生命保険の保全(メンテナンス)業務に係る教育や労務まで幅広い業務を担当

生命保険会社の仕事というと、一般的には、お客さまニーズに応じてご契約のご提案や見直しのご提案、というような、お客さまとの対面での保険商品等のご案内のシーンを思い浮かべる方が多いと思います。

しかし、お客さまに保険契約にご加入頂いた後の長期間にわたる保険期間中の保全(メンテナンス)業務も非常に重要なものです。岡は、岐阜に位置するバックオフィス拠点であるSCで企画管理ユニットという名称のチームに所属しています。

岡 「お客さまの情報が保険ご加入時から変化している場合、アップデートを行う必要があります。例えば『ご加入後に住所や電話番号が変わった』、『結婚に伴いお名前が変わった』などです。もしもの時に保険金等を、お客さまに速やかかつ確実にお支払いできるようメンテナンスを行うことが、保全業務の最大の使命です。

株式会社かんぽ生命保険(以下:かんぽ生命)の保険商品は、全国の郵便局等で保険契約の住所変更等の諸手続きの受け付けを行っていますが、その後の処理の多くをバックオフィス拠点であるかんぽ生命のSCで行っています。SC内には、複数のユニット(部署)があり、私が所属している契約SC企画管理ユニットでは、保全業務の安定的な運行に向けた社員研修の企画運営から、勤務管理などの労務関係、備品や消耗品管理に至るまで幅広い業務を受け持っています」

企画管理ユニットはいわば、契約SCで働く社員のよろず相談所のような部署。特に岡がサポートしている保全業務を行うチームでは、お客さまの結婚や引っ越しなどに伴う氏名や住所の変更にとどまらず、お客さまの保障ニーズの変化に応じて保障内容を見直すための業務や保険料の払込みに関わる業務等、生命保険に関しての専門知識が幅広く要求されます。

岡たち企画管理ユニットのメンバーは、契約SCのスタッフが自信を持ってお客さまへの対応や各種の保全業務を行えるように、専門知識の習得や法令等の改正に関する知識を深めるための研修を企画し、スタッフへの細やかなサポートを行っています。

2018年から郵便局等の業務で使用する新システムが導入された際には、当該システムの導入に伴う契約SC側の業務フローを検討するプロジェクトの一員として活躍していた岡。

2021年からは各地の契約SCの運行管理をさらに効率化する取り組みが開始され、拠点の枠を超えた「運行管理の効率化プロジェクト」が発足。

岡の所属する岐阜の契約SCを含む、全国5か所の契約SCからの現場の声を活かすため、それぞれの拠点でリーダーとサブリーダーの2名ずつ、さらに本社の担当者を含め13人がプロジェクトメンバーとして効率化に動き出すことになりました。岐阜の契約SCのリーダーに選出された岡は、プロジェクト全体のリーダーにも指名されたのです。


全国の拠点が参加したプロジェクトにリーダーとして参画し見えてきたこと

「運行管理の効率化プロジェクト」は、かんぽ生命の保全業務の運行管理に関して、全国の5つの契約SCそれぞれの工夫やノウハウを整理・共有し、全社に横展開することで効率化を図る試みです。

岡 「各契約SCでは、日々多種・多量な請求書類・データを処理しており、その運行管理はどの契約SCでも、業務の進捗状況を管理している『状況表』という名称のツールを使って行われています。

この状況表は、全社で同様のデータ形式ですが、本社が各契約SCに運用面で裁量を与えている部分がありました。その部分においては各拠点それぞれが創意工夫を行い、拠点規模等から生じる拠点毎の特性に合わせて必要な項目を追加するなど、活用について独自のノウハウ等が蓄積されていました。

将来的な業務の効率化や品質向上を考えると、各契約SCにおける現場の創意工夫で蓄積されてきたノウハウ等を共有・一元化し、状況表をさらにブラッシュアップすることで、全契約SCの業務モデルを進化させたほうがいいと思いましたね。そこは、プロジェクトメンバー全員で一致した意見でした」


各契約SCの代表者が集まって状況表について、工夫・ノウハウについて情報交換した結果、特に洗練された運用がなされていたのは、京都の契約SCの状況表でした。京都の契約SCは、拠点に裁量が与えられた部分も含め、状況表の入力マニュアルを20頁程度で、イメージとテキストを交えて、ビジュアル的にもわかりやすくかつ丁寧に作成していました。

内容の充実度やわかりやすさの観点から入力マニュアルの完成度が全拠点で一番高かったため、京都の状況表およびその入力マニュアルをベースに他4拠点の工夫・ノウハウを取り込み、ブラッシュアップしていくことにしました。

岡 「ブラッシュアップされた新しい状況表とその入力マニュアルを各拠点で問題なく運用してもらうためには、各契約SCの社員が実際に運用してみて、使いやすさや効率性の向上を実感してもらうことが重要です。その際に既に運用実績のある京都の入力マニュアルを参考にすれば、新しい入力マニュアルを一から作成する手間や時間を削減しつつ、使いやすさや効率性の向上も実現できると考えました」

状況表とその入力マニュアルのブラッシュアップについて、基本とする方針が決まったとはいえ、その後の作業が難なくスムーズに進んだかというと、そう簡単なものではありません。各拠点で取り入れている工夫・ノウハウの取り込み是非等について一つひとつ、細かく検討する必要があったからです。

それぞれの契約SCで効率的だと考えている手法について、なぜその手法が良いと考えているのか、という点も含め、綿密な情報共有が続きました。そんな中、岡は自身のこれまでの拠点内での業務経験も生かして、リーダーシップを発揮します。

岡 「協議を行う中で意見が分かれたとき、やはり多数決になることが多いです。しかし、可能な限り少数派の意見も考慮した上で、物事を進めていきたいという気持ちが強かったですね。少数派の意見だからと言って、妥当性がないとは言い切れないからです。

コロナ禍ということもあり、相談や協議はリモートで行うことでスムーズに実施できましたが、すべての拠点の意見を細かく検討の上、反映等していくことを考えると時間は限られていました。

しかし、限られた時間の中でも、リーダーとして各プロジェクトメンバーと個別に話す機会をつくり、お互いの妥協点を見つけられるまで粘り強く話し合うように心掛け、プロジェクト全体として何が最適であるか協議をまとめてきました。その結果、概ね満足のいく結果が得られたと思っています」


2021年の春に立ち上げられたプロジェクトは、いま山場を終え、最終調整に入っています。順調に行けば、2022年度から岡たちを始めとする各契約SCの意見や工夫・ノウハウを取り入れた新しい状況表の運用が全国でスタートする見込みです。


変えるべきこと、変えるべきでないこと。

今までにも他のプロジェクトに参加したことがあった岡ですが、運行管理の効率化プロジェクトに参加したことは、大きな転機になりました。

岡 「今までの業務プロセスや業務上の慣習を、本当にこれが正しいのか、もっと効率が良くて業務品質の向上につながる方法があるのではないかと、他の職場のメンバーとも意見交換を行いつつ、見直したことは、私にとって本当に示唆に富むいい経験だったと思います。

それに今回のプロジェクトがなければ、他の拠点の工夫・ノウハウやその背景にある業務への姿勢・考え方が分からなかったと思います」

当たり前のことですが、かんぽ生命の保険商品は全国どこでも違いはありません。しかし、今回の状況表の違いが示すように、契約SCごとにいろいろな工夫・ノウハウが蓄積されていることも知ることができました。

各拠点ならではの特性を活かしつつ、業務の効率化のためにはどうすればいいのかを考えることができたのです。

岡 「単に業務の効率だけを考えて状況表を修正してしまうと、全国5拠点の拠点規模等から生じる拠点毎の特性を踏まえた時、業務の品質に差が出る事態になりかねません。色々な状況・事情を想定して、『変えるべきこと』と、『変えるべきでないこと』を区分して考える必要があると考えることができるようになりました」

リーダーとして感じられた自身の成長。今後もさらなる高みを目指す

「業務運行の効率化のプロジェクト」に参加した当初の岡は、実はなぜ自分が選ばれたのかと自問自答していました。

岡 「プロジェクトが始まった当時は、自分よりも保全業務の経験年数が長い方もいる中で、なぜ私がリーダーに選ばれたのか?と不思議に思う部分もありました。

比較的規模の小さい岐阜の契約SCから選ばれたこともそうですが、全国の優秀な契約SCのメンバーが集まったプロジェクトの中で自分がリーダーになった理由は、正直今でも分かりません。ですが、リーダーとして様々な意見に耳を傾けながら、意見をまとめあげ、より良いものを作り上げるという過程は、本当に良い経験になったと思います」


そう語る岡は、現在、DX(デジタルトランスフォーメーション)に向けた社内の新たなプロジェクトに参画し、今回の経験を活かしています。

岡 「システムに関することは、設計・実装・テスト等に一定の時間がかかる場合もあるため、すぐに改善することが難しいこともあります。もどかしいことも多いですが、業務やシステムの整理・設計の中で、今までの経験で学んだ『変えるべきこと』、『変えるべきでないこと』、『リーダーとして様々な意見に耳を傾けながら、意見をまとめあげ、より良いものを作り上げること』等を踏まえ、お客さまのために、これからも必要な改善をどんどん進めていきたいですね」

入社以来、いくつものプロジェクトに積極的に参画し、数々の改善に現場の声を反映させ、かんぽ生命全体の業務効率化や業務品質の向上に努めてきた岡。お客さま本位の意識を何よりも大切に、これからもDX(デジタルトランスフォーメーション)をはじめとする困難なプロジェクトにもひるまず挑戦し、さらなる高みを目指していきます。