2年目で任された新アプリの開発リーダー──実感した周りの人たちの支え

▲現在の綾小路

現在は「SRI+」というスーパーマーケットやコンビニをはじめとした、全国の小売店販売データの集計システムの開発に携わっています。大量のデータを速く集計し、お客様へ価値あるデータを安定的に届けられるように、日々、チームで奮闘しているんです。

大学時代には、農学部でクラゲの生態に関するデータを集めてまとめるなど、海にまつわる調査をやっていました。この中で、データをまとめることにおもしろさを感じて、消費者データを集めるマーケティングリサーチに興味を持ち、当時(インテージテクノスフィア設立前)のインテージに入社しました。

ビックデータ等がトレンドであった時代で、自分でデータを扱えるようになりたいと思い、システム部門を希望して、今に至ります。

入社後は、リサーチデータを集計するエンジンを開発しました。それは、言ってみればマーケティングリサーチをするための、裏側の開発です。覚えなくてはならない業界用語や複雑な集計の仕様があって、苦労しました。

その苦労のかいあってか、2年目には新アプリの開発のリーダーを任されることに。しかしある日、クライアントに提案書をつくって説明したときに、「担当(自分)を変えた方がいいのでは?」って言われたんです。それはもうへこみましたね。ただ、上司が自分をリーダーとして選んでくれたわけですから、上司が担当を変えるまでは頑張ろうと思いました。

また、これまでの仕事は、部分的なシステム改修だったり、テストだったりと、一部分を担当する仕事が多かったのですが、この部署での仕事は、ゼロから関わることのできる初めてのチャンスでした。だからこそ、自分もやりきりたいという気持ちが強かったんです。

そしてチームメンバーに恵まれていたことも大きかったですね。チームの仲間は全員自分より年上で、自分よりも技術面、システムの仕様面に詳しい方も当然いたのですが、自分が見落としている点をフォローして助けてくれました。

その上であらためて考えてみると、提案内容が良くないことに気付きます。ですから、クライアントからのダメ出しも、「フィードバックがもらえた」と捉え、ひたむきに改善することができました。どちらかというと飽きっぽいタイプですが、仕事の魅力と上司から任されたこと、そしてチームメンバーに支えられている実感でモチベーションをキープし、なんとかやりきることができました。

みんなでワイワイガヤガヤ、スクラムしていくチームの魅力

▲綾小路が所属するチーム(2020年12月時点)

アプリ開発のリーダーを務めたことをきっかけに、あらためて気付いたことがあります。

それは、クライアントと話しながら、チームで「あーでもない、こーでもない」とワイワイガヤガヤ、システムをイチからつくり上げていくのが好きだということ。仲間とつくり上げていく、部活のような感じが好きなんです。

もちろん、ひとりでつくると自分の思い通りにはできます。しかし、みんなで新しい視点、技術、リスクなどを話しながらつくることで、どんどん良いものができ上がっていく。想像もできなかった結果が生まれる。そんな感覚が好きなんです。

実は、ある出来事からさらにそのことを深く感じることになりました。それは、スクラムという開発手法を取り入れたときのことです。スクラム開発をする以前は担当者ごとにタスクが割り振られていました。

そのため、スケジュール通りにタスクが完了していないと、それは「その担当者の遅れ」であるという認識になるんです。それでうまく行かないことがあると、ふさぎこんでしまって、ひとりで悶々としてしまうことがよくありました。

しかし、スクラム開発を機に、そうした状況が一変しました。

一番大きかった変化は、すべてのタスクがチーム全体としてのタスクという認識に変わり、一人ひとりがチームとしてどうやってタスクを完了させていくかを考えるようになったことです。

この変化によって、仕事が楽しいと思えるようになりました。誰かに指示をされて仕事をしているという感じはなく、より自分たちで考えて行動するようになったからです。お互いに刺激し合い、助け合うチームになれたと思っています。

私自身も、かつてのようにひとりで悩み続けるのでなく、今ではひとりで15分考えても答えが出なかったら、みんなを頼るようになりました。気軽さが生まれたことで、より楽しく、より速く開発できるんです。

社内で “読書会”を自主的に始めたわけ──

スクラム開発でチームの力を高めることで、仕事が楽しくなったという経験を経て、これを社内、さらにインテージグループ内にも広げて、みんなにも体験してもらいたいと思うようになりました。

もともとエンジニアの世界はオープンカルチャーで、困ったことを質問するとみんながシェアしてくれるんです。そんなことを会社の中でもできたら、という考えがありました。ただ、いきなりオープンカルチャーにしようといっても、その良さは伝わりません。

そこで、まずオープンカルチャーへの第一歩として、巷で流行っている“読書会“をやってみることを決意しました。読書会にしたのは、オープンカルチャーにつなげるという目的はあったものの、身内に同志がいることの“大切さ“や”心地よさ“を味わいたいと思ったこともあるかもしれません。それに同じ課題感、問題意識を持った仲間とともに、より自分を高めていきたいと思っていたんです。

そうして読書会の企画を考え始めたわけですが、以前から、アイディアソンなどの若手交流の活動は自発的にしていました。そこで今回の読書会では、交流から踏み込んで気付きを持って帰ってもらい、実践で得たさらなる気付きを共有してもらうことで、互いの学びにつながるようにしていきたいと考えました。

「実験して、振り返り、また次の実験をする」というのがアジャイル開発のベースの思想としてあります。今回の読書会も、このように考えたらとてもワクワクしたので、迷わず実行するに至りました。

読書会ではよりよいチームづくりのきっかけになればという想いから、「チームジャーニー」という本を選定。当日は各話のサマリーを共有し、議題を抽出して参加者同士で議論しました。業務では関わりのないグループ会社の方も参加され、多様な視点で議論できてとても楽しかったですし、同じ志を持つ方にも出会えました。

また、筆者の市谷さんをお呼びして、感想、疑問、質問をぶつけるLT大会も開催し、大盛況でした。ここでのつながりを大事にしていきたいと、心から思える読書会になりました。

ワクワク感があれば、一歩踏み出せる。 自分が目指す世界観のために──

今回読書会という新たな企画を実現できたわけですが、やはり新しいことをスタートするのはとても勇気がいります。でも、ワクワク感があれば、一歩踏み出せると思うんです。

なぜなら、ワクワク感は“その先にある姿がイメージできている(からワクワクする)“ということだからです。目指したいビジョンや世界観があれば、一歩踏み出せるんです。なので、私にとって挑戦とワクワク感はセットであり、大切にしている価値観でもあります。

読書会第2弾として、「カイゼンジャーニー」読書会を始めました。「チームジャーニー」と同じく、市谷さんの著書です。各現場にはもっと仕事をよくしたいという想いを抱えながらも、一歩踏み出せないという人がいるはず。「カイゼンジャーニー」はそんなひとりぼっちがカイゼンしていくストーリーです。読書会が、同じ志をもつものが出会い、各現場で実践する力をくれる場になればいいなと思っています。

また最近は、コーチングを学んでいます。チームの最小構成要素である個人がコーチングによってイキイキ働くことができたら、チームに対してどんないい影響があるだろうというワクワク感がきっかけです。

実際に、メンバーを対象にコーチングセッションの“実験“も始めました。普段聞けないような価値観の話なども聞けて毎回発見があります。

コーチングによってメンバーにいい変化が起きて、それがチームの他のメンバーにとっても刺激になれば、お互いにさらに成長できると思いますし、自分もそんなチームで働いていきたい。だからこそ、そんなワクワクする世界を目指して、コーチングの腕を磨き続けたいと思っています。