自分の心に正直な就職活動を進めた結果、響き合ったOKI

自分のやりたいことがない、あるいはわからない。

そう感じることは自然なことですが、就職活動を控えると悩みの種に変わってしまうものでしょう。小野 峻太郎もまた、そんな心情と共にあった一人の就活生でした。

小野 「就職活動当時、何をしたいというビジョンがなくて……とりあえず業種や職種を絞らずに企業を探し始めました。自分が学生時代に打ち込んできたことを正直に話して、響き合える企業と出会えるといいな、と」

大学で剣道部に打ち込んだ小野は、所属した体育会での献血活動にも従事してきました。小野が自分を偽ることなく語れるのは、この2つの経験についてでした。

小野 「就職活動の自己PRにおいて、部活動の経験は話す人が多いと思い、差別化が図りやすいと思った献血活動の経験を中心に話しました。しかし、私にとって部活動と献血活動は結びついていて、どちらも優劣つけがたい経験です。ですから、部活動の話にも興味をもって聴いてくださる企業は、より自分を理解してくれていると感じました」

理解を深めてくれる企業を探しながら就職活動を進めた小野は、さらに就職先を絞る条件として、社会貢献できるメーカーという点を挙げます。

小野 「自分が働くならば、それが何らかの形で社会の役に立つといい。さらに、それが商品という形で目に見えるとなおいい。そう考えました。形のないサービスだと営業スキルによって売上が左右されますが、目に見える商品の良し悪しは嘘がつけないので……。私自身、あまり嘘が得意ではないのでしょうね。考えていることが顔に出ると、よく言われます」

自分を偽らず就職活動をし、就職後も嘘をつかず胸を張って社会に貢献したい。そんな希望が可視化されていった小野が響き合った企業が、OKIでした。

小野 「百年以上の歴史があり、事業の幅が広い企業だという点で感銘を受けました。それまではCMなどで目にする有名企業だけが大企業だと思っていましたが、OKIは社会のインフラに関わるプロダクトを作っている大企業なのに、あまり知られていない。

そのギャップに驚くとともに、好印象を抱きました。そして何より、私自身を真正面から受け止めてくれた会社です。とても魅力的だと感じました」

就職後の自身のキャリアの選択肢が広いこともふまえ、小野はOKIへの就職を決めました。

相手の立場に立つことの大切さを知ったから徹底する『三現主義』

2017年入社後、小野は人事総務部に配属され、高崎に赴くことになります。人と関わる仕事がしたいと考え、営業と人事を志望した結果でした。『人と関わりながらできる仕事は、きっと魅力的だ』。そう想像していた小野ですが、実際の仕事を通じて、反面にある難しさを知ることになります。

小野 「入社して4カ月後、社員寮の引っ越し手続きの担当をすることになりました。寮で暮らす皆さんにフロア移動をお願いするという内容だったため、はじめは簡単だと思い込んでいました。

スケジュールを組んで、案内を出して、引っ越し業者との手続きを進めて……。淡々と準備を進めていたら、納期が短い、引っ越し用の段ボールがないなど、引っ越しに関わる人たちから次々にクレームが来ました。

人と関わる仕事がしたいと言っていたのに、相手の立場や意見を考えて仕事をすることができていない。この仕事を通じて、自分の甘さを知り、反省しました」

失敗を経験した小野に当時の上司がくれた教えは、『三現主義』についてです。三現主義とは、現場、現物、現実の3点を重視する考え方のこと。人事総務担当者は関わる社員に顔を覚えてもらうことが大切だから、現場に足を運んで問題解決に挑みなさい。小野は上司がくれたこの教えを心に刻み、以降は現場の人々と直接顔を合わせてコミュニケーションを取るようになります。

小野 「2019年以降配属された富岡でも、直接現場に行くスタイルを徹底しています。そのおかげで、問題が具現化する前に対処できた事例もありました。例えば、ある係長さんからの問い合わせを受けて現場に向かったところ、その隣の係長さんから別の相談を受けたことがあります。

仕事という観点では前者のほうが優先されるのですが、内容を聞いてみると、後者の相談のほうが問題として深刻でした。こうした隠れた問題を自分の行動から見つけていくようにすることが大切なんだと、最近は感じています」

地域の人々が教えてくれた、長い時間が紡いだ信頼関係

労務関連の手続きや書類作成、海外出向者のビザ手配、採用関連の企画立案。人事に関わる仕事は人と対話することだけでなく、事務的な書類仕事や準備も少なくありません。配属前の想像と違うところはあれど、小野はそれぞれの仕事に関わる人とのやりとりに重きをおきながら、そこにやりがいを感じています。

小野 「人事は『ありがとう』の一言をもらえる機会が多い仕事だと思います。市役所に出す書類作成やお給料についての質問対応など、対応する仕事の一つひとつは小さなものです。けれど、それは働く個々人の生活に直結するものばかり。だから真摯に対応したことに、感謝がついてくる。それが人事の仕事のやりがいですね」

また、人と関わるという点では地域貢献も一つの軸になっています。小野が担当する富岡工場は住宅街と隣接しており、地域ありきの運営をしている点が都心の企業とは異なります。

小野 「会社の納涼祭に地域の人を招いたり、逆に地域のお祭りにOKIのメンバーで参加したりと、私たちのチームは地域の人々との交流が盛んです。地域の皆さんに支えられてきたので、少しでも恩返しをしていきたいと思いますね」

そうして地域の人々と結びつきながら働く中で、小野は長く続いてきたOKIの歴史を実感します。入社のきっかけとなった感動を、就職後の経験が裏付けることになりました。

小野 「地元の人々は皆さんOKIのことを知っていて、信頼を置いてくれています。OKIの制服を着て社員の物件探しの仕事をしていると、近隣の人から声をかけられることもよくあります。

『これから働きに来る海外の方の住む場所を探しているんです。在住に関する手続きや管理はOKIがやります』と説明すると、『OKIさんなら安心だね』と頷いてくれる。これまで重ねてきた信頼や実績があるからこそ、地域の方々が支えてくれていると感じる瞬間です」

社内外の人と関わりながら仕事をしたい。目に見える形で社会貢献がしたい。漠然とした願いから選んだOKIや人事総務という職種は、就職活動をしていた当時小野が想像しなかった形で結実しました。

模索しながらも学んでいく心を信じ、次の目標へ

人事総務チームで約4年のキャリアを経て、小野は次のステップに行くための目標を掲げています。

小野 「基礎となる労務の知識をもっと増やしたいですね。そのために、ただ目の前にある仕事をやるだけでなく、社会保険労務士の資格取得を目標に、自主的な勉強を進めています。

また、長期的な展望として、OKIの知名度を上げていきたいとも思っています。ATMやETC、航空管制システムなど、社会貢献に直結する多くの製品を作る企業として、もっと全国的に知ってもらいたいですね」

就職活動当時、ビジョンが明確にない自分の心を偽らなかったからこそ、小野はOKIの人事総務という職場へと導かれました。そんな小野が未来の就活生に伝えたいのは、できるだけ多い選択肢を取ることです。

小野 「学生時代にやりたいことを見つけて、業界や企業を明確に選べる人って、実は少ないと思います。だからこそ、入社してからさまざまな選択肢を取れる会社に入るのが一番いいのではないでしょうか。

OKIはそういう意味で、若手のうちから自身のキャリアを考える制度があります。CDP面談で自分の将来への思いを上長へ伝える場がありますし、社内FA制度という仕組みもあります。私がそうだったように、働きながら自分がやりがいを感じる仕事を見つけていくこともできます」

そう語る小野自身も、入社当時に挙げた選択肢の一つである営業への想いは、まだなくなったわけではありません。

小野 「今後、営業に転身して、その後再び人事総務の仕事をしたら、企業全体への理解を深められるのかもしれません。ですから、私自身も部署異動を考える可能性は十分あります。数年のキャリアを積んだ私だって、まだキャリアは模索中です」

人生と同じように、働くことも直線的な一本道で描けるものではありません。だから結論を急がず、自分の心を偽らずに就職活動に臨めばいい。小野は自身の経験をもとに、模索しながら一歩ずつ正直なキャリアを歩んでいくのでしょう。