組織的なマネジメントが欠けている現状をどうにかしたい

私はMSOLに入社するまで、外資系コンサルティングファームで20年間以上コンサルタントを務めてきました。その中で感じたのが、日本企業は何をやるべきかを決める戦略(ストラテジー)の検討に注力する一方で、それを成功させるための組織的な努力(マネジメント)が欠けているということです。

具体的には、コンサルティングにお金をかけることが多いのに、実行までは丁寧に落とされていない企業が非常に多いと感じていました。

この特徴には、高度経済成長期における日本企業の、やることを決めたら経営層も労働者も一丸となって走り出すといった部分が背景にあると思います。

ただ、グローバル化などによって戦略がより複雑に絡み合ってきたのに、どのような順序で何をするのか、今の体制で成功できるかを整理しないまま実行してしまうのです。とにかく戦略にあることは全てやる、そうしてプロジェクトを進めて、うまくいかないというのが今の日本の現状だと思います。

MSOLと出会ったのは2年ほど前、良い戦略を立てても正しく実行されず、成果に結びつかないことが多いコンサルティングに嫌気がさしていたころです(笑)。

MSOLに入社した決め手としては、まず、社長の高橋が考える、「私が参画することによって実現できること」が、自分の課題認識と合致していたこと。そして、高橋がそれを実現するために必要な要員リソース=コアメンバーを用意してくれたことの2点です。

高橋は、日本のマネジメントを変えるためにはマネジメントコンサルティング、つまりこれまでのプロジェクト等の小さな単位でのマネジメントだけでなく、より上位のマネジメントをやっていかなければいけないという考えを持っていました。MSOLとしてこの課題に真剣に取り組んでいきたいという想いがすごく伝わってきたのです。

待ったなし。“選択と集中”で日本の企業運営を抜本的に変えていく

今の時代の変革活動は、プロジェクト型組織で進められるのが主流ですが、日本のプロジェクトは成功率が異常に低いのが現状です。それでも会社のプライドや責任問題回避のため、やりたいことの多くができなかったけれども、プロジェクトは完了した、ということにすることが多いので、失敗率も低い様に見えます。

一方でプロジェクト自体も、わたしが社会人になった頃と比べて遥かに複雑で、不確実性が高くなっていて、経営側が承認したから「後は現場でよろしく」というのは酷な状況にあります。

また現在の企業においては、DXに加えて、コロナ後のニューノーマルに向けた変革や、カーボンゼロへの変革など、多数のプロジェクトを上手くハンドリングする必要性が増しています。具体的には、重要なプロジェクトに対して「選択と集中」を行い、成功の見込みが低いか価値が低下したプロジェクトの新陳代謝を行ってリソースを最大限活用し、さらに個々のプロジェクトの成功率を高めることが求められています。

実際、日本の9割以上の企業はこの危機意識を持っています。ただし、どうすれば良いのか、そのやり方を知らない企業がほとんどです。

日本企業のプロジェクト型変革の特徴は、とにかくあらゆるプロジェクトに手を出してしまい、選択と集中に弱いことです。MSOLではこの“選択と集中”をきちんとできるようマネジメントのサポートをしていきたいと考えています。

本物のマネジメントを行うには、経営層の意識改革が必須ですが、これまで成功体験を積み重ねてきた経営層に対して意識改革を求めるのは一筋縄ではいきません。

そこで、意識改革の話は最後にして、まず、現在のプロジェクトは昔よりも複雑で難易度が高いものになっているということを伝えます。そして、その状況の中でプロジェクトを達成させるためには、全社横断でプロジェクトをマネジメントする必要があり、その組織を経営層直下につくる必要があることを伝えるようにしています。

現場のプロジェクトでも、経営層に対して相談しにくい(心理的安全性が担保されず、悪い評価を受けるリスクを感じている)状態で、難しい内容に取り組んでいます。MSOLでは、安心して会社組織に頼ることができ、かつ成功の見込みがなくなったプロジェクトを無理に進めることがないような仕組みや環境づくりをサポートしていきたいと思います。

現場任せのマネジメントをやめ、プロジェクトが成功できる環境づくりを

MSOLの主力事業はプロジェクトマネジメント実行支援(PMO)です。プロジェクトの難易度が高まるにつれて、プロジェクトを成功させるためのプロジェクトマネジメントの支援が必要となり、お客様だけでそれができる人材を確保することはできません。MSOLはこのプロジェクトマネジメントのご支援を行うことで東証一部に上場するまでに至りました。

しかしながら、個々のプロジェクトを成功させるための支援だけでは、日本がグローバル競争に勝ち残り、少子化がすすんでも人々が幸せに生きていける世の中になるとは考えていません。そのために、主力事業のPMOを中核に置きつつも多角化を進めています。その中でダイレクトに日本企業の経営スタイルの変革、特に変革のマネジメントを取り扱っているのがマネジメントコンサルティング事業(MC事業)です。

MC事業では、そもそもそのプロジェクトを開始すべきか否かの判断、成果をあげるために必要十分なヒト・モノ・カネの投入、環境変化に応じたプロジェクトの優先順位やスコープの変更などを行えるようにし、たくさんのプロジェクトを動かして会社全体としての成果、EPMO(Enterprise Project Management Office)によって最大化することを支援しています。

EPMOは欧米の先進企業では過半数が整備していると言われており、不確実な時代の変革マネジメントを行っています。しかし、残念ながら、日本企業でプロジェクト横断の組織を持っている企業は少なく、あっても限定的なモニタリング機能が大半で、最適化に寄与するケースはほとんどないのが実態です。

日本企業は経営が決定し、あとは現場のがんばり次第という進め方が非常に多いです。やりたいことが沢山出てくると、ひとつひとつのプロジェクトに対し、充分なリソースが割り当てられていなかったり、実行の中で思ったように進まなくなったりします。

そこでMSOLでは、成功できるだけのリソースを投入し、成功できる環境を創造するようなマネジメントの仕組みやルール、マインドセットの変化を促進するようにしています。

また、実行中に環境変化が起こった場合に、会社としてどう対処していくかの適切な判断を支援しています。さらには、リソース不足や環境変化など、現場の過ちに関係なくうまくいかなかったプロジェクトを、現場の責任にしないというマインドを当たり前にする環境づくりにも取り組んでいます。

ただし、現状は途中での変更の意思決定を、前向きに捉えている企業は少ないのが実態です。そのため、早い段階で損切りするべきものなのにその意思決定が正しく行えていないことも多いです。

MC事業の社会的意義として優先度が高いことは、マネジメント=管理・監督と考えがちな、日本企業のマネジメントに対する思考や仕組みを変えていくことです。それを世の中に対して伝えていきたいと思っています。

トップダウン×ボトムアップの支援で価値を生みだす

実は、案件を大きくして売上を増やすために、オーバースペックな提案をしてしまう企業も少なくありません。そうした場合、実行するためのリソースが足りないといった問題が起こります。しかし、目先の売上にばかり目がいってしまうと、自らの手で適正規模に縮小したり、プロジェクトを中止したりするようなことは選択肢として挙がりにくいのです。

私も過去にいた会社でこうした問題を体験していて、マネジメントコンサルティングは実施できるプレイヤーが少ない領域だと思っています。

MSOLは創業当初から、「Managementの力で、社会のHappinessに貢献する」といったビジョンを持っていて、そういう企業だからこそこの領域に踏み込んだという面もあると思います。

MSOLはプロジェクトレベル(PMO)のマネジメントの支援と、プロジェクト横断での全社的なマネジメントの支援(マネジメントコンサルティング事業)が一体的にできるのが特徴です。

今後実現したいことは、日本企業がさまざまなイノベーションを成功させていき、これからも世界のトップの国のひとつとしてずっと居続けることです。そのためにも、そこで働く社員の方が安心してイノベーションを進めていけるよう、そのサポートをしていきたいと思っています。

日本の大企業の多く、特に伝統的な企業は、昔の日本の勝ちパターンで現在の企業運営の仕組みを長年かけて作り上げてしまっているので、そこを変えるのは大変です。

しかし、日本企業の社員は優秀な方が多いので、今の時代に合った企業経営に変わっていくことができれば、日本企業はまだまだグローバル競争の中でも勝てていけると思います。スピーディーな企業マネジメント変革が進み、日本企業がアフターコロナ、ニューノーマル、カーボンゼロの時代に勝ち残れるようになると信じています。

こうして日本の社会を変えたいという想いの裏には、自分自身日本が好きだからということがあります。これからも、日本の明るい未来のためになるような仕事をしていきたいです。