イメージしていた仕事とのギャップを感じつつ、社会人基礎を学んだ出向時代

髙林 祐介は2005年に新卒一期生としてD2Cに入社。諦めきれなかったテレビ制作をする仕事に関われるかもしれないと、期待を込めて社会人スタートを切ります。 

髙林 「当時何気なく開いたリクナビのサイトに『ドコモ』と『電通』のロゴが横並びになっている会社があったんです。ワンセグケータイ流行が真っただ中だったため、もしかしたらケータイ番組をつくれる機会があるのではないかとD2Cに思い飛び込みました」

入社直後に、当時の先輩達と近い環境で学ぶため電通出向と常駐を経験します。

髙林 「番組制作に関わる機会はなかったのですが、嬉しいことに、電通に常駐する機会がありました。広告業界トップ企業で多くの学びを得られるのではないかと期待を込めて、気付けば常駐2年出向5年と計7年もお世話に。社会人の基礎として、『顧客との関係性をつくること』『人の気持ちに寄り添って聞くことの大切さ』を培いました。

また、当時は『テレビと通信の融合』という言葉が流行っていて、ネット系部署だけでなくテレビ局の部署も兼任していたため、夢に近づいていた実感がありました」

「いかに仕事をもらうか」。電通での出向で仕事があることは当たり前ではないと痛感した髙林。試行錯誤を繰り返していきます。

髙林 「当時はマスを中心としたプロモーションがほとんどで、余った予算をデジタルに回してもらっていました。そのため用事がなくても電通のビル内を渡り歩き、営業担当を訪れデジタルの啓蒙資料や事例をペラ1でまとめて営業担当のデスクに配ったり、携帯自体に少しでも興味をもってもらうために、携帯電話の機種選定に付き合ったりしたこともあります。

こうやって、地道に関係を築いていくところからスタートし、仕事は与えられるものではなく、工夫して自分で取りに行くものだと痛感したタイミングでした。

新たな「サービス開発をしたい」その一心で起こした行動

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▲ドコモ出向時代

電通で7年過ごし戻ってきた高林。このタイミングで自分のキャリアに対して考えるきっかけがあったといいます。

髙林 「D2Cに帰任したタイミングでドコモ広告営業部のマネージャーに着任しました。このまま営業を極めることもいいと思いましたが、当時はガラケーからスマホにシフトするタイミングだったため、メディア事業に関わった方が今後の広がりやおもしろみがあると思い、異動を決断したことを覚えています」

しかし、希望して異動したはずが、大きなギャップを感じることになります。

髙林 「異動先では、課題もありましたが大きい仕事を任せてもらい、やりがいを感じていました。ですが、今会社にあるものを大きくするよりも、自分自身でゼロから新しいチャレンジをしたい想いが強くなりました。もともと事業をつくることに興味があったため、NTTドコモの新サービス『dポイント事業』を開始した部署への出向を決断しました」

ドコモへ出向をしたからこそ得た"気付き"。事業立ち上げの種を見つけます。

髙林 「営業経験もありましたし、サービス開発もメディア事業で担当していたため、イメージのずれもなく業務には馴染みやすかったです。D2Cグループの人は、ドコモのアセットを使えて当たり前だと思いがちのように感じます。

しかし、出向によってドコモの営業担当がdポイント加盟店などの外部企業に足しげく通って契約を勝ち取ったり、ドコモの自社サービス担当が魅力的なコンテンツ提供にさまざまな工夫をして会員を獲得したりしているのを、一番近くで目の当たりにしたんです。それをNTTドコモグループであるわれわれが代表して、マネタイズ部分を担うことへの責任感が芽生えましたね」

想いを形に。「加盟店の立ち上げ」の背景とは

ドコモへ出向して3年半。ドコモから戻るタイミングで、加盟店領域の事業展開をするべきだと経営層に提案をします。

髙林 「事業展開について何度か話す機会があったのですが、改めて戻ることが決まったタイミングで経営層に提案をしました。これまで、出向から持ち帰って大きな事業をなし得た事例がなかったので、なにかしら社内に持ち帰りたいと思ったことがきっかけです。出向の経験を生かした事業が増えればグループ全体の成長にもつながると感じ、その成功事例になれば良いと考えていました」

具体的には、ドコモ加盟店に向けてデジタルマーケティング施策の提案です。結果、高林が中心となって事業を立ち上げることに。

髙林 「加盟店に課題をヒアリングして、ドコモのデータを使ってPDCA回しながら効果を出していくことが主な仕事です」

新たな事業部を立ち上げる経験は今までになかった髙林ですが、中長期的なビジョンを持つことにはこだわりました。

髙林 「すでに強固なビジネス基盤がある中で新たな事業を展開しようとするとスモールスタートになりがちです。目先の利益ではなく、中長期的にビジョンを持ち小さな種をいかに大きく育てていくことが大切だと思います。きっと新しいアイデアを思いつく経験がある人は多いのではないでしょうか。しかしどうしても目先のことを優先してしまい、具体的なアクションまではなかなか起こせない。

小さなアイデアに自分自身の覚悟を加えて発信し続けることで、周囲を巻き込む大きなチカラが生まれます。そのとき、短期的な利益だけでなく、数年後のあるべき姿を折込むことが重要です」

プレッシャーの中でもやり切る。その先に見えるものとは

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▲2020年現在の髙林

電通、ドコモへと出向し、経験を積んできた高林は、今後、立ち上げた事業をD2C Rの大きな収益柱にしていくことをイメージしています。

髙林 「立ち上げ当初は専属でない人も含め、メンバーは5名程度でしたが、今は15名ほどに増えました。できたばかりの組織なので足りないところばかりですが、営業だけでなくオペレーションなどさまざまな経験をもった人が集まったチームです。『ないものはつくるしかない!』をスローガンとして掲げているので、その力をうまくまとめて事業を拡大していきたいですね」

拡大に向けて課題は山積み。高林はそんな課題への向き合い方についてこのように話します。

髙林 「短期間で収益をあげるのであれば、自分達のプロダクトだけを売る方が早いと思いますが、電通時代にプロダクトの押し売りだけではパートナーとの良好な関係を築けないことを教わりました。

営業の本質は10年以上経っても変わらないと思います。クライアントが抱える課題に寄り添って、課題解決方法を一緒に考えるスタンスはブレずに行っていきたいです」

事業成功を見据えて中長期的に見えている世界観とは。

髙林 「事業のグロースが第一です。この事業にはドコモグループの多くの方々が関わっているため、しっかりと恩返しをしていきたいですね。

また、私のように新規事業のアイディアを持っている社員も多くいると思います。将来的には、そういったアイディアや新しいビジネスの種をしっかりと事業化できるような立場にもなっていきたいと考えています」

自身の提案から事業立ち上げのチャンスをつかんだ髙林は、長期的に見据えた世界観を実現するためにこれからも前進し続けます。