パソコン黎明期に受けた「コンピューター概論」をきっかけに、SEの道へ

明治大学の政治経済学部に在籍していた薄井 毅彦は、勉学に励むまじめな学生生活を送っていた。

勉学中心の学生生活を送る中でも、薄井は複数のアルバイトを経験していた。その中には特殊なアルバイトもあり、働くということを考えさせられるきっかけがあったという。

薄井 「倉庫で荷物運びのアルバイトを経験したとき、最初は運ぶだけでしたが、そのうち検品までやるようになりました。そこで判子を持って来るように言われ、書類に私の判子が押されるようになりました。

検品が間違っていたら私のせいになるのかなと、当時は思いました。そのとき、お金をもらって仕事をすることは責任が伴うことだと気づかされました。社会人としての責任と給料の関係について学んだ気がしました」

もともと理系志望で数学が得意であった薄井は、「コンピューター概論」という講義を受けたことをきっかけに、コンピューターの世界に興味を持つ。

薄井 「私が就職してからNECからパソコンが発売されました。その当時はまだパソコン自体が非常に珍しいものでしたが、コンピューター概論の講義を受けたとき、その内容自体に違和感を覚えることなく、ただ面白さを感じたのです。

同時に、これなら経験はなくとも就職してから知識やスキルを何とか身につけられるのではないかなと思いました。そしてSEになり、今まで続けてこられています」

お客様と共につくりあげる富士テレコムで、今までの経験を活かす

新卒で地元 福島の企業にシステムエンジニア(SE)として入社した薄井。

入社後、予算がオーバーしてしまったプロジェクトを経験したものの、社員同士連携してなんとか終えることができ、チームで働くことの楽しさを知ったという。

薄井 「ひとつのプロジェクトがあった場合、そのプロジェクトがどんな風に進んで、いくら費用がかかるか、各自がどのくらい進んでいるのかを管理する必要があります。SEはこの管理に責任があり、営業は受注責任があります」

そんな薄井が新人に伝え続けている、SEにとって重要なことが3つある。

薄井 「まず、コストを守ること。私自身も失敗した経験がありますが、お客様から1億円で受注した仕事に2億円費用をかけてしまうと、単純に1億円のマイナスを計上することになり、会社にとって大きな損失となります。

次は品質。どんなに早く出来上がっても、出来上がったものがバグだらけ、ミスがあるようではダメです。

最後は納期。お客様と来年の4月から使用可能という契約をしたら、どんなことがあっても絶対に4月には使えるようにしなければならない。納期までに、要求されたシステムを全て開発しなければいけないのです。

コストと品質と納期はSEの3大責任。これは絶対に忘れないでほしいです」

1社目の会社でさまざまな経験を積みながら、仕事のやりがいを感じていた薄井だったが、あるきっかけで転職せざるを得ない状況になる。そんなときに出会ったのが、富士テレコムだった。

薄井 「もともとは福島で働いていたのですが、転勤で東京に行くことになりました。その3年後に母が倒れ、実家の商売を手伝う形で地元福島に戻らなければならなくなり、会社を辞めました。

退職後、実家の手伝いをしていたのですが、若い奴が店頭に立っていてどうすると言われてしまい(笑)、転職を考えていたとき、富士テレコムと出会い、入社を決意しました」


SEという仕事自体にあまり違いはないが、お客様と直接話し合いをしながら、システムをつくり上げていける魅力は富士テレコムならではだという。

薄井 「例えば一般のゲーム会社であれば、お客様にあたるゲームプレイヤーにあまり話を聞く機会がない状況で提供する形が多いですよね。しかし当社は、お客様と直接やり取りしながら良いものつくることができる。お客様の顔を見ながらつくれるという部分は大きな魅力だと思います」

さまざまな役職を経験したからこそ生まれた「思いやり」の気持ち

入社後、数々のプロジェクトを経験したのちに管理職に昇進した薄井。さまざまな役職を経験したからこそ、当時の自分を振り返り、社員を思いやることを大切にしている。

薄井 「昇格するとともに見方や視野が広がっていきました。それぞれの立場でそれぞれ経験していることがあると感じたのです。今は管理職という立場として、社員がどのように仕事をしているのかを当時の自分と重ね、一人ひとりを思いやる気持ちを大切にしています」

そうして毎日管理職としての責任感を持って仕事をしている薄井だが、もっとできることがあったかもしれないと反省することもあるという。

薄井 「やっぱり毎日大変です。最終的な責任は私が取らなければならないのですが、100人以上いる部下全員に目が届いているわけではありません。もちろん、できるだけ見るようにしていますが、やはり目の届かないところで当社を去ってしまう社員もいます。

仕事を嫌になってしまった人がいたのではないかと思うと、胸が痛みますね。もっと気にかけてあげなければならなかったのではないかと反省します」

そうした反省から、部下と接するときは常に誠実さを持ち、距離を近づけるようにしていると話す薄井。部下の気持ちになって考えることが大切だと語る。

薄井 「誠実かつ距離を近づけるようにするため、会社では全員になるべく“さん”付けで呼ぶようにしていますね。管理職だからと言って〇〇くんと呼ぶのは、対等ではないと思うのです。

どのような立場の人でも、社会的に尊敬すべき人間。人として接する上で、 必ず尊敬しながら接するという気持ちを大事にしていきたいと思っています。何か注意をするときも相手の気持ちを考えるようにしていますし、そこが大事だと思います」

頑張る姿勢に文理は関係ない。その姿勢がこれからの富士テレコムをつくる

SEとしてキャリアをスタートし、様々な経験を経て、今に至る薄井。SEであると文系学生が引け目を感じがちだが、文系出身の薄井は、文系学生だからこそ持つ論理的な考えや文章能力を武器にしてほしいと語る。

薄井 「論理的な考え方や文章能力を武器にする上で、1番良いのは多くの人とコミュニケーションをとることです。そこで多くの人の意見を聞き、多くの考え方を知ることができるからです。

また、人とコミュニケーションをとること以外に多くの本を読むことも大切なこと。主人公や登場人物の考え方、作者の考え方などが、論理的な物事の判断材料になることがあります」

そうした能力を活かし、会社に入った後に自分が頑張るかどうか。そこからは文系・理系関係なく頑張ることが、評価につながるのだと薄井は言う。

薄井 「実は社会人になってからの方が勉強する時間が必要なのです。自分にしかできない仕事を任されることで、自分の価値を高めることができますし、重要性が増せば会社にとって必要不可欠な人材になれます。

会社側は必要不可欠な人材は手放したくないので、それが評価、ひいてはお給料にも繋がります」

自らの経験一つひとつを糧にして、今に至っている薄井。成功だけでなく、失敗すらも糧にしようとするマインドが常に薄井の挑戦を後押ししてきた。その薄井の生き様は、富士テレコムで働く多くの社員の道標となるだろう。