24年間の営業を経て、数々の“畑違い”の部署を経験

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私は1983年に明治に入社して以来、営業職、需給管理、工場事務、出向とさまざまな部署を経験してきました。入社してから46歳くらいまでの24年間を営業職として働き、その間に2年間の本社勤務や支店長業務を経験しています。入社当時は菓子部門と食品部門に分かれており、最初は食品部門の営業を務めていましたが、後に組織統合があり、食品と菓子の両方の領域の営業を担当することになりました。

2007年からは、生産管理部門の健康需給グループに異動になり、5年間在籍しました。健康需給グループの役目は、美容サポート成分と健康サポート成分が含まれる“アミノコラーゲン”やプロテインの“ザバス”、レトルトカレーなどの健康関連商品や食品を全体最適で生産してもらえるよう、営業や工場との間に立って調整すること。それまでの営業職とは全然違う仕事ではあるのですが、営業職の予算達成の厳しさや、製品を見込み通り販売する難しさを知っているからこそ、双方に寄り添って進めることができ、これまでの経験を活かせる業務だったと感じています。

需給グループで5年働いた後、2012年から工場事務の仕事に3年携わり、2015年からは“容器包装リサイクル協会”へ出向して、プラスチック、PETボトル事業部で主にリサイクル関係事業者への立ち入り検査や、リサイクル推進のため市町村を訪問していました。全く違う世界で働くということで、明治にいながら転職をしたような経験ができ、いい刺激になりました。

59歳で受験勉強。定年後も新しいチャレンジを続けて

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定年を迎えた2022年11月現在は、サステナビリティ推進部の環境グループに所属し、環境ISOの内部監査員として環境マネジメントを下支えしています。同じ業務をしているのは私を含めて3名で、それぞれが年間で10~15の工場を回っています。内部監査業務以外の主な業務としては、内部監査員養成セミナーなども行っています。

59歳のときから今の部署にいるのですが、来たばかりのころは、“SDGs”や“ESG投資”といった、部署内では知っていて当然の横文字の専門用語が全然わからなくて。部会が終わった後にわからなかった言葉をネットでこっそりとひとつずつ地道に調べていました。

また、CSR推進部に来てからは受験勉強をしたことも。CSR推進部員は、エコ検定を受験して合格するのが最低限必要なレベルだとされていたので、会社からもらったテキストと問題集を毎日のように勉強していました。それまでとはまったく違う環境ということで、一生懸命やらなきゃいけないと必死に取り組んでいましたね。

定年後に働かれる方は、それまでの経験に関連した領域の仕事に就くことが多いのですが、私のように全然違う部署に配属されることもたまにあります。ただ、私としては全く違う環境に身を置くことで得られる新しい刺激が楽しくもありました。今後は再雇用者が増えるので、違う部署への配属が増えてくるかもしれません。

定年後も働き続けることで、かつての部下や後輩が上司になることは普通のことであり、それに対しての抵抗感は全くありませんでした。そこは誰しも自然と受け止められるのではないかと思います。

むしろ、上司よりも経験値があるのであれば、立場上は部下であってもアドバイスができるかもしれないとも思うんです。自分の経験上、管理職は自分が思っている以上に部下との心の距離感が大きく、どうしても孤独を感じやすいポジション。そういう方たちの話し相手になることも、定年後だからこそできる仕事のひとつかもしれないと思うと、より前向きに働けます。

好きな会社の中で働けていれば、どんな仕事でも楽しい

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今の仕事の魅力は、企業にとって重要な課題に携われていることです。私が入社した当初は売上や利益が重視されていた時代でしたが、最近はそれにプラスして環境に対して企業がどのように取り組んでいるかが、ステークホルダーからの重要な評価指標のひとつになっています。そうした、企業にとって重要な業務に携われている実感があるので、モチベーションを高く維持できています。

また、全国の工場を回っているときに、各工場や事業所での取り組みや造っているものをこの目で見られることや、昔一緒に仕事をした方と久しぶりにお会いできることも、仕事の中の楽しみのひとつ。私も工場で働いていたことから、皆さんが苦労されていることに共感できる部分もあり、内部監査時にはできるだけ相手に寄り添いながら話を聞いています。

色々な部署を転々としてきましたが、どんな仕事でもモチベーション高く取り組めることの根底には、明治をすごくいい会社だと考えていることがあると思います。好きな会社の中で働けていれば、それがどんな仕事であっても楽しいことなんじゃないかと。

外部に出向していた時期もありましたが、新たな仕事を楽しむ反面、いろいろな会社から出向してきている人が集まった組織ですから、多少の孤独感も覚えていたんです。「組織としては同じ方向に進んでいるのですが、一人ひとりがお椀のような小さな船に乗っているような感覚」というような。

一方で、明治という会社で働いているときは、ひとつの大きな船に乗って、みんなで同じ方向を向いて働けている安心感があります。昔一緒に働いたメンバーと久しぶりに顔を合わせると、共に戦った“戦友”に会えたような気がして、「あのときは苦労したよね」と語り合える、そんな一体感が好きなんです。

同じ会社にいる限り、これまでの経験を活かせる場面は絶対にある

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今後については今期中に“ISOマネジメントシステムの審査員補”の研修を受けて、資格を取得したいと思っています。その資格があれば、明治を退職した後の再就職先の選択肢が広がるのではないかなと考えていて。これからは会社の外に出るという、新たな挑戦もしていきたいですね。

今いるメンバーに伝えたいのは、愛着のある会社で働けている喜びを感じてほしいということ。「愛社精神を持って働け」と伝えたいのではなく、自分の会社への愛着を噛みしめながら働けば、苦しいことも乗り越えやすくなると考えているからです。

営業をやっていれば過去の私のように「売上のない世界に行きたい」なんて思うこともあるかもしれません。工場勤務にも間接部門にも、それぞれ大変なことはあると思います。それでも、その仕事の土台に「自分の好きな会社で仕事をしているんだ」という気持ちをもち続けてきたことで乗り越えられた場面が度々ありました。

定年後にそれまでとは違う部署に行ったとしても、「社内での転職だ」とポジティブに捉えればいいと考えていますし、私の経験からいっても、同じ会社にいれば、その会社での過去の経験を活かせる場面や場所って絶対にあると思うんです。

明治にはもともと、この会社の商品が好きで入っている人が多いと思いますが、だからこそ「好きな会社で働けているんだ」という気持ちを、忘れずに過ごしてほしいですね。