変化する外部環境を捉え、創出と拡張をするチーム

山村が所属する公共事業本部 ソリューション推進部のミッションは、ゼロからのソリューションづくりを推進すること。全部で40名ほどのメンバーが企画・開発・営業推進の3つのグループに分かれ、山村は開発グループ長を務めています。

山村 「開発グループの役割はその名の通り、企画グループが考えた案を実際に開発することです。そしてできたものを営業推進に受け渡していく、というイメージでしょうか。ゼロから1にするサービスを作り、1から10へ拡張させることを繰り返しながらさまざまな点を改善していくという流れですね」

山村たちが2021年現在、メインで取り組んでいるのは、自治体の窓口業務をDX化する「デジタル窓口ソリューション」という事業です。

山村 「デジタル窓口ソリューションとは、役所で行われている各種の窓口業務を大きく効率化するためのシステムです。現状、住民の方々にとって役所での窓口申請は、長時間待たされたり、たらい回しにされたり、とストレスを感じることが多いんですよね。そこで、ITの力を使うことで移動時間や待ち時間を大幅にカットし、役所のサービスを向上させることを目指しています」

署名や押印をなくす。そもそも書くことをなくす。いろいろな場所をたらい回しにしないなど、国や自治体から寄せられたニーズは多数だったといいます。

山村 「市民の方や職員の方に何が一番、効果があるのか?を考え、6つくらいの案の中から優先的に開発するものを決めました。

現在は、マイナンバーカードを専用の機械にかざすと記入された申請書が出てくる「申請書作成支援システム」と、転入時に住民が持参する「転出証明書」を職員の方がスキャナで読み取り、異動届出書の一部ペーパレス化を可能にした「異動受付支援システム」をリリースしています。

また、昨年には来庁前に申請書の内容を作成できる「事前申請システム」というサービスが始まりました」

強みは自治体との距離が近いこと。ニーズに耳をすませ丁寧に拾っていく

デジタル窓口ソリューションを立ち上げるにいたった背景には、富士フイルムシステムサービスが開発し、多くの自治体に導入されてきた戸籍などの業務管理システムがあります。お客様である自治体が抱えるリアルな悩みをヒアリングすることで、いくつかの課題が見えてきたと山村はいいます。

山村 「最初に自治体様からの声を聞いたのは、今から7~8年前のことです。ITをあまりうまく使いこなせていないことや業務フローの改善、職員研修などさまざまな悩みを抱えていらっしゃったんです。お客様が抱える悩みを機能分解して洗い出し、全て解決するにはどうすればいいのか、どういうサービスがあればいいのかを考えていました。

当時は、市の提案資料作成のお手伝いなど、アドバイスやコンサル的なことしかできなかったのですが、開発側の人間もフロントサイドに立つことで、お客様のニーズに丁寧に耳を傾けながら業務を進めることができたのは当社の強みだったと思います」

お客様の声を受けて、「申請書作成支援システム」「異動受付支援システム」と2つの新規ソリューションの開発に携わった山村。着手の背景には国が向かっているデジタル化の方針があったといいます。

山村 「2021年の今年から、デジタル庁ができ、システムの標準化や来庁せずに申請できる仕組みを推進する流れが始まっています。この流れに連動するために、各サービスを事前にリリースし、動かしていました。ITが急激に加速し始めたのは、やはり2020年からの新型コロナウイルスの感染拡大があると思います。

もともと、5年、10年かけてやろうとしていたことをこの数年でやることは正直大変なのですが、開発や企画、推進、営業など社内でしっかりと連携し、それぞれのメンバーがお客様の近くで携わっていることで、お客様や国の情報にビビットに反応・対応ができています」

お客様の声を聞き、寄り添える。そんな環境を活かして、ニーズに沿ったサービスアイデアを、さまざまな角度で描き続けています。

新規業務は既存業務とは全く別物。身についたのは「勝負する感覚」

開発を進める中で、山村には思い出深いエピソードもできました。

それは2019年頃、渋谷区にデジタル窓口ソリューションを導入することが決まった時の話です。

山村 「僕はそのタイミングで大阪から転勤してきました。自治体様の要望を聞くことからはじめたのですが、ただその依頼を叶えるのではなく、当社として汎用性の高いトータルパッケージを仕上げる必要があったのです。そのため、頻繁に議論を重ねて当社の描くビジョンと区役所様のニーズをすり合わせる日々でした」

新しい取り組みということもあり、双方が試行錯誤して推し進めていましたが、そのタイミングでお客様であった自治体の担当者が人事異動をしてしまうということが起こりました。一番前向きに取り組んでくれていた担当者がいなくなり、プロジェクトは遅延をしていきます。

山村 「これではうまくいかない。そう思ったとき、自治体様側が危機感を持ってくださって、元いた職員の方を他部署から戻してくれたのです。僕たちのような民間企業では柔軟に対応できることでも、公共ではそうはいきません。

自治体様における人事としてはかなり異例なことだったと思いますが、プロジェクトを進めるにあたり、やはり民間と公共が互いに手を取り、全員一丸となって協力し合うことが必要だなと感じました」

しかし、ソリューション全体の完成までの道のりは、まだまだ長いのが現状。「今までにないサービスを、より早くお客様に提供したい」と意気込む山村は、パートナー企業と手を組んで効率的に業務を進めることを考えています。

山村 「デジタル領域では今、さまざまな会社がそれぞれの強みを持ってモノを提供しています。そのような他社の方々と協働することで自社にない技術を取り入れ、開発のスピードをあげていく。それが、国や自治体様のためにもベストな選択だと思っています」

山村は、新規サービスの業務を経験して思っていることがあります。それは、自社既存業務への感謝です。

山村 「既存事業の基盤があるからこそ新規事業が生まれている、と思っています。安定した基盤がなければ、新規事業を行うための資金の面でも苦しい思いをしますし、お客様との接点やつながりもありません。新しいサービスに取り組むことができる充実した環境に、感謝しています。

ただ、難しさでいうと既存と新規は全く別モノです。新規は「攻め」といいますか、売れるかどうか分からないものに対して勝負し、コミットしていく必要があります。既存事業に携わっていたころは、この“勝負する”という発想はなく、ここ2~3年で身につきました。これまでになかった知見も増え、いい経験をさせてもらっています」

「あの時描いた未来図の実現に、今取り組んでいる」入社16年目の感慨深さ

顧客のニーズと時代のスピードを追いながら、最善を尽くして開発を進めていく山村。2021年で入社16年目となる彼は、自身が何年も前に考えたことが実際に業務となり、その組織を自分がグループ長として見ているという状態に、感慨深さを感じています。

山村 「過去に自分が考えてきたことが、こうして将来に繋がってきたんだなと思うと面白いですね。これからも、自治体様における住民窓口という考え方をもう少し大きく広げながら、窓口業務全体をDX化できるように、より視野を広げていきたいと思っています」

DX化の未来に向けて、ソリューション推進部では、新たな仲間を募集しています。

山村 「一緒に働きたいなと思うのは、サービスを作る意味をしっかりとお客様目線で考えられる人です。新しいサービスというのは、いかにお客様の立場になって物事を考えられるか、お客様の置かれている状況を深く分析するかにかかっているからです」

お客様の状況に対しての興味や関心があることと、そしてひいては、国をよくしたい、自治体を変えていきたい、住民サービスを向上していきたいという想いがしっかりある人に、メンバーとして入ってきて欲しいという山村。

山村 「興味や、強い想いを持っている方だと嬉しいですね。たとえ業務に関する経験がない方だとしても、しっかりした志があれば補えるのではないかと思います。

基本的には、本人の希望を考慮して配属をしてくれる会社なので、自分の希望や夢をぜひ語ってもらいたいです」

お客様のニーズに寄り添いながら、先端技術と発想力を駆使してシステムを開発し続ける山村。熱い想いで作るまだ見ぬサービスは、豊かな未来へとつながっていくでしょう。