課題だったエンジニアの組織化。本腰を入れるため、和賀氏にサポートを仰ぐ

▲エンジニアの組織化に課題を持っていた。和賀氏とはビジネスマッチングアプリを通して出会ったという

創業から11年が経過し、事業の成長は続けていながらも、会社全体として、組織化が常に課題だったカラダノート。人数や事業規模が大きくなる中で、まずは代表の佐藤 竜也が強みとするマーケティング・営業部門を組織化。開発人材については、それぞれの事業部の配下にWebエンジニアやアプリエンジニアが属する形でした。

佐藤 「事業は伸びていたので、開発メンバーを組織化していないことはとくに課題とも感じずにいました。ただ、やはりエンジニアが分散しているとナレッジがたまりにくかったり、採用もしにくかったりします。その流れで、開発部門も組織化しようという動きが過去にありました。


ただ、どのような人材が開発組織づくりを指揮すべきなのかわからず、組織の確立にはいたっていません。そこで、開発人材マネジメントについて詳しい方に話を聞いてみようと考えました」

そして佐藤は、ビジネスマッチングアプリで、CTOとして実績を出されてきた和賀 勝彦氏と出会うことになります。

和賀 「知り合ったのは2019年11月頭です。前職は、執行役員を10月末で退任し、12月末に正式に退社する予定だったこともあり、いろいろな方とお会いして話を聞くようにしていました。その中で佐藤さんと巡り合ったのです」

和賀氏は自分の能力が求められている場面や企業、今の市況などをキャッチアップする目的で、アプリを活用していました。

佐藤 「最初にお会いしたのは六本木の喫茶店でしたね。急成長されている会社の開発組織をどうやってつくったのかという部分を伺いたいと思っていました。そのときは自社をサポートいただきたいという気持ちがあったわけではなく、単純に勉強させていただこうという想いでした」
和賀 「前職に僕がジョインしたとき、開発メンバーは社員とSESスタッフ合わせて10名ほどでした。職人肌の人材が多かったのですが、かなり疲弊している状態で。そこから、足りない機能を洗い出して、業務を変えたりつくったりしながら、辞めるときにはスクラムマスターやデザイナー含めて70名以上の組織になりました。こういった経験は、他でも生かせたらと思っていましたね」

和賀氏の組織づくりの経験談や知見を聞き、佐藤は衝撃を受けました。それは、和賀氏のエピソードが、自社にも応用可能なのではないかと感じられたからです。

攻めの動きができる開発組織へ。ヒントは「スーパーマンに頼らない」こと

▲2020年2月より社外顧問として就任している和賀 勝彦氏

和賀氏が前職でまず行ったことは、1on1で徹底的に対話し、問題の所在を明らかにすることでした。

和賀 「社員もSESも関係なく、時間をかけてヒアリングをしました。個人レベルでの問題点、課題を聞いて、トップとエンジニアとのあいだにある問題もチェックして。プロダクトの品質も見ました。そのときは品質まわりに改善すべき点が見えたので、品質保証を担うQA(Quality Assurance)チームを立ち上げました。人、組織、プロダクトという会社の構造を、時間をかけて見たことが良かったと思っています」
佐藤 「その事例を伺って、単純にすごいなと思いました。あれだけの急成長をされている会社にもそんな地道な行動があったのかと。僕は勝手に、最初にスーパーマンがいて、その人がたくさん人を集めてきて組織化するようなイメージを持っていました。

ですが、和賀さんから伺ったのはスーパーマンに頼らない組織づくりで。かつ、新しい挑戦をつくるチーム、現状の改善をするチーム、保守をするチームなど、役割分担をして万全を期す。そういうチームを小規模からしっかりつくられていました。

その方法であれば、うちにもできそうだなと感じました。とはいえ、一手目に何をするべきかなどは全然想像がつきません。そこで、何かしら最初の部分でサポートしていただけたらと思いました」

佐藤から当社の現状と課題を聞いた和賀氏は、「改善すべき点が明らかであり、そこを改善できれば結果が出せる」と感じていました。

和賀 「結果が出るイメージができたので、それであればお手伝いした方がいいなと思いました。カラダノートの現状として、エンジニアの組織体ができておらず、エンジニア採用のブランディングもうまくいっていないと感じました。そこを改善したら採用も増えて、それを軸に、より魅力的な人材が集まってくると考えたのです」
佐藤 「僕も他社のCTOやVPoEクラスの方の話を伺っている中で共通していたのは、やはりマネジャーをアサインした方がいいということ。そこで、マネジャークラスの採用と、その後のサポートをしていただきたいということで、和賀さんに社外顧問への就任依頼を出させていただきました」

当社は事業の特性上、多くの個人情報を扱うため、これまで運用や保守などの守りの意識は高く持っていました。事業としての攻めの部分は営業面でカバーしていたものの、今後は開発面での攻めを意識し、組織をつくること。そして、その組織を率いて意思決定していく人材の採用を目指すことになりました。

まずはマネジメント人材採用を。和賀氏の現状分析と打ち手とは

▲現在の事業成長に加え、エンジニアが組織化されると開発スピードが格段に上がるという

和賀氏はまず、求人情報のブラッシュアップに取り組みました。開発のマネジャークラスの採用のために、自らの影響力を利用することもいといません。

和賀 「カラダノートは事業内容にやわらかいイメージがありますよね。それもあって、外から見るとすごいことをやっているイメージが湧かない。ですが、実際は事業をしっかり伸ばしていますし、積極的な展開もしています。

そこをしっかり伝わるようにして、入社するとこんな経験が積めますよということを、アピールしていく必要があります。こういう対談もそうですが、僕が入ることによって、何かきっかけになってくれればと思っています」
佐藤 「和賀さんにサポートいただくことで、『うちは開発部門を強化していきます』という意思表示にもなると思っています。現状でも事業は成長していて、開発側が整うことで、さらに成長しやすくなる環境。なので、もっと事業をドライブさせるための組織化、という意味合いです」
和賀 「佐藤さんがおっしゃるように、今の状態でも伸びているという事実があって、エンジニア組織がしっかりすると、企画から開発のスピードが格段に上がると思います。だからこそ、このタイミングで組織づくりが必要なのです。

もちろん、入ってくる方とは壁打ちもします。最初のうちは慣れないところもあると思うので、そこは僕の経験を提供できればと思っています」

和賀氏には、マネジャークラスの採用に加え、採用後の組織づくりや機能分化までサポートいただく予定です。開発組織は、そのマネジメント人材に「任せる」ことで定着し、それは事業の成長にも大きく貢献するだろうと佐藤は考えています。

佐藤 「どんな組織にするのか、どんな人材を求めていくのかなどは、今後採用するVPoEクラスの方を中心に考えて決めてほしいと思っています。なので、今はその人の採用が最優先ですね。

人物像としては、ビジョンに共感し、事業戦略に鑑みて、もっとこういうことができそうだなど、経営視点で考えられる方を想定しています」

プレイングマネジャーよりも、専任マネジャーのアサインが重要

▲カラダノートでは和賀氏に社外顧問就任いただき、エンジニアの組織化、採用に注力しています

マネジメント人材について、和賀氏は「プレイングマネジャーは難しい」という考えを持っています。

和賀 「きちんと『マネジメントをしたい人』を採用すべきだと思います。ちょっと経験が浅い方でも、マネジメント意欲があれば育てていくことは可能です。逆に、プレイヤーとして手を動かしてやっていきたい人は、そちらに専念してもらう方がいいのです」
佐藤 「その発想があまりなかったというのが、一番大きな転換ですね。社内にいるメンバーを指名して、プレイングマネジャーになってもらうのが今までのやり方だったので。

これは評価制度にひもづくのかもしれませんが、年数を重ねたら、いずれはマネジメントしなくちゃいけないという風潮がありますよね。でも、マネジャー業務が肌に合わない人もいます」
和賀 「そうですね。単純に技術面が好きで突き詰めたいという人もいます。逆に言うと、そういう人は技術に関する学習意欲が高いのです。新しいものを試してみて、これは会社のプロダクトに生きるかもしれないと思ったら、ちゃんと提案していける。そういう人は、職人であり続けても評価や給与は上がっていきます。

一方で、『マネジメントスキルが高い』という意味でのスペシャリストもいます。そこは役割の違いなので、基本的には全員がスペシャリストというイメージで、しっかり評価制度をつくっていけたらいいのだと思います」

今後開発組織をつくっていく上で、当社は、採用をはじめとするさまざまな場面で和賀氏と連携していきます。

佐藤 「これまでなかった組織体なので、会社の成長を、より加速させる組織になってほしいと思います。そのために和賀さんには、まずは1人目の採用をぜひサポートしていただきたいです」
和賀 「今のフェーズでは、マネジメント人材を入れて、土台をつくる。そこから、QAやセキュリティ専門の機能を置くべきかを考えていくフェーズに移っていく。会社が成長し、社員が増えていくと業務フローも変わっていきます。フェーズによってエンジニアも適宜追加したり、チーム編成を変えたりすることと、そのやり方が大切です。

経営者によっては、エンジニアの組織体が必要だという意識が低い方もいらっしゃいます。佐藤さんにはしっかりその意識があるので、そこは崩さないでほしいなと思いますね」

これまでなかなか定着にいたらなかった開発組織を確立し、事業のさらなるドライブにつながるよう、当社は今後も攻めの展開をしていきます。