プログラミングの楽しさに開眼。フィードバックの速さに魅了された学生時代

2020年にアイシン・インフォテックス株式会社(以後、AIX)に入社し、2022年1月現在は主に工場の生産管理システムの開発や導入業務に携わっている足立 稔。ITに本格的に興味を抱いたのは高校生のときだったと振り返ります。

足立 「幼いころからゲームが好きで、シューティングゲームやオンライン対戦ゲームなどに熱中していました。それまではただ楽しむだけだったんですが、あるときふと『これってどんな技術で実現しているんだろう』と思うことがあって。

僕が生まれたときは、すでにネットワークが普及していました。遠くの人とタイムラグなく話せるのが当たり前でしたが、よくよく考えるうちに、そうした仕組みの成り立ちを知りたいと思うようになっていったんです」

大学では理系の分野を専攻することを決めていたという足立。中でも大好きだったパソコンやゲームに関することを学べる情報工学科に進学します。

足立 「大学では情報系のことを主に勉強しました。プログラミングだけでなく、プロジェクトを進めるのに必要な理論やノウハウ、仕組みなど、いわゆるソフトウエアエンジニアリングの基礎的な知識も学んでいます。もっと具体的にいうと、エコシステムのような実生活で利用できる効率的なシステムについて研究していました」

大学で初めてプログラミングに触れた足立。とりわけ、フィードバックがリアルタイムで得られることに強く惹かれたといいます。

足立 「初めてプログラムを組んだとき、コンパイル後に『ここがおかしい』『文法が違う』という具合にエラーがすぐに、しかもわかりやすい形で返ってきたことに驚いたんです。これならPDCAを高速で回せると感じ、たちまち虜になりましたね」

プログラミングのおもしろさに目覚めた足立は、就職先の的をIT系企業に絞ります。就活中、とくに重視したのは“顧客との距離感”でした。

足立 「企業研究を進め、業界や各企業についての理解が深まるにつれ、ユーザ系のIT企業に関心を持つようになっていきました。グループの中で、情報システム部門を独立させたような会社であれば、自分が作ったプログラムがどう活用されていくかを間近で見られ、やりがいを感じられるのではないかと思ったんです」

そうして、数あるユーザ系企業の中から足立が就職先として選んだのが、AIXでした。

足立 「他の企業と比べて、人柄を見ようとする質問が多かったですね。学生時代の失敗や、その失敗にどう対策し、乗り越えたのかという具合に、スキルばかりではなく、自分という人間の中身に面接官が関心を示してくれたことが進路を選ぶ決め手になりました」

「工場はデータの宝庫」希望した部署でエンジニアとしてのキャリアをスタート

足立が所属するDX3部トレーサビリティグループは、部品が生産された場所や流通経路などを追跡するためのシステム開発や導入を担当する部署。希望どおりの部署に配属されたこともあり、充実した日々を送っているといいます。

足立 「大学の先生から、『工場はデータの宝庫だ』とよく聞かされていたので、工場系の生産管理システムをやりたいとずっと思っていたんです。工場は、生産に関する情報や設備の稼働状況や老朽化の度合いなど、たくさんの貴重なデータを日々発信しています。

それらのデータは、最近はやりの言葉でいえば、“IoT”や“ビッグデータ”そのもの。設備が発するノイズから交換時期を察知して保守費を抑えたり、必要な部品をそれが必要な場所に時間どおりに届けたり……効率的な生産管理に役立つ情報が満載なんです」

そんな理想の環境で足立が初めて担当したのは、大量のデータを一括処理するシステムのためのプログラムでした。

足立 「部品が製造される際、部品に関する情報をデータベースに打ち上げ、同時にCSVで書き出す工程のバッチ処理を任されました。プログラムを新たに作るのではなく、既存のプログラムをシステムに最適な形へと編集する仕事です。

作業自体は当時の自分でもひとりでなんとかこなせる難易度でした。その他には、部品に関するデータを確認しやすくするためのシステムのプログラムを作ったりもしています」

今でこそ自力で走る力を身につけ、順調にキャリアを重ねる足立ですが、入社当初は周囲に助けられる場面が多かったと話します。

足立 「新入社員に対して同部署の先輩社員が指導・相談役となってくれる“ブラザー・シスター制度”というのがあるんです。最初は右も左もわからず不安な状態でしたが、業務指導だけでなくメンタル面でのフォローもあってずいぶん助けられましたね。

中でも記憶に残っているのが、“報連相”の大切さを教えてもらったこと。失敗したことを打ち明けるのは気が引けるものですが、『伝えた時点で上長と責任を共有できる』と先輩から諭され、腑に落ちたのを覚えています。それ以来、悪いニュースも進んで報告できるようになりました」

想定外の事態に直面することが成長のきっかけに

学生時代からプログラミングの知識を積み重ね、スキルを磨いてきた足立ですが、実際の業務では想定外の出来事が多く、苦労する場面も少なくないといいます。

足立 「工場では、設備が止まると、データを自動で打ち上げる機能も停止してしまいます。そのようなケースで臨時的に使用するハンディタイプ端末のためのシステム開発を担当したんですが、これがまったく経験のないOS環境で……。

もしものときに備え、工場では比較的古いプログラムが使われていることが多いんです。古いプログラムは、使いこなされていて安全性・安定性が高いんですが、その反面、ネット上に出回る情報が少なく、欲しい情報を探すのに苦労しますね」

既存の知識やスキルだけで解決できない事態に直面しながらも、周囲の期待にこたえることで、自身が成長していることを実感できているといいます。

足立 「現場に配属された当初は、細かい仕事を渡されることが多かったんですが、たとえば『この詳細設計書をもとにプログラムを作ってみて』という具合に、最近は大きいロットで仕事を任されても打ち返せるようになりました。プログラムの中のロジックを見直したり、仕様の実現可能性を技術調査したり……。一つひとつの作業をただこなすのではなく、体系的に組み立てながら処理できるようになりましたね」

そんな足立が、今最もやりがいを感じるというのが、現場からのフィードバックをもらったとき。

足立 「実際にプログラムを導入する際、工場の方にも立ち会ってもらうんですが、思いどおりに動いて『動くようになりました』『おかげで仕事の時間がすごく減りましたよ』とメールで送られてきたときがうれしいですね。『これほんとにできるのかな?』と思うような難易度の高い機能を作るときなど、うまくいくと作業の苦労を忘れます」

これまでもこれからも、学びこそが未来を拓くための鍵

入社3年目を迎える今、足立があらためて感じているのが、学びを絶やさないことの大切さです。

足立 「どの分野でも同じだと思いますが、ITの職場には勉強すべきことが無数にあります。テストの方法や成果物のドキュメント、保守しやすいプログラムの書き方など、その気になれば知識やスキルをどこまでも広げることができるんです。これからもずっと学ぶ姿勢を貫いて、ITエンジニアとしての力を培い続けたいですね」

「今後は顧客の要望を正確に汲み取る技術も身につけたい」と意欲を見せる足立。

足立 「自分が今任されている仕事は、いわゆる下流工程と呼ばれる、開発やテストの分野です。できることなら上流工程へとステップアップして顧客との距離を縮め、具体的な要望を正確に引き出せるようになりたいという想いがあります。

そのためには、技術力だけでなくコミュニケーション力も身につける必要があると思っていて。顧客の指示どおりにシステムを作ったとしても、それが実際に良いシステムかというと、もしかしたら違うかもしれない。

顧客の意図や潜在的な課題を把握するには、ていねいにヒアリングし、課題解決のためにどんな機能を実装すべきかを立案し提案していくことが不可欠です」

プログラムを構築するように自分のキャリアをデザインし、どん欲に学び続ける足立。積み重ねた時間の先で、彼が今とは違った景色を目にする日は、きっとそう遠くないはずです。