デンソーで働く社員一人ひとりにフォーカスしたインタビューを、動画とテキストでお送りする本企画。今回は、プライベートでも親交のある入社3年目の社員ふたりに、担当する業務ややりがいについて話を伺いました。コロナ禍入社でどのように会社に溶け込んでいったのか?アフターコロナに適応したデンソーの働き方にも迫ります。

プロフィール

小畑孝介
エレクトリフィケーション機器技術1部 / 第1技術室所属。 大学では機械工学を専攻。学生時代から自動車への関心を深めデンソーのインターンに参加。部品メーカーとしての技術へのこだわりに感銘し入社を決意する。趣味は中学生時代から始めたサーフィンで、夏場はこんがりと日焼けした肌が特徴的。

水上 直哉
センシングシステム品質保証部 / 品質保証室所属。 学生時代は生命分子工学を専攻し、がんを検知する唾液検査用の試験紙の研究に没頭。エンドユーザーへの価値提供を意識したモノづくりに携わりたいとデンソーへ入社。対談相手の小畑と出身大学は異なるが、バドミントンのインカレサークルでともに活動。

【動画公開中】「ぶっちゃけ、どんな仕事しているの?」──3年目社員に聞いてみた


※再生ボタンを押すと音が出ますのでご注意ください。
座談会の様子を動画で観たい方は、ぜひYouTubeでご覧ください。

ここからは動画でお伝えしきれなかった内容も含め、対談の全容をお伝えします。

専攻分野が違っても大丈夫?新入社員へのサポート体制

──はじめにおふたりのお仕事の概要や業務の内容を教えていただけますか?

小畑 孝介(以下、小畑)電気自動車に使われる電磁気部品の設計が主な仕事です。電池から電力を取り出してモーターに受け渡すとき、電力をモーターが使えるような形式に変換するパワーコントロールユニット(PCU)という製品があります。このPCUにおける電圧をコントロールする部品の設計を担当しています。

水上 直哉(以下、水上)僕は車載用センサーの品質保証業務を担当しています。皆さん、自動車が故障するとディーラーへ持って行って修理しますよね。その際に、壊れた部品は交換されます。その部品を回収して、なぜ壊れたのか原因を究明し対策を練るのが主な業務です。

──おふたりはともに入社3年目の社員だと伺っています。同期は何名いるのでしょうか?

小畑正確な人数はわからないのですが、300名後半ぐらいいます。部署の数も多く、200部ほどありますよ。

水上その中でも小畑と僕は大学時代からの付き合いです。学校は違いますが、同じバドミントンサークルに所属していました。まさか就職先がお互いにデンソーだとは思ってもいませんでした(笑)。

──同期の中でも特別仲が良いのですね。ほかの同期の方との関係はどうですか。

水上僕らは「コロナ入社」と呼ばれる世代で、入社当初からリモートワークが推奨されていました。正直はじめのころは、なかなか同期と仲良くなる機会がなかったです。

小畑その分、寮が一緒だったメンバーとはすごく仲良くなりました。入社から3年経った今でもプライベートで遊びます。

──入社1年目は基本的に寮に住むのでしょうか?

小畑入社して最初の2カ月半ぐらいの研修期間で、自宅からの通勤が難しい場合に研修用の寮に住みます。その後は配属に応じて居住地もバラバラになります。

 水上入寮したてのころ、近くにいた人に声をかけてみんなで居酒屋の「赤から」に行きました。「赤から」は愛知が発祥の地で有名なんですよね。辛い料理が苦手なメンバーもいたのに、一番辛い鍋を頼んで汗だくになりながら食べきったことは良い思い出です。

──ところで学生時代はおふたりとも同じ専攻だったのでしょうか?どのようなことを勉強されていましたか?

小畑学生時代は機械系の専攻でした。研究室では何か物事を判断するとき、なんとなく“いける・いけない”ではなく、数字で判断することを学びましたが、その考え方はデンソーで仕事を進める上でも役立っていると思います。

また、今の仕事で取り扱っているのが磁器部品なので、大学で学んだ機械的な知識が活かせる部分もあります。

逆に、電気の知識は持ち合わせていなかったので、入社してから身につけていきました。会社の教育体制が整っていますし、先輩たちもしっかり教えてくれます。とくに、所属するチームでは週に1回教育の時間が設けられているので、部品一つひとつについて担当するメンバーから教わることができています。

水上僕は大学で、唾液の成分で“がん”を発症しているかどうか判別するための試験紙の研究をしていました。そこでは、きちんと計画して実験し、得られた結果から考察して次の実験の計画を組むというPDCAサイクルが当たり前でした。2022年11月現在の業務でも分析や試験が必要な場面が多々あり、学生時代に身につけた考え方や知識が役立っていると感じます。

一方、化学系の分野を学んできたので、デンソーで扱う電気系・機械系の分野は初めて見るものばかりでした。最初こそ戸惑いましたが、新しいことに挑戦することが好きなので特に苦にはならなかったです。それに、分からないことがあっても周りのメンバーが助けてくれます。

小畑ひとりで考えていても前に進めないですからね。職場の方からは「わからないことはどんどん聞いてね」と言ってもらえますし、分かっているかどうか上司がチェックしてくれることもあります。聞いたり、聞かれたりする体制が整っていると感じますね。

水上僕の上司は、最初配属されたときに「間違ってもいいから、思いっきりやれよ。ミスが起きたときにサポートするのが上司の役割だ」と断言してくれました。。おかげで本当にのびのびやれています(笑)。これまで、あまり特定の人物を尊敬することはなかったのですが、今の上司は本当に尊敬しています。ずっとここで頑張りたいなと思えるきっかけになっていますね。

──実際に失敗をしてしまった経験はありますか?

水上試験の条件を間違えたまま進めてしまったことがありました。その試験の結果をもとに周りの人たちも動いていたので、かなり迷惑をかけてしまったと思いますが、そのときは上司が関係者の方々に謝ってくださり、「次はこうすると良いよ」と的確なアドバイスもくれました。まさに、先ほどお話したエピソードの通り対応してくださったのでカッコよかったです。

小畑うちの部には「悪いニュースこそすぐに打ち上げよう(共有しよう)」という方針があります。ミスを責めるのではなく、どう立て直すのかにフォーカスして話し合おうとする文化があるんです。僕も設計した図面の中に一箇所だけ見落としをしてしまったことがありました。普段なら気づく明らかな設計ミスだったのですが、そのときは部品評価の段階まで気づくことができませんでした。

その際はチームから「起きてしまったことは仕方ないから、巻き返すためのストーリーづくりを頑張ろう」と励まされたことにありがたさを感じました。僕の職場では、失敗が恐いからチャレンジができない、ということがないので環境に恵まれていると思います。

若手でも実感できるモノづくりのやりがい

──これまでの仕事で、達成感ややりがいを得たエピソードはありますか?

小畑2年目に、試作品ではありますが自分が設計した製品が、はじめて形になったことです。1つの製品は、さまざまな部品が集まってできていて、その中に含まれる多様な部品すべてを設計する必要があります。形や寸法を決めるにも、いろいろな条件が満たされるように計算しないといけません。

そのため、大勢の関係者と話し合って協力してもらいながら、成形しやすい形状などを導きだしていきました。かなり気合を入れて図面をつくったので、実際にモノになって手にした瞬間は達成感と嬉しさを味わいました。

水上小畑のようにモノをつくる部署ではないのですが、試験や分析を通じて得た知見が、次の新規開発のための評価指標に取り入れられるなどしたときは、人の役になっていることを実感し、すごくやりがいを感じます。

たとえば、あるガスがセンサーの部品を腐食させるという事例が報告されたとき、どういう環境でその事象が発生するのかを明らかにしました。部品ごとにも評価しますが、それらを組み合わせて動かしてみたり、車体に搭載して走らせてみたりしないとわからないことがたくさんあります。

生産に関わる“基準”をつくることは、小畑のような設計担当の仕事だと思っていたのですが、そうではないと気づかされました。品質保証も一緒になって、モノづくりにどんどん関わっていこうとする雰囲気があります。

──仕事の内容ややりがいについて、他社のご友人とお話することはありますか?

水上話を聞くと、ひたすらエクセルを中心に業務をしているという友人もいるので、3年目の時点でいろいろな経験ができている環境は、すごく幸せだと思いますね。

小畑僕も入社間もないうちは手を動かす単純作業が中心だと思っていたのですが、大勢の人と協力しながら進めるプロジェクト型の業務も、他の会社へ行った友人の話と比べるとかなり早い段階で携わることができているようです。そうした業務を任されるほどに、仕事が楽しくなっていった気もします。

出社でも在宅でもOK。コロナ禍のコミュニケーション事情

──さきほど、先輩や上司に助けてもらうことも多いという話がありました。実際のところ周囲の方との関係性はどのような感じですか?

小畑とくに関わりが深いのは、自分が担当している部品の設計を担当した経験がある先輩方ですね。もちろん最初から何でも聞けたわけではありません(笑)。割と雑談もしながら仲良くなって、次第に何でも聞けるような雰囲気になっていきました。先輩方も「どんどん聞いてね」という姿勢で接してくれるので、関係はつくりやすかったと思いますね。

水上僕の職場も、比較的上司も含め話しやすいです。驚くほど僕の業務をしっかりと把握してくださっているので、気楽に聞きやすいです。開口一番で「それ何のこと?」と返されてしまうとその説明から必要になるので聞くこと自体のハードルが高くなってしまいそうですが、そういったこともありません。

小畑忙しくて時間の余裕がないはずの課長や室長でもそうなので、なぜ自分の業務をここまで把握してくれているのだろうと思うこともありますが、きっと僕が普段よく話すチームリーダーが、メンバーそれぞれの状況を粒さに報告してくれているのだと思います。

──「コロナ入社」とのことでしたが、食事や飲み会などの機会が制限されていても、コミュニケーション量に不足は感じませんでしたか? 

小畑僕のチームは毎日の昼礼で、持ち回りで3分間好きなことを話す時間があります。仕事とまったく関係のない話でもOKです。オンラインでも互いの人となりを知るきっかけになっていますね。

ただ、そもそも自分がよく喋るタイプの人間なので、一緒に働いているメンバーのことは熟知しているつもりです(笑)。現在は、出社かリモートか選べる状態ですが、僕は出社した方が雑談しやすいので、出社してばかりいますね。

水上うちのチームはリモートでも結構雑談をしますよ。チャットで「今いいですか」と聞けばすぐに「いいよ」と返ってきますし、「ちょっと聞いてよ」という感じで電話がくることもあります(笑)。リモートだから話しづらいと思ったことはないですね。

あと、働き方が自由に選べることはデンソーの良いところの一つだと思います。僕自身は月の半分以上を在宅で勤務しています。集中してやりたい作業や資料づくりがある午前は在宅をして、モノを見なくてはいけない午後からは出社をするなど、柔軟な働き方もできています。どちらか一方を強制するのではなく、社員に選択肢を残していること自体が働きやすさにつながっていると感じます。

エンジニアの挑戦を後押しする体制が魅力

──就職活動をされている学生の中にも、リモートワークだとなかなか職場に馴染めないのではないかと、不安を抱えている方も多いかと思います。まさに「コロナ入社」のおふたりから、就活生の皆さんにメッセージやアドバイスをいただけますか?

小畑たしかにインターンもリモートが当たり前になって、会社や社員の雰囲気を知ることが難しいかもしれません。しかし、受け入れ側の体制はかなり整ってきていると思います。あまり気負わず、心配せずに来ていただければと思います。

──ちなみに就職活動をしていたときは、どのようなことを軸にされていたのでしょうか?

小畑名古屋工業大学の工学部にいたのですが、周りは男性ばかりで車好きも大勢いました。普段から車の話をしていましたし、ドライブすることも好きだったので、徐々に自動車関連の仕事を意識するようになりました。もちろん、完成車メーカーか、部品メーカーかという選択がありましたが、部品メーカーであるデンソーを選んだのは、インターンを通じて技術へのこだわりの強さを感じたからです。

水上僕は第一に、自分が父親になったときに、「お父さん何をしている人なの」と子どもに尋ねられたときに、即答できる仕事がしたいと思っていました(笑)。

たとえば、大学の研究室にいたときの、がんを発症しているか検査する試験紙に関しても、論文を出したところで世の中に普及しなくては意味がありません。

だから、ユーザーにきちんと届けられることにこだわり、実際にモノをつくりこむことができる会社に入りたいと考えました。命を乗せて走るクルマづくりは、大きな責任がともなうので、つくりこまないことはあり得ないですからね。

──実際にデンソーに入社してみていかがでしたか?

水上デンソーは、売り上げに対する研究開発費の割合がすごく高い会社なのです。若手だとしても、「こういうことをやりたい」とデータを揃えた上で提案すれば、お金も時間も捻出してもらえます。挑戦のためのリソースを与えてもらえる環境は、若手のうちから活躍するための支えになっていますし、エンジニアとしても魅力的だと思いますね。

小畑同感ですね。自身の業務で必要だと思ったことはきちんと筋道を立てて説明すれば、若手でもやらせてもらえるので、ありがたいと思います。

──おふたりのお話から、デンソーの若手社員の方々が多様な挑戦ができる環境にいることが伝わってきました。本日はありがとうございました。

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