新規ビジネスをつくり育てる──社会課題と向き合い続けた先に選んだNTTデータ
2021年に経験者採用でNTTデータに入社した石黒は、社会基盤ソリューション事業本部デジタルコミュニティ事業部に所属しています。公共領域の改革・挑戦に携わりたいという思いから公務員としてキャリアをスタートし、官民連携型の事業企画などを経験後、コンサルティングファームに転職。大手企業における新規事業の立上げに取り組んできました。
石黒 「これまでのキャリアで取り組んできたのは、官民連携による新規事業です。行政機関、コンサルティングファームを経験することで、官民双方の視点を身につけることができました。
担ってきた役割は、企業利益と社会課題の解決を両立する事業をプロデュースする触媒として、国や自治体、企業の間に立つ仕事です」
難しい案件を任されることも多かった石黒ですが、その分携わったプロジェクト成功の達成感は大きなものでした。そこから再び転職を考えたのは、その中で新たな課題意識が芽生えたからです。
石黒 「いくつものプロジェクトを経験する中で、事業の構想・立ち上げフェーズよりも、将来のあるべき姿を考えつつ、走りながら軌道修正を繰り返してビジネスを育てていく実行・スケールフェーズの難しさに気づきました。そこにチャレンジしたいと考えたことが、転職のきっかけです。
そんな折にNTTデータのスマートシティビジネスの開発に関する採用情報を見つけ、まさに私がやりたいことができるポジションだと思いました。どのようなビジネスを作っていくかというところから、それを作り上げていくところまで『起承転結』に関われるということが入社の決め手です」
社会課題の解決を官民双方の立場から目指し、それぞれのキャリアの中で発見を重ねてきた石黒は、NTTデータでの新たな挑戦を始めました。
データやテクノロジーとまちづくりを融合する
石黒 「新型コロナウイルス感染症の影響をはじめとする生活者の行動様式の変化に伴って、まちの集客装置としてのオフィスや商業施設がこれまでほど大きな力を持たなくなりましたが、まちというリアルな場所が持つ価値は変わりません。
その価値はたとえば、偶発的な人や情報との出会いです。こうしたまちの価値や人間中心の社会を支えていく取り組みとして、国も『居心地が良く歩きたくなるまちづくり』を目指して、制度づくりや財政的支援を強化しています。こうした動きをテクノロジーやデータでサポートすることがまちづくりのDXです」
まちづくりのDXに向けて、複数のプロジェクトを進めている石黒。先行する取り組みが少ない領域で、ゼロから新しい価値を生み出そうとしています。
石黒 「たとえば、『ウォーカブルなまちづくり』に関する合意形成をデータやテクノロジーでサポートすることです。これを進めていくためには、車両規制をかけることで経済的なインパクトがどうなるかが店舗にとっては重要ですが、これを定量的なエビデンスを持って示した例は世界でも多くありません。
まちでの事象を分析するためには影響する要素が多く複雑すぎるため、難しいチャレンジではあるのですが、その壁を越えるために、長年にわたってまちづくりを進めてきた専門家の知見と、われわれが持つ技術を掛け合わせています」
石黒の進めるプロジェクトは多岐にわたります。
石黒 「来街者の方向けにまちの体験価値を高める取り組みも進めています。エリア案内サービス『Oh MY Map!』を開発し、そのサービス上でエリアの施設・イベント・モビリティ情報やエリア全体の地下通路の情報などをまとめて可視化することで、まちをより楽しく過ごすきっかけを作れたらと考えています。まずはエリア独自のデータを管理する仕組みを整えることにフォーカスしつつ、徐々にサービスとしてのユーザビリティを高めていく予定です。
こうした社会的な意義を持つ取り組みを持続可能にさせることがビジネスの役割であり、スマートシティという事業領域だと考えています。私も立場上、当然利益を追い求めないといけないのですが、使われない大きなシステムを作るより、たとえ最初は小さくても多くの人々に活用され、インパクトを生み出せる仕組みをつくりたいと考えています」
思考のたがを外し、イノベーションを生まれやすくする
スマートシティ実現に向け、ステークホルダーを巻き込みながら新規ビジネス創出に励む石黒。前例のない取り組みにチャレンジする原動力になっているのは、イノベーションに対する強い想いです。
石黒 「“イノベーション”というと格好つけすぎているかもしれませんが、新たなものごとを思考のたがを外して考えるためには、複数のバックグラウンドを持った人と一緒に考えることが重要で、社内外を問わず意識しています。
社外に関してわれわれが幸運なのは、長年培ってきたエリアマネジメントのノウハウをもつ組織の皆様の知見をお借りできることです。いろいろなアイデアを出していただきながら、データ・テクノロジーを活用して実現可能かつインパクトが大きい取り組みを考えていく。またその逆で、あえてエリアマネジメントの要点は当社なりに咀嚼しながら、技術ドリブンでこんなことができるかもしれない、とお話することもあります。
社内でも、私のチームには営業やシステム開発、データ分析のスペシャリストがいて、事業の将来像やビジネス展開を議論しています。スピーディに検討を進めるために統括部長を含めてディスカッションしながら、多様な観点を考慮した未来像とそこに至るアクションを日々考え、行動しています。言葉にすると簡単ですが、貴重な環境だと考えています。
まだ理想とするレベルには遠いですが、できるだけ早く思考のサイクルを回していく必要があり、ここをどのようにチームとして進めていくかが難しくもあり、おもしろくもあるところです」
高いスキルと大きなプレッシャーを求められる環境でも、石黒は楽しみながら日々の業務に取り組んでいます。そのモチベーションの源泉には、ビジネスに対する変わらない想いがありました。
石黒 「私は以前からビジネスの『起承転結』すべてに関わりたいと思っていました。今、それがNTTデータでできていると感じます」
前例も正解もない課題に挑戦できる──構想を支えるNTTデータの技術力
新規ビジネスに対して情熱を持ち続け、NTTデータでも自身の想いを軸とした活躍を続ける石黒は、これまで取り組んできた公共領域の課題解決とスマートシティの交点に自らがいることを踏まえ、今後の目標を見据えます。
石黒 「私にとって『公共』は、公務員時代から変わらない重要なテーマです。ステークホルダーが多いゆえに、意思決定が遅かったり合意形成が難しかったりと、解決されないまま残る課題が多い領域でもあります。
これまでの経験や身につけたスキルを総動員して、スマートシティの観点から公共領域の課題解決に取り組みたいと考えています。
構想を具現化し価値を届ける実行力を求めて転職した石黒は、改めてNTTデータが持つ技術力や培ってきた実績、そしてそれに裏打ちされた実行力を吸収しながら、自身の力を発揮しています。
キャリアの中で一貫して社会課題に向き合い、イノベーティブな姿勢でチャレンジを続けてきた石黒。官民双方の視点から数々のプロジェクトに関わってきた石黒がたどり着いたNTTデータという答えは、まさにビジネスの「起承転結」を自らの手で創り上げていける場所でした。
これからも石黒はスマートシティの実現をはじめ、テクノロジーと実行力を活かしたイノベーションを興す挑戦を続けます。