「派手にやれ、ダサいことすんな!」
改めて、「JSC2022」とはどんなイベントだったのかを教えてください。
加納 「『営業についてわかる・味わう・高め合う』をコンセプトに、2日間にわたって開催したイベントです。
1日目には企業対抗の営業コンテストを行い、予選を勝ち上がった3社による決勝を経て、営業力ナンバーワン企業を決定しました。2日目は多彩なゲストを迎え、営業のキャリアやこれからの営業の仕組みづくり、トップセールス同士の対談など、さまざまなトークセッションをお届けしました」
JSC2022はセレブリックスとして前例のないイベントであり、営業という領域全体で見ても過去に例を見ないものとなりました。これほどまでの規模で開催した理由は?
加納 「私たちマーケティング部門は『営業の幸福度を高める』ことを目指しており、その一環として、営業の本当の魅力を多くの人に知ってもらいたいという想いがありました。一般的に、営業にネガティブなイメージを持たれていることは否定できません。たとえば『親が子どもに将来なってほしくない職業』のアンケート(2018年、リサーチプラス調べ)では、第1位のYouTuberに次いで『営業マン』が第2位と不名誉な位置に。
でも、営業にずっと関わってきた私たちは、これほどまでに専門性が高くてクリエイティブな仕事はないと心から思っています。その実感をたくさんの人に共有したいと考えていました。
加えて2021年度、マーケティング部門のトップである今井 晶也(執行役員 カンパニーCMO/セールスエバンジェリスト)から示されていたテーマは『派手にやれ、ダサいことすんな!』だったんですよ。2021年から2022年にかけては、セレブリックスのマーケティング部門にとって今後飛躍するための基盤をつくっていく重要な時期。だからこそ、中途半端な施策に終始するのではなく、世の中へ大きなインパクトを与えられる取り組みを進めました」
出場者や参加者にとって、真に価値あるイベントとするために
加納さんと前原さんは、JSC2022開催に向けてどのような役割を担ったのでしょうか。
加納 「私は全体管理を担いました。マーケティング部門全体のマネジメントとともに、スポンサー探しなど予算回りも含めて管掌しています」
前原 「私はクリエイティブ全般の進行管理を担当しました。キービジュアルやランディングページ、動画などの制作に加え、会場づくりも担っています。6社の外部パートナーさまにご協力をいただき、制作を進めていきました」
前例のないイベントということで、苦労も多かったのでは。
加納 「私は毎日が苦労の連続という感じでした(笑)。そのなかでも一番大変だったのは、コミュニケーションでしょうか。社内の主要メンバーはマーケティングとアカウントセールスの14人ですが、準備が進むに連れて、社内外を問わず関係者がどんどん増えていきました。
また、今回は多くの企業にスポンサーになっていただき、たくさんの人に見てもらうことを前提にしていたので、プレッシャーも半端ではありませんでしたね」
前原 「制作過程も簡単な道のりではありませんでした。今回、すべてのクリエイティブを通じて強く意識していたのは、内側の努力や苦労がにじみ出ないコンテンツにすること。制作側はつい自分たちの努力を含めてアピールしたいと考えがちですが、『頑張ってつくったので見てください』というアウトプットにはしたくなかったんです。
僕たちの泥臭い頑張りは、イベントに参加してくださる方々には関係ありませんよね。登壇者や出場者の方々がかっこよく映れば、『セレブリックスはかっこよく演出してくれる』という付加価値になるし、それが映像やストーリーとして残ることで、出場者や参加者のみなさまにとっても真に価値あるものになるはず。そんなことを外部パートナーさま各社と日々話し合っていました」
加納 「前原の考えには、私も強く賛同しました。私たちはお遊戯会をやっているわけではなく、プロとして届けるべきメッセージを届けなければいけないんです」
「妥協している場合じゃない」。純粋なクリエイティブを貫いた理由
制作過程では、関係者の意見がぶつかり合うこともあったのでしょうか。
前原 「私は社内のメンバーと衝突することもしばしばでした。部門トップの今井とも意見を戦わせていましたね。制作サイドとして強いこだわりがある部分に対して、効率の面から見直しを求められたときなども、『これをやめたら他の普通のイベントと同じになってしまう』と抵抗しました。
たとえば1日目のコンテストでは、各出場者の登場前にインタビュー内容や予選の模様を収めたVTRを流して盛り上げました。制作段階では『ここは動画じゃなくてスライドでもいいんじゃない?』と言われたこともありましたが、『動画じゃなければ盛り上がりません!』と変更を拒否しました。
他にも私が折れずに主張し続けた場面はたくさんあって、上司は苦労したと思います。まるで学園祭の準備に燃える学生のように熱くなっていましたから(笑)。それでも加納は『前原が思う通りにやってみればいい』と背中を押してくれて、今井も『そこまで本気なら好きにやっていいよ』と理解してくれました」
前原さんは、なぜそこまで熱くなれたのでしょう?
前原 「個人的には、営業が『しんどい』『かっこ悪い』と思われているような状況を何とか変えたいという気持ちがあります。JSC2022を開催する目的は、僕自身のやりたいことと重なっていたんです。
僕のなかにあるそうした気持ちをかき立ててくれたのは、高い熱量で一緒に準備を進めてくれた外部パートナー様たちでした。『前原さんがそこまで思っているなら、とことん一緒にやりきります』と言ってくださって。ここまで親身になってくれる人たちがいるのに、自分が社内で妥協している場合じゃないと思ったんですよね。時に感情的になって上司とぶつかったこともあり、仕事の進め方としては反省しなければならない部分もあるかもしれません。私も会社員として何年も働いているので、青臭いことを言わないほうが物事が進みやすいことは分かっているつもりです。でも、やろうとしているのは前例のないこと。純粋にクリエイティブを追求して突き抜けたほうが良いものをつくれると信じていました。JSC2022に参加していただく方々にも、単なるマーケティング施策ではなく、大義を持って実現したイベントだということが伝わるはずだと」
加納 「もし前原が中途半端な想いでやっていたなら、私を含めて周囲を説得しきることはできなかったと思います。でも、本気でやっていることは十分過ぎるほどに伝わっていました。だから、私にできるのは前原に自由に動いてもらい、問題が起きたときに責任を取ることだけだと思っていましたね。
セレブリックスでは普段の仕事のなかでも『配慮はすれど遠慮はするな』という言葉を大切にしています。同じ目的に向かって成果を出すことを意識できているなら、感情をぶつけ合いながらでも、一緒に前に進んでいけばいいんです」
開催後も、続々とアナザーストーリーが生まれている
さまざまなコンテンツやセッションを展開したなかで、おふたりが特に印象に残っている内容を教えてください。
加納 「これまで、いろいろなウェビナーやイベントに参加してきましたが、JSCはどのセッションもトップクラスに面白い内容になったと自負しています。個人的に強く印象に残っているのは1日目のコンテストですね。これまでは、自社の営業手法やノウハウをここまでオープンにすることはなかったと思うんです。出場者のみなさんにはそれを惜しみなく伝えていただきました。
優勝した弁護士ドットコム株式会社の米川 かえでさんは、JSC2022にかける想いや優勝した実感をnoteでも発信してくださっています。それを読んだときに、本当にやってよかったと思いました」
前原 「身内びいきに聞こえるかもしれませんが、僕は2日目の冒頭に今井が行った7分間のプレゼンが強く心に残っています。JSC2022をどんな取り組みとして捉えているのか、なぜやるのか。あの7分間で語られた内容に、JSC2022のすべてが詰まっていると感じました」
▶︎今井のプレゼンテーション動画はこちらからご覧いただけます。
イベント終了後はどのような反応が寄せられていますか?
加納 「参加者アンケートでは『コンテスト内容が参考になった』『自社の営業活動に取り入れていきたい』『営業という仕事がこんなにも素晴らしく、そして難しい仕事であると体感できた』という声をたくさんいただきました。
また、弁護士ドットコムの米川さんが発信してくださっているように、開催後もアナザーストーリーのコンテンツが生まれています。私たちの活動がこうした広がりにつながっているのは、純粋にうれしいですね」
前原 「Twitterを見ていると、『セレブリックスはここまでやるんだ』とポジティブな驚きを持って捉えてくれている人が多いと感じました。今回のJSC2022に関わってくださった方々の感情に、何かしら訴えかけられたのではないかと思っています」
「次のJSC」に期待を寄せる声も少なくないのでは。
加納 「ありがたいことに、社内外でそうした言葉をかけていただいています。実は第2回JSCに向けた企画も動き始めているところなんです」
前原 「ただ同じことをやってもおもしろくないので、さらにコンテンツに磨きをかけ、より多くの人を巻き込めるようにしたいと考えています」
加納 「期待を超える場を生み出し、営業の魅力をもっともっと伝えていきたいですね」
▶︎マーケティング部門が担うミッションや仕事内容、その背景にある想いについての記事はこちらからご覧いただけます。