NTTデータの価値を伝えたい──営業として、さらにその枠を超えて

▲NTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部 中山 諒志

中山 諒志が就職先にNTTデータを選んだ理由は、ふたつあります。

ひとつは、大学3年生の時に発売されたiPhoneとの出会いをきっかけに、ITに強く興味をひかれたこと。

中山 「当時はネットワークも遅くて今と比べれば使いにくい部分もありましたが、“手元からすぐに様々なオンラインサービスが使える”インパクトは大きかったですね。これから世の中はITで変わっていく、という感覚がありました」

もうひとつの理由は、プロジェクトで取り組む仕事に関心があったこと。小学校から大学まで続けていたバスケットボールを通して、チームで目標を達成することのおもしろさや醍醐味を体験してきたからです。

これらの想いを持って、2010年にNTTデータへ入社します。

最初の配属先は、製造業のお客様向けのシステム開発を担当する部署でした。ここで、中山は顧客営業としてキャリアの第一歩を踏み出します。

具体的には、全国にあるお客様の工場とオフィスを対象にした、新規システムの導入プロジェクトの営業を担当。全国を飛び回る日々を過ごします。

その後、営業の仕事だけでなく、お客様内の契約業務のプロセス改善にも取り組みます。
また同時期に、NTTデータが持つ価値をお客様に伝えるべく、社内の新たな技術領域やそれを生かしたサービスの構想、ノウハウを共有するための場作りなどにも取り組んでいました。

中山 「この取り組みをきっかけに、社内の複数の部署と接点ができたんです。そこで刺激を受け、新たな領域にチャレンジしてみたいと考えるようになっていきました」

新天地での挑戦──思い知ったのは、“価値”あるサービス創出の難しさ

▲趣味のバスケで大会優勝した時の集合写真。チームプレーのおもしろさを幼少期から経験してきた。(右上)

チャレンジングな領域に携わってみたい──

その想いを胸に、2014年、中山は社内公募に手を挙げます。異動先は、デジタルマーケティングに関するソリューションの企画・拡販を担うチーム。

ここで中山は、百貨店と小売業界のお客様向けに、スマートフォンの位置情報を利用したプッシュ型のクーポン配信サービスや、スタッフがおすすめするコーディネートを各店舗が独自に発信できるアプリの開発案件に携わります。

このうちひとつのアプリは、残念ながら思うような成果には結びつきませんでした。

どうすればユーザーにダウンロードしてもらえるか。また、どうすればショップのスタッフに情報発信をしてもらえるか。
このようなコンセプトの先にある、実際の活用シーンでの“壁”が想像以上に高かったこと要因でした。

中山 「そのサービスを使う人たち全員が、『なぜそれを使うのか』『使うことでどんな効果が得られるのか』まで納得していなければ、どれほどコンセプトが優れたサービスであっても、価値を生み出すことはできません。

企画の段階で、ユーザーとなる人たちの行動変容を促すところにまで踏み込んで考えられなかった、自身の視野の狭さを痛感しました」

また、異動によって、周りの環境も一変。異動前の中山が相対してきたお客様の窓口は、基本的に情報システム部門に限られていました。

一方、デジタルマーケティングに関するお客様の窓口は、販促系の部門になります。そのうえ、競合各社の顔ぶれはITベンダーではなく、広告代理店のように元来マーケティング領域を得意とする業界の企業ばかりでした。

中山 「営業としても、そのサービスを導入することによって『いかにお客様のビジネスに貢献できるか』について、定量的に語れなければ難しいと感じました。自分たちがお客様に提供する“価値”を、本当の意味で考えるきっかけになりました」

提案活動のベースにあるのは「顧客視点」──業務と大学院の学びを生かして

こうして、“使う人にとっての価値”をよく考え、それをユーザーに納得してもらうことの大切さを知った中山。その学びは、次のチャンスに生かされることとなります。

新たに担当することになったのは、全国で多数の店舗を展開している製造小売業のお客様。提案のキーとなったのは、オンラインのチャット機能でした。

商品に関する消費者からの問い合わせに、そのジャンルに長けたスタッフが回答することで、消費者は家にいながらにしてリアル店舗と同等の接客を受けられるのではないか。また、チャットによる接客応対という新たなポジションを確立することで、接客業務を希望しながら何らかの制約のためそれができない社員にとって、新しい“働き方”を創出できるのではないか。

消費者と従業員双方にとっての“価値”を考えることでたどりついた提案は、お客様からも高く評価されます。

最終的に、実現の一歩手前まで行ったものの残念ながら形になることはありませんでした。しかし、NTTデータとして提供できる“価値”をとことんまで考え抜き、それを提案に落とし込んでいった経験は、得難いものだったといいます。

また、入社8年目となる2017年、中山は社会人大学院が開講している『人間中心デザイン』という半年間のカリキュラムを受講します。

過去の提案活動を通して痛切に感じた、「顧客視点」の大切さ。そして「顧客視点」に根ざした新たなサービスやソリューションを生み出すことの難しさ。

その課題意識が、中山を自己研鑽へと向かわせたのです。

大学院では人間中心デザインの発想法や諸理論、ユーザーインタビューのワークショップなどを通して、ユーザーニーズの把握や、ユーザー視点に立ったサービスについて体系的に学んだといいます。

業務を通じた実体験と、専門機関での学びが掛け合わさることで、中山の営業としてのアクションのベースに、「顧客視点」の四文字が刻み込まれました。

中山 「“提案”は顧客の現状に対し、何らかの変化を求めるアクションだと考えています。その変化は、お客様にとって本当に喜ばしいことなのか──変化によって生じる不安や不満にまで想いをはせながら、『顧客視点』でどこまで考え抜けるかが、営業としての勝負どころだと思っています」

難しくも楽しい営業の仕事に向き合い続けて。今、思うこと

▲デザイン思考での新規サービス検討ワークショップ後の飲み会@デンマーク

2020年現在、中山が担当するお客様の店舗数は、国内だけで数百店舗。圧倒的なスケールです。最近、全国の店舗に関わるネットワークの更改案件で、5社コンペを勝ち抜きました。

NTTデータグループの総力を結集したワンストップでのフォロー体制を敷くことで、サービスの面でも、また費用の面でも、現行ベンダーに競り勝つだけの提案内容をまとめあげたのです。さらに、数百のうちまずは10店舗での試験運用を提案。これが、お客様に響きました。

中山 「既存ベンダーからの切り替えは、お客様にとっては不安が大きいものです。それを払拭するために、『品質に問題が無いことを実証しますので、まず10店舗から始めさせてください』とアプローチしました。これにより、お客さまには安心してご納得いただけた面が大きかったと思っています」

徹底的に「顧客視点」に立ったアプローチが実を結んだのです。

現在は、全店舗のIT機器やネットワークの導入・保守を統括する立場。NTTグループの複数企業と連携しながら業務にあたっています。

中山 「今は、入社当時に思い描いていたような働き方に近づけているのを感じます。複数の組織の知恵を借りながら、自ら戦略を立案して、プロジェクトとしてまとめ上げて、お客様に提案する。プロジェクトベースの仕事の醍醐味をとても感じます」

今後も、お客様とエンドユーザー、そして自社も幸せになるWin-Win-Winなアイデアを提案し、実現することに注力していきたいという中山。さらに近ごろは、自身と同じ社内の営業職の社員を念頭に、ある構想を抱いています。

中山 「提案活動に絶対的な正解というものはありませんが、これから企画や提案にチャレンジしたい、と考えている人の道しるべになるような情報を発信できたらと考えています」

自らが営業の仕事に真正面から向き合い、困難の先にある楽しさややりがいを実感してきたからこそ、その景色をひとりでも多くの仲間と共有したいと考えているのです。

「顧客視点」を持ち、お客様にとっての本当の価値を問い続けてたどりついた境地で、中山はお客様の未来だけでなく、共に働く仲間の未来を見据えています。