マンションの安心・安全な暮らしを支える、FMとクリーンスタッフの仕事

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▲ネオハイツ桜井のエントランスにて。左から、フロント担当者の山下 満美、堀田、山尾

居住者の皆さまに安心して、気持ちの良い日々を過ごしていただくために、マンションの現場で働く。それが、マンション管理員(フロントマネージャー。以下FM)や清掃員(クリーンスタッフ)の仕事です。
そして、お住まいの皆さまの暮らしに密接した仕事であるからこそ、ときには人命に関わるシーンに遭遇することもあります。

奈良県桜井市にある分譲マンション『ネオハイツ桜井』。A棟とB棟からなる計141戸の大型マンションです。大和ライフネクストが管理を受託しており、現場には計3名のスタッフが勤務しています。

そのうちの1人、FMの堀田は、今年で入社8年目を迎えました。団体職員として定年まで勤め上げたのち、「事務経験を生かせる仕事をしたい」と考えて、ちょうど見かけた求人チラシをきっかけに大和ライフネクストへ入社を決めたといいます。

堀田 「現在も、主に事務的な仕事を担当しています。普段は管理事務室にいて、お住まいの方の問い合わせに対応したり、管理組合の役員の方のご要望を伺ったり。あとは建物全体の巡回をしたり、引っ越しなどがあればその対応をしたり、という感じです」

一方、クリーンスタッフの山尾は入社2年目。以前は安全衛生用品を扱う企業で、営業職として働き、定年退職。その後他社でパートとして勤めたのち、清掃業務に興味を持ち、大和ライフネクストへクリーンスタッフとして入社しました。

山尾 「朝から夕方まで、A棟とB棟の両方の建物の清掃を行っています。範囲が広いので、まずは自分のペースをつかむのが大変でした。それ以外にも、夏は草刈りや水まきなどもやっていますね」

それぞれの業務を通じて、マンション住民の皆さまに快適な暮らしを提供している両名。そんな2人が、ある出来事に遭遇したのは、2020年9月のことでした。

お住まいの方や近隣住民の方と連携して、おぼれていた児童を救出

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▲お子さんの溺れていた用水路。上にはグレーチング(金属製のふた)がかかっている

時刻は16時ごろ。ちょうど堀田と山尾の2名が管理事務室にいたところに、子どもの叫び声が聞こえてきました。

堀田 「このマンションにお住まいの、小学生のお子さんだったのですが、『友達がおぼれてる!』と駆け込んできて。本当にびっくりしました」

そのとき、堀田は館内の巡回に向かうための準備中。山尾はちょうど勤務を終える時間で、管理事務室へ戻ってきたところでした。

山尾 「今思うと、ちょうど人がいるタイミングで本当によかったです」

2人は急いでそのお子さんの後を追い、現場へ。そのときもう1人、異変に気付いたマンション住民の方(Aさん)が、マンションから駆け出していく様子が見えたといいます。

堀田 「マンションに面した道路の脇に用水路が通っているのですが、その行き当たりが深くなっていて、水が貯まる仕組みになっていたんです。3mくらいの深さがあって。お子さんのお友達がおぼれていたのは、そこでした。用水路の上には金属製の重いふた(グレーチング)が乗っていたので、私はそれを持ち上げて、支えていました」

山尾 「先に走っていった(マンション住民の)Aさんが、すぐに用水路へ飛び込んでいきました。Aさんが水中から、おぼれていた子どもさんの体を支えて、私が地上から引き上げようとしたのですが、うまくいかなくて。そこにもう1人、通りがかった近所の方が助けに入ってくれて、無事に救出することができました」

幸い、おぼれていた児童は無事で、けがもありませんでした。堀田はその後業務に戻り、17時になるといつも通り、支店にいるフロント担当者へこのできごとを端的に報告。けが人も二次災害の恐れもないことを伝えて、勤務を終えました。

後日、救助にあたった4名に、警察署と消防署から感謝状が贈呈されました。このニュースは新聞にも取り上げられ、社内外で大きな話題に。

さらに、社内表彰「DLN SPIRIT AWARD」において、大和ライフネクストの行動指針を高いレベルで実践した好事例として「SPIRIT of the Year」を受賞しました。

暮らしを支える仕事。その誇りを改めて再認識

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▲警察署と消防署から感謝状贈呈を受けた際の様子。右から2番目が堀田、右端が山尾

このできごとをきっかけに、堀田と山尾の両名には社内外からたくさんの声がかけられました。

堀田 「お住まいの方たちにも『本当によかったね』とお声をいただいたり、『どこの場所?』と聞かれたりしました。代行勤務で来た社内のスタッフからも『ええことしたね』と言ってもらったりして。うれしかったですね」

山尾 「清掃でマンションのあちこちに行くと、お住まいの方に『新聞見たよ、すごいね』とお声をかけてもらいました。あとは、昔の職場の仲間から届いた年賀状に『ネットのニュースで見たよ!』と書かれていて、びっくりしましたね。これからもがんばろう、と改めて思いました」

皆さまの暮らしを支える仕事──その誇りを、改めて強く感じたという両名。フロント担当者も「以前から本当に真摯に仕事にあたっていた」と太鼓判を押す仕事ぶりですが、「(このできごとの前後で)仕事への姿勢は変わらない」「同じように、しっかり仕事をするだけ」と2人は口を揃えます。

堀田 「あのとき助けを呼びに来たお子さんは、とても活発な子なんです。普段からお声がけをしたり、集団登校に遅刻しないように気にかけたりしながら見守っていました」

山尾 「学校への行き帰りのときなど、顔を合わせたときのお声がけは欠かさず行っていました」

日ごろからの信頼の積み重ねが、いざというときに助けを求められる関係を築き、人命救助につながったのです。

そしてこの出来事をきっかけに、2人の安全に対する意識の範囲は、さらに広がりました。

堀田 「最初にお子さんが助けを求めてきたとき、場所がパッとわからなかったんです。用水路の端が、あんなふうに深くなっていることを知らなかったんですね。マンション内に注意を払うのはもちろんですが、もっと広く周りの状況を見ておかないと、と反省しました」

2人の視点はマンションだけにとどまらず、その周辺のコミュニティ全体を見据えたものへと変化していたのです。

マンション管理を通じて、地域の安心・安全をつくりだしていく

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▲管理事務室にて。左が堀田、右が山尾

ネオハイツ桜井が立地するのは、周辺に大きな建物があまり見当たらないエリア。都心とは異なり、戸建ての中に田畑も点在するのどかな風景の中で、この大型マンションは視覚的にもシンボリックな存在です。また、近隣でさまざまな仕事に就いている人々が集まっていることから、周辺のコミュニティにおいても大きな役割を果たす存在になっています。

今回の人命救助の出来事は、そんなネオハイツ桜井の管理を担うことと、その果たす役割について2人の自負がさらに強まるきっかけになりました。

堀田 「今回、私たちだけではなく、マンション住民の方や近隣の方と力を合わせることで、お子さんを救助することができました。

いざというとき、私たちだけでは力が足りないかもしれない。そんなとき、周りの方々に力をお貸しいただけるように、マンション内だけでなく近隣の方も含めて、日ごろからのコミュニケ―ションを大切にしようと、改めて思いました」

山尾 「清掃をしっかり行って、マンションをきれいに保つのはもちろん、それだけでなく周囲の様子や、皆さまの動きにもこれまで以上に注意を払うようになりました。

私自身、安全用品の会社に勤めていたくらい『安全』という言葉が好きですし、今回改めて大切なことだと感じましたね」

マンションにお住まいの方々はもちろんのこと、近隣の皆さまも含めた誰もが安心して、安全に暮らせる。そんなコミュニティの実現を目指して、2人は今日も現場に立っています。

堀田 「今回のできごとで、私たちの仕事がマンションにお住まいの方だけでなく、地域の皆さまの安全に貢献できる仕事だと実感できました。これからもその意識を持って、業務にあたっていこうと思います」

山尾 「お住まいの皆さまや周辺住民の方々に、きれいな気持ちで過ごしていただけるように、自分なりに精いっぱい、安全にも配慮しながら、マンションをますますきれいにしていきたいと思います」