PR Tableの覚張です。

PR Tableとのお付き合いが始まった企業の皆さんのところにお邪魔をして、「御社のタレントってどんな人ですか?」「なんでその方がタレントなんですか?」と日々いろいろな業種のさまざまなタレント社員をどのようにブランディングにつなげるかをお話しさせていただいています。

お話をする中で最近強く感じるのは、どの企業も優秀な人材獲得には頭を抱える一方で、人材流出を防ぎ、生産性を向上させる取り組みへの注目度が高まってきていると感じています。

具体的には、DXの推進、人事制度改訂などのいわゆる働きやすい環境・機能の整備ではなく、社員の、企業や仕事に対するエンゲージメントを高める施策への投資が加速しています。

企業と社員がより良い関係性であり続けるために。

今回は、エンゲージメント維持するための施策について、今自分自身が考えていることを下記のポイントでまとめてみます。

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①施策選びよりも、まずは対話
②エンゲージメントを高める施策よりも、維持する仕組みを考える
③エンゲージメントを高める施策を「点」ではなく、維持するための「線」で考える
④省察と概念化を促すアプローチとしてのタレントブランディング

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施策選びよりも、まずは対話

テクノロジーの進化、市場の注目度の高まりもあり、社員エンゲージメントを向上させるITツールやサービスは次々と生まれています。

人事担当者、広報担当者の方は、こうした世の中にあふれる情報を集め、ついつい施策ベースで話を検討を進めてはいないでしょうか。

ITツールやサービスひとつ一つの優劣をつけるつもりはありません。エンゲージメントに関する問題は企業それぞれですし、コミュニケーションの問題ですので実際やってみないとどのような結果が出るかなんてわかりません。

だからこそ、まずは「社員のエンゲージメント向上を妨げる原因、問題はなにか」を、しっかりと社内で対話することが必要だと思っています。情報収集も大事ですが、スタートはまずそこから。

当たり前のことのように聞こえますが、社内の現状把握ができていない企業は意外と多いのです。

そのため、なんとなくやった方が良いと思って始めてみたはいいものの、社内のどこの部署を巻き込めばいいのか、誰が影響力があるのか見当がつかない状態に陥りがちです。

最初にしっかりと問題や目的の目線を合わせておくだけでも、施策導入〜実践〜継続においての意思決定のスピードや質は変わってくると思います。

エンゲージメントを高める施策よりも、維持する仕組みを考える

施策を検討する前に対話、そして現時点での問題からどのように仮説を立てるかが重要だと前章で言いました。

ただ、そこに時間をかけ過ぎるのもよくありません。

ある程度、問題や目的の軸がみえてきたら実際に何をすべきかの検討に入っていくわけですが、その時に意識したいのは、「問題や目的は変化するものだ」ということです。

何か一つのツールを導入すれば万事解決するなんてことはまずないと思います。

そもそも関係性の問題はそんなに簡単なものではないですよね。

誰もが魅了されるラブレターの書き方なんてないわけです。間違いなく宿題をやらせる親から子供への殺し文句がないように。

ちょっと脱線してしまいました、、、

要するに、会社の成長、時代の変化とともに環境は変わっていくわけですから、それによって問題や目的も変わるもの。だからちゃんと対話をしたり、課題の仮説立てをした方がいいけど考えすぎるのもよくないわけです。

なので私は一つの施策、一つの効力の高さよりも、その時々の変化に柔軟に対応できるように「エンゲージメント施策を維持継続していく仕組みをどう作るか」を重視すべきだと考えています。

エンゲージメントを高める施策を「点」ではなく、維持するための「線」で考える

一つの施策よりも、継続するための仕組みを考えるとはどういうことか、私なりに考えてみたので少し参考例として紹介できればと思います。 

まず、エンゲージメント施策の問題を「若い世代のモチベーション低下」、目的を「若い世代に成長を実感させる」とします。多くの企業でよく聞く問題と目的です。

社員の成長をサポートする、企業としてそれを約束し、実践することで社員が企業にも、仕事にもエンゲージしていく状態を目指すイメージですね。

「成長」を軸にどのように仕組みを考えるかは色々方法はあるのかなと思うのですが、企業と企業や組織における人材育成の現場で引用されることが多い「コルブの経験学習理論」をベースに考えてみたいと思います。

(参考:https://li.persol-group.co.jp/co_creation/column/consider/9055.html

①   「具体的経験(Concrete Experience)」:その人自身の状況下で、具体的な経験をする

まずは経験から学習サイクルは始まります。

昇進・昇級をはじめ、他部署とのコラボレーションや、ジョブローテーションなど、それまでとは違う業務によって得られる、成功体験・失敗体験は印象に残りやすい具体的な経験ですね。多くの企業が導入しているサーベイ(組織調査)は具体的経験を提供する判断の上で効果的に活用できると思います。

②   「省察(Reflective observation)」:自分自身の経験を多様な観点から振り返る

最近多くの企業が実施している1on1や部署を横断したコミュニケーション機会などは省察を促すきっかけづくりになります。フォーマルな場づくりを提供する場合は、コミュニケーションスキルが求められるので外部パートナーとの協業が必要な部分と言えます。シャッフルランチ、飲み会、社内SNS、ピアボーナスといったどちらかというとインフォーマルなコミュニケーション施策は、省察を生み出す前段階となる、関係性作りには効果的だと思います。

③   「概念化(Abstract Conceptualization)」:他の状況でも応用できるよう、一般化、概念化する

概念化では、自身の経験だけでなく、周辺情報のインプットが非常に重要です。社員の自主性が求められ、直接的に企業がサポートするのが一番難しいフェーズですが、書籍の購入やイベント参加の補助などで間接的に、概念化をサポートすることは可能です。また逆にアウトプットする機会を提供することでも概念化の機会を創出することが可能です。フレックスタイムやテレワークなど働く環境を整える制度は、この概念化に向き合う時間を創出する為にこそ必要な施策だと思います。

④   「試行(Active Experimentation)」:新しい状況下で実際に試してみる

③で概念化したことを意図して試し実績にすること。無意識な状態で経験の機会を与えるのではなく、社員本人も目的を理解した上でのチャレンジする機会を企業として提供します。

コルブの学習サイクルとエンゲージメント施策をまとめるとこのようになりました。

エンゲージメント施策を個別単体ではなく、学習サイクルという線でつなげて実施することで、機会を提供する企業側の目的意識が高まります。また、いわゆる一般的にエンゲージメント施策だけではなく、「具体的な経験」「試行」を促すには業務レベルでの対応も必要になってきます。

関連する部署、社員それぞれの目的意識が高まることで振り返りのポイントが明確になり、また線で捉えることにより、単発だった社員とのコミュニケーションに継続性が生まれ、エンゲージメントの維持につなげられるのではないでしょうか。

省察と概念化を促すアプローチとしてのタレントブランディング

今回は「成長」をテーマにしたエンゲージメント施策について考えてみました。

考えて思ったのが、「学習サイクル」でいうところの省察・概念化の部分を社員に委ねるだけになってしまっている企業が非常に多いのではないかということです。

もちろん主体的に行動を起こしてもらえることがベストですが、全ての社員がそうできるかというと難しいと思います。

企業として、行動を起こしてもらうきっかけをどうつくれるのか。まだまだ検討する余地は多くあると考えています。

その中で私個人としては、まさにPR Tableが実践しようとしているタレントブランディングという手法のプロセスが、この省察・概念化の新しいアプローチになり得る可能性を感じています。 

これからその部分を実践しながら整理できればと考えています。