陸上と理科、夢中を深掘りし続けた学生時代

加藤 「私は小さいときから、疑問をもって行動するタイプだったんです。工作に力を入れている幼稚園に通っていたのですが、『なぜ糊で紙と紙がくっつくのだろう』ということを考えるくらいでした(笑)。工作をする中で疑問に思ったことを先生に聞くこともありました」

それだけでなく、一度興味を持ったことに対しては突き詰める性格だった加藤。たとえば、小学生のときにカードゲームにはまり、毎日パックを購入していました。

加藤 「カードを集めるのも楽しいし、相手に勝つための作戦を考えるのがおもしろかったです。そのときの状況に合わせてどう動くか考えたり、カードのコンボを考えたりするのが楽しかったですね。そのおかげでお年玉がすぐなくなったのを覚えています(笑)」

中学生になると陸上部に入部し、陸上競技にのめり込んでいきました。

小学4,5年生ごろから急に足が速くなり、走るのが楽しいと思うようになったことがきっかけで入部。入部して最初の3カ月目で大会に出場し、思ったより良い結果が出たことで加藤の心に火が付きました。

加藤 「成果が出てからさらに楽しくなって、自主的に走り方などを調べるようになりました。テスト前、部活が休みの日にも友達を誘って走る練習をしていました。強いとは言えない学校でしたが、県大会に出場することができ、学内では快挙でした」

もうひとつ打ち込んだこととして、理科があります。

生命や化学反応などに興味があった加藤はその世界に魅了され、本格的に理科に傾注するようになりました。

そのきっかけとなったのは小学生のときに、H・G・ウェルズの「タイムマシン」という本を読んだこと。SF小説なのですが、その本から、科学技術が社会や人に与える影響は大きいのだと子どもながらに思ったのを覚えています。

当時は意識してはいませんでしたが、その経験から「どうせ就職するならば、社会との関わりを持てる仕事に」と考えるようになったのかもしれません。

加藤 「『タイムマシン』を読んだこともそうでしたが、中学2年生のとき同じクラスにすごく頭の良い女の子がいて、その子に負け続けたのが悔しかったんです。その子に競争心を抱いて、本気で勉強するようになりました。私は理科が得意だったので他の教科を捨てて、理科だけは勝てるように努力したんです」

勝つために「選択と集中」をすることを覚えた加藤は、高校でもその力を発揮することとなります。

就職活動が人生の転機に──科学者の夢を超えた、保育事業との出会い

保育園で作品展のカメラマンに

高校では、好きな生物と化学の勉強に専念し、それ以外の授業はほとんど寝ているほど。

そして、並行して部活にも精を出します。中学から継続して400mを極め、関東大会に出ることを目標に励んでいました。

加藤 「学内のジムに週3で通い、プロテインも飲んでいたくらい陸上に本気でしたが、2年生でけがをして走ることができなくなった時期があり、気持ちが燃え尽きてしまったんです。それから生物の勉強により時間をかけるようになりました。小さいときから生物に興味がありましたし、何かを探求することが好きだったので、科学者になりたいと思っていました」

科学者という夢をかなえるため、高校卒業後は筑波大学の生物学類に入学しました。

こうして大学生になり、研究室に入ってからはひたすら研究に打ち込みます。

加藤 「生物の中でもとくに、寿命と老化に興味があり、それについての研究を行いました。当時は、食事と睡眠以外の時間をほぼすべて研究に費やしていましたね。そしてその後、結局修士課程で卒業しました。とはいえ、実はもともと博士課程に進もうと考えていたんです。科学者を目指していましたから」

しかし加藤の運命を変えたのが、就職活動でした。

大学院2年生のときに、「社会勉強のためにも就職活動をしてみるか」という、軽い気持ちで就職活動をスタート。

始めは食品系やメーカーの研究職や、コンサルタント、システムエンジニアなど幅広く見ていましたが、その中であることが記憶に残りました。

加藤 「どの企業も口をそろえて「日本は少子化なので、海外進出に力を入れています」と言っていました。それを聞いて、根本的な“少子化“という問題を解決しようとしないことに違和感を抱いたんです」

そんなとき、少子化という課題にアプローチできるライクアカデミーに出会い、心惹かれて入社しました。

入社の決め手となったのは、面接の際に人事から聞いた言葉でした。

加藤 「“教育は目的ではなく生きるための手段“という考え方に共感したんです。教育は後からでも受けることができますが、人格形成においては幼少期の体験が重要となります。

私は大学時代の研究を通して、生命の寿命の中で若いときの大切さを学んでいました。そのため、人としての基盤を育む幼少期にしかできない、“生きる力を育む“という保育理念を掲げる保育を扱っていることにも惹かれましたね」

今まで陸上や研究など自分のやりたいことを自分のために打ち込んできた加藤でしたが、社会課題を解決しようとする企業があるのだということに気付いたことがきっかけで、将来は他人を幸せにできる仕事をしたいと思い、就職という選択をするに至ったのです。

さまざまな経験を血肉に変え、前へ

総合企画部時代、内定者に動画の作成方法を教える加藤

ライクアカデミーに入社後、新卒の保育士採用を半年担当。

加藤 「人事部に配属されたときは、当社の保育施設の良さを広め、たくさんの保育士に入社していただきたいという想いがありました。ですが、半年後すぐに部署内で中途+webの業務に変わってしまったのです。でも、今振り返るとこの経験が私にとっての転機となりました」

2年目からはwebをメインで担当し、HPの改修や広告代理店とのやりとりをしました。そこで、webの重要性をより強く理解することになります。

加藤 「当時はweb周りが弱かったのですが、求職者にいかに当社の保育の魅力を感じてもらうか考えたとき、伝え方としてwebの強化が必要だと強く感じたんです。

課題を解決するべく本を読んだり、セミナーに参加したり、HPの修正に必要な専門的な知識を習得したり、日々勉強していましたね。開拓されていない分野だったので責任は重かったのですが、うまくいくと褒められるし、研究みたいで楽しかったです」

その結果、保育士の年間応募者数を1000人から1700人に増加させることに成功。ひとりの力ではありませんが、成果を感じられました。

このような実りの多い2年間を経て、3年目からは総合企画部に異動します。

社内の業務が、部署ごとの縦割りで進んでいる傾向に問題意識を持っていたため、会社全体に関わることを横断的に行う部署を自ら提案して立ち上げました。

加藤 「『総合』の名前の通り、どこの部署が担当なのかわからない業務や、誰も課題と感じていないこと、課題だと思っていても解決方法がわからないことなど、なんでもする部署を目指し、チームをつくる意識を持って業務に当たりましたね。

とはいえ部署立ち上げ当初はやるべきことが多すぎて、どこから手をつければいいのか悩みました。その中でタスク管理のツールを導入する、大事そうな課題から手をつけることを意識し、改善に向かっていったんです」

その後、たとえば保育士確保の施策を保護者の集客に応用するなど、それまで行ってきたweb施策を生かしていきました。

それ以外にも、日頃から部署のメンバーと保育士不足の問題やその解決策などを話し合うなど、総合企画部で有意義な時間を過ごしました。

web領域のなんでも屋として、「みんなハッピー」を創造し続ける

2020年現在は、ライクアカデミーから親会社のライクに転籍し、web推進室に所属しています。業務内容は、いわゆるweb領域のなんでも屋。

主な担当業務は、これまで担当してきた保育士の採用支援の延長線上にある業務と、HPの修正や変更、そして最近始まったのが社内の基幹システムの見直しです。

加藤 「やるべきことが多いし、私自身広く浅くというより狭く深くコミュニケーションを取るタイプだったので、体制が変わってイチから関係性を築くことが大変です。それでも時間と経験が解決してくれると信じています。私は楽観的なので、問題があってもポジティブに乗り越えていけることが多いです(笑)」

前向きな性格も味方し、新しい提案をするのに臆さず進歩を続けてきた加藤。

今後は、やりたいことが大きく分けてふたつあると言います。

加藤 「ひとつめは保育で培った採用や利用者確保のノウハウを、人材、介護領域にも横展開していき、世の中にいる人みんなをハッピーにすることです。わたしは「みんなハッピー」という言葉が昔から好きで、自分だけが幸せでも意味がないと思っています。

一人ひとり幸せの価値は違うけれど、みんなが幸せでいられることが、わたしの幸せです。ふたつめは、すごく壮大な話になりますが、少子化対策を行うこと。

現在保育士や保護者様に対する取り組みを行っていますが、お子様がいないご家庭の支援も見据えることで、少子化対策につながるのではないかと思います。web担当という立場だからこそ、webの力、さらにはデジタルの力を使ってアプローチができないか、可能性を探っていきたいです」

そのような壮大な未来図を現実にするためには、既存の枠組みに縛られていられません。これまでの常識を疑い続ける「非常識が常識」という視点を持って、これからも走り続けます。