日本の自動車業界の課題を解決するために、新たに踏み出すデジタルの世界
先進運転支援システム(ADAS)や自動運転などの新しい機能の実現と普及に向けて、自動車業界はさまざまな課題に直面しています。柳井のミッションは、日本の自動車業界のお客様の課題を解決すること。DXCのITサービスのみならず、DXCのグループ企業であり自動車関連のエンジニアリングに強みを持つLuxoftの専門的な知見や経験も積極的に活用しながら、日々奮闘しています。
柳井 「私の主な業務はプリセールスですが、プロジェクトによってはサービス提供のサポートもしています。自動車業界のお客様がこれまでにないスピードで新しい機能の開発に取り組む中で、DXCのエンジニアもほとんど経験がない領域に挑戦する場面も少なくありません。
これまでの私の自動車業界での経験からアドバイスを提供したり、Luxoftという海外の仲間から支援を得られるように調整したり、社内的な仕事も多いです」
キャリアのほとんどを自動車業界で過ごしてきた柳井は、その知識と経験、ネットワークを活かしながら、DXCの新たな挑戦と躍進を多角的に支えています。自動車業界のお客様向けのサービスの中でも、柳井が推進するのは次世代の車両開発に関わる新たな領域。社内で関わるチームの状況もさまざまです。
柳井 「新たな領域で試行錯誤しながら少しずつ実績を積み重ねている状況なので、今のところチームはお客様やプロジェクトごとに構成されています。
チームはそれぞれに個性的で、リーダーがグイグイ引っ張っているようなチームもあれば、お客様からのご要望にどうにか応えようとメンバー同士でぶつかり合って切磋琢磨するチーム、堅実かつ理路整然と足並みを揃えるチームもあります。プロジェクトやお客様の組織の特徴によって働き方もそれぞれなので、必要に応じて私が橋渡しをしつつ、チーム間で連携を取っています」
そんな個性的なチームが支えるプロジェクトは実に多彩です。アジャイル開発を応用した自動車開発の変革、ドライバーが操作する新しいデジタルインターフェースの開発、コネクテッドビークル(IoT化された自動車)の実現に向けた技術検証など、DXCにとってはもちろん、柳井にとっても新しい領域に挑戦できる醍醐味こそが、柳井がIT業界に飛び込んだ理由でもあります。
自身のキャリアと自動車業界の進化のために、IT業界への転職を決意
学生時代はソフトウェアについて学んでいたと言う柳井。ものづくりに携わりたいという想いから、卒業後は計測器メーカーに就職しました。製品に組み込まれるソフトウェアの開発を担当し、プログラミングやプロジェクト管理を経験した後、転職した大手自動車メーカーでも、自動車に組み込まれる車載ソフトウェアの開発を担当しました。
途中、海外のグループ企業へ出向した期間も含め約15年にわたり一貫して車載ソフトウェアの開発に携わり、ソフトウェアが関わるさまざまな機能を通して自動車の進化を支えてきました。2020年12月にDXCに転職することになりますが、知識や経験だけでなく、前職で築いたネットワークも仕事の支えになっています。
柳井 「長く車載ソフトウェアに携わってきましたが、エンジン制御の基盤となるものから、システム全体のアーキテクチャや、ADASに関わるものまで、領域はさまざまでした。さらに、自動車にとってソフトウェアの重要性が大きくなる中で、業界全体で進んだソフトウェアに関連する技術の標準化の取り組みに携わったこともあり、社内外でいろいろな部門の人たちと関わることができました。当時築いた幅広いつながりが、今の仕事につながっています」
そうして長い自動車業界での経験を経て、柳井がDXCへの転職を決めた理由は主に3つありました。
柳井 「1つ目は、まず新しいことにチャレンジしたかったからです。DXCの幅広いサービスや柔軟な働き方について話を聞く中で、もっと広くさまざまなことをやってみるのも良いな、と思いました。
2つ目は、デジタルテクノロジーと、ビジネスの専門性や目線が交差するところに可能性を感じたからです。自動車業界にいたころからデジタルテクノロジーの重要性は理解していて、それを活用する実践についてはDXCのようなIT企業の方が先に進んでいるという認識もあったのですが、同時に、ビジネスに関するより具体的な知識や目的が掛け合わされれば、もっといろいろなことができるのではないかと考えていました。
テクノロジーはあくまで手段で、重要なのは何を実現したいかです。ビジネス側での経験を活かし、手段と目的のより緊密な擦り合わせに貢献したいという想いがありました。
そして3つ目は、グループ企業であるLuxoftの欧州における実績やケーパビリティを日本にも広めたいと思ったからです。今でこそ日本の自動車業界も急激な追い上げを見せていますが、先進的な領域についてはいまだに欧州が先行していると言わざるを得ません。欧州でのLuxoftの経験を日本に還元すれば、日本の自動車業界の成長に貢献できるのではないかと期待しています」
自身が在籍していた会社も含め、自動車業界全体が製品開発やサービスに関係するITへの投資を積極化する中で、デジタル化の取り組みが重要性を増していると感じ、転職を具体的に検討するよりずっと前からキャリアチェンジの可能性はぼんやりと頭の隅にあったと言う柳井。DXCとの出会いを通して、自身のキャリアの新しい可能性、そして日本の自動車業界のさらなる進化の希望を見出し、未知の挑戦に向けて歩み出しています。
「本当にあるべき姿」を追求する、お客様志向の根本を支えるアプローチ
柳井 「自分たちの仕事が本当にお客様のためになるのか?ということを常に考えるようにしています。必要なタイミングで立ち止まって振り返って、お客様のためにどうするべきかを考え続けたいと思っています」
DXCにおいてビジネスを推進する立場にある柳井の仕事における考え方には、仕事の種類に関わらず通底する、より根本的な1つのアプローチがありました。
柳井 「長く過ごした自動車メーカーで教わった考え方が、私の基盤になっていると思います。何か問題が発生した場合に、『なぜ?』を5回繰り返せと言われてきました。問題解決のためのアプローチとして、小手先の対処で済ますのではなく、『本当にあるべき姿』を意識することで困難な状況を乗り越え、より良い成果を得るための考え方です」
ITサービスにとって「本当にあるべき姿」が、お客様のビジネス成長や課題解決に貢献し、お客様に満足してもらえるサービスであることは明らかです。このアプローチこそが、柳井のお客様指向を支えていると言えるでしょう。
そんな柳井は、どんな場面で仕事のやりがいを感じているのでしょうか?
柳井 「DXCに入社してから2年が経ち、お客様の課題を解決に導けるかもしれないという手応えを感じ始めています。今はまだ少しずつ実績を積み重ねているところですが、確実にそういった場面が増えてきていることに、やりがいを感じています。自動車業界には長い歴史と巨大な産業構造がありますから、仕事の進め方を変えることは簡単ではありません。
そんな中でも、アジャイル開発への転換に向けた糸口が少しずつ見えてきたり、新しいテクノロジーに触れることで新たなアイデアが生まれてきたり、着実な成果が見えるようになってきています。そうした成果が社内外で認知されて、また新しい領域のご提案やプロジェクトにつながっていくという意味でも、嬉しい傾向だなと思います」
このような実績を積み重ねることで、自身やチームメンバーの成長も感じられていると言う柳井。サービスの「本当にあるべき姿」を追い求めてお客様と向き合う姿勢が、着実な成果とやりがいを生み出しています。
一つひとつの積み重ねから。いつの日か自動車業界で有名なDXCへ
自身が転職を考えるまでは、DXCのことをまったく知らなかったと言う柳井。それでも可能性を信じて飛び込んだDXCで、どんな将来像を思い描いているのでしょうか。
柳井 「日本の自動車業界の人たちにもっと広くDXCを知ってもらいたいです。アジャイル開発やユーザーインターフェースについて考えるときに、DXCに相談してみようって言ってもらえる存在になれたら良いなと思っています。
一気にDXCの知名度を上げることは難しいと思います。一つひとつのプロジェクトに丁寧に向き合うことで、お客様からの評判を積み重ね、自分たちも自信を持って提供できるサービスを作っていかなければなりません」
お客様のさまざまな要望に応えて、柳井の描く将来像を実現するためには、より多様な仲間をDXCに迎え入れる必要があります。これから転職を考える人たちに向けたアドバイスとメッセージを柳井が語ります。
柳井 「自動車業界に限らず、独自の製品でビジネスをしている会社と、DXCのようなサービス専業の会社では、働き方や仕事に対する考え方が大きく異なると思います。どちらが良いかという話ではなくて、違いを理解して選択する必要があります。特定の製品について長期的に専門性を高めて深掘りしていくか、状況の変化やテクノロジーの進化に対応して柔軟かつ多角的にアプローチするか、自身の志向や挑戦したい領域によって選択するのが良いと思います。
私自身、自動車業界での具体的な経験や知識を活用しつつ、新しいデジタルの領域に幅広く挑戦したいという想いでDXCに入りました。同じように新しいことに柔軟に挑戦することを楽しめる方には、DXCはピッタリの環境だと思います。そして、日本の自動車業界やものづくりの発展を支えていきたいという意志のある方は、とくに大歓迎です」