやりがいもあって刺激を受ける先輩もいます。私のように日本で育った中国人は、日本のことも良く理解していて、中国のことも良く理解しているんです」

鍾は両者を知ることに3つのメリットをあげた。まず、中国語と日本語が話せる。次に中国と日本の架け橋になれる。最後に中国のマーケットにも日本のマーケットにも精通できるというもの。これらのメリットを生かして、鍾の挑戦は続く。

鍾 「オウルテックは、新しいことに挑戦する人を応援してくれる企業だと思っています。みんなが失敗するだろうというようなことも挑戦できる土壌があるので、あとは自分の知識や経験を磨いてもっと購買としても成長し、いつかは自分の企画した商品をプロジェクトマネージャーとしていろんな人に使ってもらいたいです。

日本育ちの私ならではの手法で、中国と日本のカルチャーの違いを発見し、そのスキマを埋める何かあたらしい商品ができるんじゃないかと考えています。将来的には海外にも商品を輸出できるようなビジネスパーソンになりたいです」

自分ならではのメリットを生かしながら、鍾はこれからも挑戦し成長し続ける。